虚空にして全、全にして一という事実は、事実であっても経験的体感を伴わない。人間のセンサーは万能ではないし、それほど高感度でもない

川井俊夫 @toshiokawai1122

いきなりキチガイモード始まって困惑するわ。空気は夕方まで湿って重かったのが、今は冷たく澄んでそれほど悪くない。月は下弦、星も瞬いている。なにが問題なんだ？

川井俊夫 @toshiokawai1122

視覚も聴覚もまるで海に潜っているみたいにくぐもって、輪郭がぼやけている。頭の中だけ、瞬時に次々と激しい火花が散って、その明滅の影の僅かな暗がりに無間の虚空と世界の一切を感じる。時間と空間に対する経験的感覚が曖昧になる。

川井俊夫 @toshiokawai1122

自他の境界、自我と自己世界の境界線を曖昧に“感じる”のはよくない傾向だ。実際のところ、境界というのは抽象的な概念に過ぎない。少しややこしいが、車の窓ガラスに触れている俺の手指とガラスとに物理的な境界は存在しない。単に俺の目の解像度では分子レベルでの状態を確認できないだけだ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

実際には分子の密度や配置や運動の仕方に違いがあるだけで、あらゆる存在は繋がっている。今こうして夜空の下にいる俺も、どこかの海底で震えている火山も、スコットランドの路端に落ちている小銭も、電子顕微鏡で拡大して見れば、天地に満ちた分子の連続した一状態に過ぎない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

だがこの虚空にして全、全にして一という事実は、事実であっても経験的体感を伴わない。人間のセンサーは万能ではないし、それほど高感度でもないからな。だから実際の境界は視力と概念が作る。それが曖昧になり不確かになるということは、自我が漏れ出て失われていくということだ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

俺のような人間にとって、この境界線は非常に重要なものだ。それを見失うと自我を失ってしまう。一人の人間という状態を保てなくなる。頭の奥で明滅する火花の影、その瞬きの暗がりに森羅万象をも収めた虚空を発見して魅入ってしまえば世界はそこでおしまいだ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

だからこだわるんだ。こだわって、おかしくなる。俺にはどんな精神的疾病も障害もないが、それでも俺は正真正銘のキチガイだ。狂った人間なのではなく、単にそういう人間なんだ。社会や学問の了見や判断は必要ない。俺がそのことを理解していればそれでいい。