香りと化学について ちょっとだけ

駅メモでのエステルちゃん実装記念です
21
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

エステルとその芳香の対応表なんよ。こんなにはっきりと分かるものやないけど、それでも自分でこういう匂いを作れるのはとっても楽しいんよ。 pic.twitter.com/zGJwqYb3jT

2019-12-20 21:52:13
拡大
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

折角エステルちゃんが来てくれたことやし、今夜は香りと化学について少しだけ話してみようと思うんよ。

2019-12-20 22:30:02
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

エステルちゃんと直接関係はないんやけど、化学にもエステル、という分子のグループがあって、これはフルーティー/フローラルな匂いがするんよ。

2019-12-20 22:31:54
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

お酢とアルコールに硫酸を垂らして炙りながら混ぜ混ぜするだけの簡単な実験で合成できるから、高校で作ったことあるって人もいるかもしれないんよ。

2019-12-20 22:33:53
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

でも、どうしてエステルは匂いがするん?

2019-12-20 22:34:56
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

そもそも匂いとは、鼻にある特殊なタンパク質、嗅覚受容体で感知されるものなんよ。このタンパク質は、人間なら396種類、犬なら811種類あると言われているんよ。

2019-12-20 22:38:09
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

この嗅覚受容体と、鼻の粘膜に迷い込んだ香りの分子がくっついて、その信号が脳に送られることによって匂いがわかる仕組みなんよ。

2019-12-20 22:39:18
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

注意してほしいのは、酵素みたいに一種類の分子に一つの嗅覚受容体、一つの匂いが対応してるわけやないんよ。

2019-12-20 22:42:39
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

一種類の匂いでも、複数の受容体が反応するし、濃度によってもその組み合わせは変わってくるんよ。この組み合わせが嗅覚の複雑さをもたらしているんよ。このメカニズムは現代ではまだ謎が多いんよ。

2019-12-20 22:43:24
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

じゃあ、どんな分子が受容体と反応するん?

2019-12-20 22:45:09
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

ここで匂いがするプロセスをまとめて見るんよ。 ①まず分子が揮発して鼻に届く ②嗅覚受容体と分子が相互作用する この両方が満たされていないと匂いはしないんよ。

2019-12-20 22:46:01
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

①を満たすためには、まず、分子が人間の生きていられる温度/圧力で蒸発する必要があるんよ。だいたい沸点だと300℃、分子量だと300未満のものがこれに当てはまるんよ。

2019-12-20 22:47:35
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

②を満たすには、分子がタンパク質と作用する、つまり分子間力がほどほどに強い必要があるんよ。 具体的には、 (ⅰ)極性がある (ⅱ)分子量がめちゃくちゃ大きい がこの条件なんよ。

2019-12-20 22:48:52
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

実は、分子間力が強い分子は蒸発しにくくて沸点が高いから、①と②は互いに相反する条件なんよ。この隙間を縫ってこれる特別な分子こそが、香りのする分子なんよ。

2019-12-20 22:50:04
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

実は分子量によって分子の香り方が変わってきたり、他にもいろいろ面白いことがあるんやけど、今夜はこの辺にしておこうと思うんよ。

2019-12-20 22:51:30
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry

出典: ブルーバックス  「香り」の化学 平山令明 wikipedia

2019-12-20 23:01:19