Rocket Lab社CEO Peter Beck氏/Everyday Astronaut (Tim Dodd)氏対談

Rocket Lab社CEO Peter Beck氏と宇宙開発系で素晴らしい動画を作成されているYoutuber Everyday Astronaut (Tim Dodd)氏の対談です。Electronロケットの疑問から再使用、月輸送、そしてキックステージ…濃い宇宙ファンでも楽しめるマニアックな対談、必見です!
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LH2 @LH2NHI

Everyday Astronaut(Tim) @Erdayastronaut 氏と Rocket Lab社CEO Peter Beck @Peter_J_Beck 氏 の対談(なんとWallops LC-2の発射台開口部に腰かけての対談(笑)) 素晴らしいので必見です! youtube.com/watch?v=CUfOnw… 以下概略を日本語で。

2019-12-21 20:32:42
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対談① youtube.com/watch?v=CUfOnw… Tim氏:2019年は素晴らしい年でしたね。6回の打ち上げ、発射台が2機運用可能に、そして再使用への挑戦 Beck氏:再突入のマイルストーンを達成。想像以上です。 Tim氏:小型ロケットはマージンが小さいですがなぜ可能で、かつ割に合うと判断したのですか?

2019-12-21 20:39:11
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対談② Beck氏:小型ロケットはマージンが小さいので回収は困難です。そこでデータを再精査し、困難ではあるが不可能ではないことを確認しました。 Tim氏:他の方法も検討を? Beck氏:網でキャッチ、逆噴射、巨大なドローンでの回収など…結局先行事例のあるヘリ回収が一番。 twitter.com/LH2NHI/status/…

2019-12-21 20:45:34
LH2 @LH2NHI

対談③ Tim氏:パラシュートを開いてから着水までどの程度の時間が? Beck氏:パラフォイルは滑空でき滞空時間を延ばせる。20分程度。降下率は10m/s程度。 Tim氏:それなら何回もヘリでの回収にチャレンジできますね。(略)質問ですが、Rutherfordエンジンは再着火できるのですか?

2019-12-21 20:50:05
LH2 @LH2NHI

対談④ Beck氏:Rhtherfordエンジンは点火トーチ式なので再着火も可能だが、燃焼室のGN2パージ等が必要でロケットでは使用していない。軽微な変更で可能ではあるが Tim氏:そもそも必要が Beck氏:ない。 Tim氏:キックステージがあるから。 Beck氏:キックステージはサーキュラライズに最適です。

2019-12-21 20:55:16
LH2 @LH2NHI

対談⑤ Beck氏:もし第2段で円軌道化する場合修正噴射は数秒になる。Curieなら20~30秒の噴射となり軌道精度が出しやすい。 Tim氏:あ~Falcon9が軌道修正で強力すぎるMerlinエンジンが0.5秒燃焼で「バ…シュ…」とやってるのを見ると起動過渡とかどうしてるのかと Beck氏:まさにそれ

2019-12-21 20:59:38
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対談⑥ Beck氏:キックステージには1液式と2液式がある。能力が求められない場合はバルブを開くだけの1液式が便利。 Tim氏:比推力の差は? Beck氏:50~60sは違う。 Tim氏:2液式でのΔVは Beck氏:覚えてないがタンク容量により異なる。 10号機では高高度で衛星分離後、高度を下げ別の衛星を分離。

2019-12-21 21:05:26
LH2 @LH2NHI

対談⑦ Tim氏:月へのミッションでのTLIはキックステージで? Beck氏:Photonで行う。 Tim氏:十分なΔVが? Beck氏:月行きPhotonはペイロードデッキに大型タンクを増設し、キュリーエンジンも長時間燃焼可能。 Tim氏:複数回に分けて噴射? Beck氏:その通り。

2019-12-21 21:09:32
LH2 @LH2NHI

対談⑧ Tim氏:この大きさのロケットで月に届くとは Beck氏:TLIは魅力的だが、他にも静止軌道、太陽周回軌道へのミッションを提供できるのもエキサイティング。 Tim氏:2液式上段は再使用影響のオフセット? Beck氏:能力増強はマージン確保と再使用向け変更打消双方の意味。ただ1液式も継続運用する

2019-12-21 21:17:16
LH2 @LH2NHI

対談⑨ Tim氏:1号機から10号機まででエンジン、電池などの改良はあった? Beck氏:想定より性能が良くマージン分を削除といった内容はあるが再構築レベルの物はない。2020年も回収分の能力確保のための微調整は実施していく。 Tim氏:回収装備の重量はどれくらい?

2019-12-21 21:21:06
LH2 @LH2NHI

対談⑩ Beck氏:弾道再突入の成功具合にもよるが回収装備は150kg以下。ただペイロード影響はレシオ(訳注:質量影響度)が効く。 Tim氏:1/4程度? Beck氏:Electronは第2段の仕事が大きく、(第1段質量がペイロードに与える)影響は1/8程度しかない。 Tim氏:(マニアックなので視聴者向け説明)

2019-12-21 21:24:47
LH2 @LH2NHI

対談⑪ Tim氏:第2段の比推力は? Beck氏:約342s、これは小型エンジンでは驚異的な値。C*(特性排気速度)効率は97~98%に達している。 Tim氏:メタンにしたりは? Beck氏:Cryogenicが2系統あるのは厄介。ケロシンは取扱い性が良いメリットが勝る。

2019-12-21 21:31:22
LH2 @LH2NHI

対談⑫ Tim氏:第2段であと2つ質問が。バッテリーを2個同時に切り離すが1個ずつにしないのは? Beck氏:ペイロード影響はわずかだしオフセットトルクが問題になる。 Tim氏:第2段燃焼時のスパークは? Beck氏:あれはインジェクタフェースに堆積するスス。成長すると自然にとれて排出される。

2019-12-21 21:35:46
LH2 @LH2NHI

対談⑬ Tim氏:回収の話に戻ると…空力装備はつけないのか。 Beck氏:姿勢制御はRCSで行う。亜音速だとひっくり返ろうとするが超音速だときわめて動的安定。第2段分離後5秒で機体反転姿勢制御マニューバを開始し、再突入回廊へ調整。若干ロールはあった。ロールは制御しにくい。

2019-12-21 21:45:14
LH2 @LH2NHI

対談⑭ Tim氏:RCSの推進剤は Beck氏:コールドガス Tim氏:すごく小さいが Beck氏:突入(姿勢)領域内にあれば、そこから外れないだけでよい。プラズマに触れたら御仕舞だがベルショック後のウェーク領域にあれば問題ない。

2019-12-21 21:50:03
LH2 @LH2NHI

対談⑮ Tim氏:耐熱シールドの追加などは? Beck氏:Electron第1段底部には複数エンジンの噴流干渉と特定のマッハ数での再循環に耐えるため、耐熱シールドが付いている。 再突入では設計外の動圧で耐熱シールドが破損したが、シールドのセンサ以外のテレメトリは正常でタンクも落下まで加圧を維持した

2019-12-21 21:54:32
LH2 @LH2NHI

対談⑯ Tim氏:また同じ試験を? Beck氏:フライト10の試験がここまでうまく行くとは思わなかった。モデル化し予想するというのは難しい。 次のフライトでは第1段からの中継をもっと長くしたい。F10では「映像は良いが王様はデータ」なのでデータリンク切れを心配し低利得に切り替えカメラを切った。

2019-12-21 22:02:02
LH2 @LH2NHI

対談⑰ Beck氏:ただF10では落下の瞬間まで1MB/sの通信リンクを維持できた。次はいいカメラ映像が見られるだろう。 Tim氏:F11で繰り返し、F12からはバリュート&パラ? Beck氏:F12はまだ。次の段階に行くにはやることが多い。数フライト後にブロックアップデートする。

2019-12-21 22:07:31
LH2 @LH2NHI

対談⑱ Beck氏:パラシュートで第1段が洋上回収できれば、ハードウェアの検査でもっと多くの事を確認できるだろう。 Tim氏:2020年はもっと多くの回収実験、フライト Beck氏:2倍 Tim氏:毎月!そしてまさに「ここ」から打ち上げ(対談場所はLC-2発射台の穴)、ほかには? Beck氏:Photon

2019-12-21 22:12:58
LH2 @LH2NHI

対談⑲ Beck氏:2020年は我々の衛星にとって目玉の年です。Photonは産業界の多くの問題を解決する、宇宙利用の障壁を取り除く存在です。 (終 いやーほんと@Erdayastronaut さんの対談はほんと凄い。 基本から宇宙ファンのマニアックな疑問まで、ものすごく「濃い」内容なのが素晴らしいです!!

2019-12-21 22:18:41