脱皮する神の皮膚の内

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

世界の中心には荒ぶる祖神が眠っている。それが動けば大地は尽く崩れ泥に還る。 祖を鎮め世の均衡を保つために国はそれぞれのカミを祀り、その力を借りて国を守っている。 結界の外は未知の領域、人の住めぬ妖物の世界。だが、そんな場所に好き好んで住む者もいる。凡そそれらは人に似たナニカであるが

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

「あいも変わらずこの国は、狭っ苦しくてやンなるなぁ。世直しなんざ柄じゃねぇが、下を向いてる連中の目を引く花火の一つや二つ、派手に鳴らしてやろうじゃねぇか」 カジカ：辰の国の若者。神官一族による支配体制に異を唱え、打破せんとする活動家。 相棒に白い肌と髪をした異人の男がいる。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

どこまでも続く枯れ葦の原に、犬の吠え声。泥に足を取られる。腰まで水に浸かり、体は冷え切っている。 追手が近い。ここまでか。我が命、もはやここまで。これ以上は助からない。 「誰だ？」 子供の声だった。 氷雨：カジカの相棒。白い髪をしているため年寄りと思われがち。面頬で顔を隠す。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

「ここはあたしの国なんだから、あたしの言うこと聞いてよね！！」 寅の国の神子。この国では彼女自体がカミとして扱われる。宮の奥深くに住う世間知らず。 神職以外で立ち入ることができるのは、芸妓を捧げる御役を担う者たちのみ。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

「お前、武人をするには難儀な面だな」 「安心しろ。カミにはそれぞれ犯すことのできない両分があるが、人にはない。カミさえ守れば世はこともなし。俺たちがその証明だ」 子丑の国の武人。他国を攻め領土を広げた最初の例を作ったのが丑の国である。更なる領土拡大を狙っている。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

「こんばんは、いい夜ですね。こんな所でお散歩ですか？」 地に足のつかぬ学徒。 夜空の色をしたインバネスに裏地がカボチャ色のキャスケット帽を羽織る。常に地面から2メートル程浮いた青年。 本人曰く人だが、到底人とは思えない。森と里との境目によく出る。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

なんか、旅人になってそれぞれの国を散歩しようかな。護衛隊か人間ではないから安全に旅をできるか。 国と国の間は概ね沼地か深き森で異形が多いので、只人は越えようとは思わないとかそんなの。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

和風世界の旅人の案が出ないのでなにかイメージがあればそれをもらってキャラ化したいなと思うんですがっ！！！なにかください！！！

かずG4 @skgg_kazug4

@ky_mtdk 動物の相棒連れてる旅芸人

七星瓢虫 @Raise_a_Native

@ky_mtdk 素浪人、歌人俳人、御公儀隠密、修験者、行商人、山師あたりは思いつきましたが

朧月@喪中 @rougetsu

@ky_mtdk 飛脚とか

ツイ禁気味の福千＠ポンコツ @skycube_29

@ky_mtdk 歩き巫女

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

動物の相棒を連れた旅芸人と飛脚（メッセンジャー）で生計を立てつつ己を高めるために諸国漫遊する修験者（歩き巫女） 芸妓と神事は通じるのでなんら問題はない。あと旅芸人と歩き巫女の性質が通うのでまとめようかしら。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

春楡（ハルニレ） 妖物の領域を超えて国から国へと旅する修験者。それぞれの国のカミを巡る巡礼者でもある。 相棒はカイツブリのナナカマド。 道すがら他所の国への文を預かる事もある。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

春楡（ニレ科の樹木）は初めて用いられた道具。天地創造の最初の一本。 人に火を与えたもの。その木屑から人のためのモノ生まれたというアイヌの神話より。 アイヌ以外でも丈夫な樹皮や水に強い材は、広く道具として用いられる。 薬としての利用もあり、人に文明の火をもたらす放浪の賢者でもある。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

古く人と関わってきたため、与えられたイメージも数多い。実を結ばない、棺の木などといった死のイメージも持つ。相手によって相を変える。 相対したカミによって面を変えて舞う神楽の担い手でもある。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

カイツブリはこの世を作った最初の泥を掴み取ってきた唯一の生き物。我々の生きる世界は、カイツブリの足の間にあったひとつまみの泥である。 祖神が目覚めれば全てが泥に還る世界で、それは創世神話の相棒である。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

ナナカマドは七度かまどに入れて焼いても燃えない木である。しかしそうして作られた炭は最上の物となる。 世界を回る巡礼者でもある春楡は、己の旅路にある苦難をナナカマドが炭になるための幾度も身を焼く火に例え、相方の名前にした。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

春楡とナナカマドは、祖神の後継者である。世界の中心に眠る祖神を起こし、いつか全てを泥に還して、世界を一から作り直す。 この世界が脱皮をするためのシステム。この世は祖神の皮の内側に張り付いた夢である。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

という感じで、行きましょうか。そんなことはしってか知らずか今日も奴は諸國漫遊ぶらり旅ですよ。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

春楡が祖神となった時に世界は滅ぶので生き延びたければ殺すのが良い。その本性を見抜ければの話だが。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

タイトル　脱皮する世界の裏側とかにしようかな。 気持ち悪くていいな。 togetter.com/li/1448304

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

カポ、と水の面を叩く音がした。池に波紋が広がり、しばらく経ってから少し離れた場所に水鳥の黒い頭が出た。 　縦に長いシルエットの鳥は、チャポと音を立ててまた水面下に潜り込んで行った。 「ナナカマドに引っ掛けないで欲しい」 　横合いから声をかけられて、飛び上がった。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

目元に朱色を指した、長い髪の男が隣に座っていた。ひと一人入りそうな大荷物を担いだ、派手ななりをした男だった。 「かまどが、なんだって？」 　貴様さては化け物か、と誰何したいのをぐっと堪えてそう問うた。 「いや、だからな。あんたのその」 　と男は手にした釣竿を指差した。

望月 鏡翠@Tikha'a Jahllow @ky_mtdk

「釣り針を、私の相棒に引っ掛けないように気をつけてくれ、といったんだ」 　相棒の姿など見えない。男は一人でそこにいる。 「相棒なんて、どこにいる。流石に俺も人は釣らんよ」 　もしや人を惑わす妖物か、あるいは気狂いか。 　薄気味悪く思いながら返事をした。