201912

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田村隆一bot @ryuuiti_tamura

言葉が文字になり その文字が星の光りになる その瞬間こそ きみの言葉も僕のこころをつらぬくのに 【海辺にて】

2019-12-01 02:15:52
西脇順三郎bot @J_Nishiwaki_bot

詩はもう真理の探求ではない。感情の芸術でもない。宗教や倫理の代用品でもない。人間の記録でもない。人間に与えられた唯一の装飾である。(人生派からデコル派まで)

2019-12-02 11:03:52
吉井勇歌集(bot) @yoshiisamubot

みづからの数奇(さつき)の生を歎くべく習ひおぼえし歌にやはあらぬ

2019-12-03 06:36:59
TristanTzara @TristanTzarabot

病院の裏で蛭が楽器ももたずに泣いている 茨が月をかじり首をつって死んだ人びとに親しげに呼びかける 自殺する子どもの激しさで叫ぶのは誰だ? 猫

2019-12-04 08:03:32
八木重吉bot @yagi_jukichi

この虹をみる わたしと ちさい妻、 やすやすと この虹を讃めうる わたしら二人 けふのさひわひのおほいさ (虹『秋の瞳』)

2019-12-05 19:02:57
加藤郁乎 @katouikuya_bot

浴場にゆく Phallus は地下鉄を愛用されたい 「えくとぷらすま」

2019-12-06 02:15:45
富永太郎(非公式 bot) @tominaga_taro_b

半缺けの月は、今宵、柳との 逢引の時刻(とき)を忘れてゐる。  「影絵」

2019-12-07 16:17:05
ブルーノ・シュルツ @Schulz_bot

「よく知ってるのに、隠しちゃだめだ、ごまかさないで。こんなにも本をよこすなんて。なぜ、ぼくに渡すんだ、こんな汚らわしい外典、千冊目の写本、できそこないの偽書を。あの〈書物〉はどこにやったの」 ーー書物

2019-12-08 19:55:50
宮沢賢治 @MiyazawaKenji

いまわたくしがそれを夢でないと考へて

2019-12-09 23:02:52
中原中也(非公式bot) @Chuya_bot

私の頭の中には、いつの頃からか、 薄命さうなピエロがひとり棲んでゐて、 それは、紗(しや)の服なんかを着込んで、 そして、月光を浴びてゐるのでした。 - 幻影

2019-12-10 06:53:17
マックス・エルンスト @max_ernst_bot

外部であると同時に内部であり、自由であると同時に捕らわれている。この謎を解いてくれるのは誰だろう?

2019-12-11 02:07:28
吉田一穂bot @yoshida_issui

生れたてのカマキリが燈下で自活し始める、 わが夜々の白紙の上で。『輪の外』

2019-12-12 16:58:10
谷川俊太郎bot @tanisyun_poem

多すぎることばはさわがしい こころの底の静けさがことばのふるさと /谷川俊太郎「ことばのとおりに」

2019-12-13 15:34:29
長田弘 @osadahiroshiBot

ぼくたちにとって 絶望とは あるなにかを失うことではなかった、むしろ 失うべきものを失わなかった肥大のことだ。 おびただしい椅子と白壁とにかこまれて 撓みながら 鏡は過ぎゆく歴史の記憶をすべる。

2019-12-14 16:07:37
高安国世bot @takayasubot

畑土に尻を下ろせば忘れゐし地のぬくもりの沁み来るもの  ─真実

2019-12-15 13:06:56
秘帖(中河與一歌集bot) @yugaobot

隣家のめをと喧嘩を聞きゐけむ下女が洗濯(すすぎ)をふとはじめたり

2019-12-16 23:34:18
伊東靜雄詩集(bot) @itoshizuobot

そんなに凝視(みつ)めるな わかい友 自然が与へる暗示は いかにそれが光耀にみちてゐようとも 凝視めるふかい瞳にはつひに悲しみだ [続]

2019-12-17 01:03:54
石垣りん bot @ishigakirin_bot

夜中に目をさました。/ゆうべ買ったシジミたちが/台所のすみで/口をあけて生きていた。/「夜が明けたら/ドレモコレモ/ミンナクッテヤル」/鬼ババの笑いを/私は笑った。/それから先は/うっすら口をあけて/寝るよりほかに私の夜はなかった。/『シジミ』

2019-12-18 10:21:21
大木惇夫詩集(bot) @okiatsuobot

満月に酔い痴れて じゃがらたの夜を行けば たまゆらに ガメランぞ鳴り出でぬ、 しみらにも掻いさぐり はた、高鳴らす その楽の音(ね)は、 ふるさとの かかる夜の かかる夜の思ひ出に 顫(ふる)へつつ、咽びつつ。 (続)

2019-12-19 10:03:54
竹中郁bot @takenakaiku_bot

鉛筆を削る。 木の新しい匂ひの中から光つてくる鉛筆の心(しん)。 私は聞く。 眠る山の底にひびく人人の声声を。 もひとつ大きくひびく爆発(はっぱ)の音響を。 その鉛筆がこんな詩を書く。 (「鉛筆」/未刊詩篇)

2019-12-20 21:43:13
寺山修司bot @terayama_bot

私は私自身の記録である。

2019-12-21 04:06:27
土屋文明の短歌BOT @bunmeibot

高梁(かうりやん)を前にしやがめる全裸人文字(もんじ)発明の朝思ほゆ  『韮菁集』

2019-12-22 00:06:36
新美南吉bot @NIIMI_Nankichi

弟ハ北ヲ向イテ 小サイ咳ヲシタ 『冬<A>』

2019-12-23 04:01:01
ジュール・シュペルヴィエルbot @supervielle_bot

壁という壁が目をさまし 壁の中で /押しつぶされて眠る砂粒も目ざめた。 [モンテヴィデオ]

2019-12-24 04:07:27
茨木のり子 @noriko_ibaragi

この世の酷薄さをキュッとしぼって形にしたような てるてる坊主は 時として 私のなかで いまだにゆれる ひとびとのやさしさのなかで ひとびとのいたわり深さのさなかに

2019-12-25 16:16:40