茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2416回「２０１９年を振り返って感じる、選択なき変化と、多様性のリアリティ」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２４１６回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

２０１９年も終わろうとしているので、私には珍しく、一年を振り返る連続ツイートをしてみようかなと思う。今年の日本、世界を見ていて、底流にあるトレンドは何かなと思っていたのだけれど、一つは「選択なき変化」なのかなと思う。意識的に選択しているわけではないのだけれども、時代が変わっていく

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日本の社会、特に政治家やエリート層を見ていると、現状を変えて行く知恵や勇気やエネルギーをほとんど失っているように見える。教育も、メディアもそう。ところが、当事者たちが意識的に選択して変化を呼び起こさなくても、新しいテクノロジーやネットワークで勝手に自分たちの生活が変わっている。

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早い話が、若い世代はほとんどテレビを見ないでスマホの画面から勝手に好きなコンテンツを見ているし、その内容もものすごい勢いで刷新されている。旧来型メディアが変わらないのは事実だけれども、その変わらないコンテンツ自体がスルーされて、関係のないものになりつつある。

茂木健一郎 @kenichiromogi

社会の制度やあり方などを政治がビジョンを持って進めるみたいな雰囲気は一切ないけれども、実際の生活スタイルはどんどん変わってしまっている。だから、政治家がビジョンややる気ゼロでも、社会が勝手に変わっていくから、何の問題もない。もちろん政治がもっとちゃんとしていたらよりマシだけど。

茂木健一郎 @kenichiromogi

この、選択なき変化のトレンドは、若者のリクルートスーツにちょっと似ている。画一的なリクルートスーツを若者が着ているけど、あれは旧来型ダイナソーの大人社会に合わせているだけで、中身はその大人たちが全く預かり知らない、想像できないコンテンツに刷新されている。選択なき変化が起こっている

茂木健一郎 @kenichiromogi

#KuToo　の主張は全くまともだけど、それに対して従来のステレオタイプや常識であれこれ言ってくる社会の方は一向に変わらないし、旧来メディアはそういうオッサン、オバサンたち世界の闊歩するワンダーランドだけれども、旧世界が意識的選択で変わる必要もなく、勝手に変わっている新世界がある。

茂木健一郎 @kenichiromogi

このあたりの、選択なき変化のリアリティをどれくらい感じられるかが、２０２０年に向けての一つの鍵なのかなと思う。中国は政治体制がアレで、しかし人々の生活は勝手に変わってしまっているけれども、あの二重構造ほどではないけれども似たような変化が、ここ日本でも起こっているなあと実感する。

茂木健一郎 @kenichiromogi

「選択なき変化」に加えて２０１９年のトレンドを挙げるとすれば、それは「多様性のリアリティ」かなと思う。多様性がスローガンじゃなくて空気のように私たちを満たすようになった。これも、多様性をPCで求めるというよりも勝手にそうなっていく。意識を超えた無意識、身体性の層における変化だ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート２４１６回「２０１９年を振り返って感じる、選択なき変化と、多様性のリアリティ」をテーマに８つのツイートをお届けしました。