ジュリアン・ジェインズ 『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』の感想・紹介
松岡正剛の千夜千冊1290夜『神々の沈黙』ジュリアン・ジェインズ 1000ya.isis.ne.jp/1290.html pic.twitter.com/blyxw59Lcv
2018-04-19 17:37:511290夜「原始古代のある時期まで、人類の脳はバイキャメラル・マインド状態にあった。それがあるとき崩壊して、やがて「意識」が生まれた。その意識をつくったのは「言語」だった」『神々の沈黙』ジュリアン・ジェインズ→1000ya.isis.ne.jp/1290.html
2018-10-21 04:44:57眼の絵画でなく眼の像というとメソポタミアのこれが有名である。脳科学からある種の宗教論に行ったジュリアン・ジェインズは『神々の沈黙』のなかで、当時の人はこれが仕事場に置いてあると監視されている気がして仕事を休まず続けたのではないかと主張している。
2018-09-16 15:47:55ジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』プリンストン大学心理学教授。97年没。伝承文学や碑文などの人類史の痕跡から「意識」の誕生に迫る。進化の過程における意識の問題。「私たちはただの物質からどうやってこうした内的世界を引き出しうるのか」
2019-06-09 08:50:44意識の起源を探る。文字の成立の前か後か。まずは最古の文字記録を読み解き、そこに主観的意識の有無を探る。が、文字の登場した紀元前3000年頃の象形文字は解釈に揺れがある。著者は「確実な翻訳が行える言葉で書かれた人類史上最初の著作」として『イーリアス』を採用
2019-06-09 08:59:16『イーリアス』における心とは何か。「おしなべて『イーリアス』には意識というものがない」後世には精神的なものを指す単語も、『イーリアス』ではより具体的なものを指すという。用例が多数引かれる。
2019-06-09 09:05:22『イーリアス』の登場人物は座り込んで考えることをしない。主観的な意識も心も魂も意識も持たない彼らを行動に導いたものは何か。物語中で何かをしろと示すのは「神」。神が意識に変わる位置を占めている。
2019-06-09 09:07:59神々は誰かの想像から生まれた虚構などでは断じてなく、 それは人間の意志作用だった。 神々は人の神経系、おそらくは右大脳半球を占め、 そこに記録された訓戒的・教訓的な経験をはっきりとした言葉に変え、 本人に何をすべきか「告げた」のだ/ジェインズ『神々の沈黙』
2013-11-17 22:41:05「意思決定こそ、まさにストレスであるということが、 今やはっきりしている。 もしネズミが、 餌や水を得ようとするたびに通電された格子板を通らなければならないとしたら、 そのネズミには潰瘍ができる。 ネズミに電気ショックを与えるだけでは、そうはならない/J・ジェインズ『神々の沈黙』」
2019-01-11 11:02:04「私たち人間の目、つまり網膜像は、毎秒20回切り替わりながら対象物に反応している。それにもかかわらず、私たちが見ているのは途切れることのない安定した対象物であり、相次いで投入されてくる個々の情報や、それを対象物に統合している事実は少しも意識されない/J・ジェインズ『神々の沈黙』」
2019-01-19 18:12:10「(脳の)右半球は統合や空間構築といった作業に深くかかわっており、左半球は分析や言語に関する作業にかかわっていると推測できる。右半球は、ことによると神々のように一つひとつの要素を全体の脈絡の中でのみ意味を持つものと捉える。つまりつねに全体を見ている/J・ジェインズ『神々の沈黙』」
2019-01-19 18:21:52「催眠術にかかった人間は、もはや主観の世界に生きてはいない。いつものように内省することもないし、自分が催眠状態にあることもわからない。ふだんならつねに自分自身に目を光らせているのに、その監視機能も停止している/J・ジェインズ『神々の沈黙』」 監視機能は思い当たる。飲酒の必要性。
2019-01-19 18:49:58「最初の詩人は神々だった。詩は<二分心>の誕生とともに始まった。古代の精神構造における神の側はたいてい…韻文で語っていたのだ。…つまりある時代の生きた人間のほとんどは、頭の中で詩(のようなもの)が組み立てられて語られるのを一日中聞いていたことになる/J・ジェインズ『神々の沈黙』」
2019-01-19 18:31:25ジュリアン・ジェインズの二分心を敷衍して考えれば、「歌」や「韻文」というものは、内なる神の声と言える。「詩とは、未発達な心の中で溺れかかっている人間が取りすがる筏なのだ~『神々の沈黙』」 マクロス1・2で「歌」が重要なものとして扱われているが、ポイントを突いている。
2019-06-05 20:26:28痺れる言葉。 > 吟遊詩人たち(詩をたくさん暗記している人たち)は、文字が出てきたときには、みんないなくなってしまった」と。 文字が記憶の役割を果たしてしまい、 記憶を頭の中じゃなく外で外在化して 保存することができるようになったら、 知能を使わなくてよくなった 1101.com/webshinsho/01/…
2019-08-03 16:59:08この話を、もひとつ前の段階にしてみる。「記憶」を「言葉」に、「知能」を「神」に代えると…。 言葉を頭の中じゃなく外で外在化して 保存することができるようになったら、 (意識が生まれ) 神を使わなくてよくなった 段々J・ジェインズの二分心のようになってくる。これ。ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C…
2019-08-03 17:31:45ちなみに意識の誕生の起源に迫ったジュリアン・ジェインズ氏、こういうことも書いていたらしい。アクセル踏み込むなあ。1976年でこれか。 「真実という概念そのものが、・・大昔の確実性に対して誰もが抱く根深いノスタルジアの一部」 『神々の沈黙-意識の誕生と文明の興亡』amzn.to/2OADlgd
2019-08-03 17:37:29読みはじめ。スリリングに引き込まれる導入部。意識は、思考や行動の結果しか知りえない。どのようにそれがおこなわれているか知らない。髪の毛や爪の伸びを、意識は介在しないように。 ジュリアン ジェインズ 神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡 amzn.to/2l3D4jO
2017-12-24 05:32:39ジュリアン・ジェインズ、神々の沈黙。第一部の二分心の章まで読んだが、とくに銘記しておきたいことは、言葉は比喩でできあがっており、言葉あるいは意識は、空間化をおこなうということだ。時間を想定するとき、年表のような線を引き、空間を用いる。言葉は空間をつくりだす。
2017-12-24 11:46:06ジュリアン・ジェインズの神々の沈黙で主張することは、むかしの人間には主観的な意識がなく、神の声にしたがう人間がいただけだという主張だ。人が車を運転しているとき、運転技術には意識を用いず、意識はほかのことでお留守になっている。意識がお留守なことはしょちゅうあり、意識の不在は常かも。
2017-12-24 11:52:02ジェインズ、神々の沈黙。神の声や死した王の幻聴を古代人は聴いていたという仮説の古代文明の検証部分に入ったのだが、これが証拠だといわれる箇所に納得できない。トンデモ本にも思えるのだが、納得する人も多いとか。むしろわたしは神の実在を信じるようになったのは、言語の実在化能力からと。
2017-12-24 18:26:55