観劇報告書Selection③【阿吽~ミソゲキ2019より、ティンク、劇団わに社、ミソゲキユニット2019】

2019年12月29日〜31日公演。C組からは4団体中、気になった3団体を選びました。何気に久々に観た演目もありなかなか中身濃かったですね。
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MO-RI-Y(正体不明なファンタジー) @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[C] ②ティンク…性格が正反対っぽい姉妹が、お互いに遠慮したままから次第に交わってってのが面白い。それこそ劇中のダンスで交差の如くそれが見えてくる。ただ話自体に劇的な展開はそこまでないので印象には残りにくいかも?#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/cJzQqA3TXo

2020-01-01 00:35:12
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【②ラクリモーサ】(ティンク)
【足立春佳×足立友恵】(☆敬称、所属団体名は略してます)
ある誰もいない真っ暗な空間、そこに鍵を開ける音が…そしてやや軋むような音と共に一人の若い女が入ってくる。どうやらそこは部屋の様だ。そして、次にその若い女はその暗い部屋の窓を開け放つ。と同時に中に眩い太陽の光が差し込み部屋の家財道具を照らし出していく。やがて、女はすぐ近くの棚あたりに行き、よく整理された書物なんかを次々と手にしだすのだが、どことなくぎこちなく時おり愛おしげにそれを取り出す仕草からしてどうもこの女の部屋ではなさそうだ。しかし、この部屋さほど埃が被ってる様子でもないっぽいので、誰かが使っているか、もしくはいたのは間違いないと思うのだが…そこにこの女のが現れる。

実際には、姉が現れる前にいない姉に対して「どうして自分には何も相談してくれなかったのか?」と妹が叫ぶ場面がありました。台本を持っている訳ではないので、上はあくまで観た時に抱いた印象で書きました。なので細かいところは間違いあるとは思いますが、大筋はそこまで間違ってはいないと思います。

さて、それぞれダンスをやっていたのですがお互いがお互い遠慮の塊なのか、姉妹にも関わらず、スレ違いばかりで何も本心を打ち明けられなかった最も近くて遠い二人のお話です。それをお互いにもう一回引き戻そうとするという話ですね。ちなみに姉は妹にとって背中を追う憧れの存在であり、姉もまた妹の実力を認めていた節があるので劇中のやり取りを見る限り行き違いこそあれ姉妹中はそんなに悪くなかったと思われます。

で今回、妹が長年やってきたダンスを辞めるというので(姉はこれより前に辞めた)姉とダンスについてアレコレ語る訳です。はどちらかと言えば時おりいたずらっぽく微笑んでは淡々と語るタイプ。どちらかと言えば何か吹っ切ったのかサバサバした様な口調でした。対する時おり激昂するなど感情織り交ぜながらという印象でした。なんとなく踏ん切りがつかないというか何かを引きずったというか…ちょうど真反対の感じでしたね。

そう、ちょうど劇中で披露されたラクリモーサというダンスの様にね。ダンスは全くの圏外ですけど、あれもお互いが表と裏ですれ違い、その後重なってましたもんねぇ、なんか変な言い方ですが。(←語彙力の欠如)

ところで妹が普通の服装に対して姉は白い衣装に裸足だった気がします。この時点で姉は故人の様な気がしなくもないのですが、すると妹は何に語りかけていたのでしょうか?そこは劇中ではたぶん明かされていない(姉が死んだとするならば何故死んだのか?も含めて)と思うのでわかるはずもありませんが、もしそうだとするならば、彼女は辞めるにあたって気持ちの整理がつかず、それを姉の住んでいた部屋…それこそまだそこにいるかもしれない残留思念あたりに聞いてもらおうと…そして自分の気持ちに決着をつけるべくここに来たのかもは…そんな気がします。

劇的な展開がなかった…と書いてますが、会話劇なので姉妹の会話がしばらく淡々と続くんですね。…なのでB組からの連投で6組目、しかも昼飯直後だったワタクシのまぶたがですねぇ…というのはナイショの話、スミマセン。(←何やっとるんだ)

MO-RI-Y(正体不明なファンタジー) @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[C] ③劇団わに社…個人的には過去観ている作品なのだが、改めて観ると作者のマジックみたいのを感じますね。だってあの最悪の状況から一気にカードひっくり返しちゃうんだもの。あと役者の組み合わせも良かったですね。#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/MUGvI8ZuRR

2020-01-01 00:35:17
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【③ネバーランドは今日も雨降り】(劇団わに社)
【浅井千寿代×川井ケージ】(☆敬称、所属団体名は略してます)
あるカップルが福引か何かで当たった東京どっこいしょランド…じゃないや…ええと、某ネズミの国に行く道中の車内のやり取りを描いた話なんです。(←帰りもありますけどね、そういえば今年は子年🐭ですねぇ←どうでもいい)

その日はあいにく前も見えないくらいのどしゃ降りで。なので高速道路は進まんわ、さえない顔の彼氏←の貧乏ゆすりは酷くなるわ(←つまり苛立ってる)、おしっこはしたくとも降りられないわ、対する彼女のフラストレーションはこれまたこの煽りでたまりまくりだわで(←もろ顔に出てる) まぁこれでは、夢の国どころか着く前に悪夢の国にしかならんと思うのですが…雨の日は憂鬱になるというのをそのまま絵に描いた様な内容です。が意外にも最後はチョットばかりハッピーな結末を迎えることになります。ちなみに作者は空宙空地という団体さんです。

…という訳でこの彼氏と彼女は実に気まずい雰囲気で夢の国に向かうんですよね。
まぁ、あくまで観ただけの人物の印象ですけどね、彼氏はどっちか言うと溜め込むタイプなんですよ、たぶん。帰りの会話でもネズミの国ではしゃいでたとか、また、行きの会話でも福引で当ててバカ喜んでたとか言ってますしねぇ。人には言えないし明かさないけど日頃は結構来てる…全般には聞き分けのない駄々っ子って言うか気分屋って感じでしたねぇ。

さて、一方彼氏によって被害を被った彼女ですね、この人は変わりゆく表情や言動が面白いんですよね、最初はなんとか場の空気を和ませようと彼氏にネズミの国の話をしたり叱ったりして軌道修正をしようとする訳です。が半ばひねくれ入ってるか拗ねてる彼氏ことごとく否定される訳です。そのうち彼氏のワガママが延々続くと、ものの見事に鉄仮面…愛想が尽きたとばかりに無表情になっちゃう訳ですね。顔が死んでるし、絶対怒ってるよ、こりゃって感じなんですね。…でいよいよ詰みかぁ?とか思ってたら、ほんとに間の悪いことに帰りのSAで彼氏がトイレで留守中にどうも着信という追い打ちがぁ…なんだか嬉しそうに会話してるし…男か?…あー詰んだ。(←もはや文章になってない)

なので正直、観てるこっちも立ち込める黒雲みたいに重たいなぁ〜って雰囲気でしてね、もう蔓延してるんです、そういう空気が、いやこれどうなっちゃうんだろ?みたいな感じで。

ちなみにラストは帰りのSAでどしゃ降りの中傘もささずに帰ってきた彼氏がティンカーベルを介して(←というかなりきって)彼女にこれまでの非礼を詫び、よりを戻して(←たぶん)話は幕を閉じます。このティンカーベルを使うあたり、素直じゃないって言うかいかにも彼氏らしいなぁ〜って感じでした。また、この奇跡の大逆転みたいな結末がなんとなく作者の思いやりみたいなのを感じましたね。

ところで余談ですけどね、ティンカーベルの愛称って確かティンクなんですけどね…前の団体の名前と実はなにげに繋がりが…。

MO-RI-Y(正体不明なファンタジー) @0227MORIY

【観てきました!✧◝(⁰▿⁰)◜✧】 【阿吽~ミソゲキ2019】[C] ④ミソゲキユニット…もはや闇あたりしか感じないって点で完璧な作品。口ばかりで捻くれ者の兄、それを論破する冷静な弟ともうなんてわかりやすい構図なのか。特に兄の徹底した醜態ぶり晒す演技が素晴らしかったです。#ミソゲキ2019 pic.twitter.com/yTHndptS4Z

2020-01-01 00:35:20
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【④兄よ】(ミソゲキユニット2019)
【永井一信×芝原啓成】(☆敬称、所属団体名は略してます)
憧れの女性が結婚することになり結婚式に呼ばれたものの、それが妬ましいやら悔しいやらで、この期に及んでもあれこれグチグチうるさい兄とそれを呆れて眺める弟の物語。弟の前では式の最中に花嫁を奪い取るくらいの勢いで大口叩いて大風呂敷広げるも、いざ本人を前にすると借りてきたネコみたいになり何も出来ない兄のヘタレっぷりが笑えます。と同時に兄のうんちくに対し非情なまでにことごとく論破してしまう弟がこれまた笑えてしまうという内容でした。

まぁ、文句なしに面白いんですよ。なんとわかりやすいとか思いつつ笑いながら観てたんですけどね。まず、兄のメイクなんですけどね、顔の半分だけバットマンに出てくるジョーカーみたく白塗りに口裂け女みたいになってるんです。これを左右半分ずつにクルクルっと舞台に出すことによって「普通の顔=表向きの顔」「ジョーカーの顔=醜悪な本心」を使い分けるって感じなんですね。これが余計兄の心境ってのがリアルに映るんですが、ただ劇中ではやってることが余りにポンコツすぎるので(特にスピーチの場面)返って気の毒に思えてくるんです。要は哀愁漂うってヤツですね笑。ラストの徹夜明けの一人カラオケ状態も含めてもう苦笑いするしかない笑。

演技力の高さに関してはたびたび弟役の方はどこかしこで観てるので存じ上げていたのですが兄の役の方は初めて観たんですがこの方もまたスゴい!。〆の演目に相応しいものが観れました。

それにしても、「兄よ」ってなんとなく昭和を感じるタイトルですねぇ。ええ、なんかいかにも昔の任侠映画っぽいというか…なんて言うんですかね、長兄が陣頭指揮を取り、それを下支えする弟みたいな…うわぁ、古臭ぇぇーー!!!やめやめぇーー!!世界観壊れるわ。あーでも確かに弟君、お兄さんを支えてはいるのか、別の意味では笑。

終わります。