2019年12月の英国総選挙で労働党はなぜ惨敗したのか? いくつかの記事や番組クリップを翻訳することで、その原因を探ってみました。

お忙しい方のために答えだけ先に書いときますと、労働党の主な敗因は、ブレグジットについて態度を鮮明にしなかったことではなく、左翼思想を追求することにかまけて、伝統的な支持基盤であった労働者階級が離れていくという長期的な傾向に有効な対策を講じなかったことです。
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選挙前

最初は、ワーキング・クラス出身のコメディアン、ジェフ・ノーコットがなぜ保守党に投票するつもりなのかを説明するコラム (インディペンデント紙、12月5日)

まとめ ワーキングクラス出身のおれはなぜ保守党に投票するのか。今週木曜日 (2019/12/12) は UK の総選挙の投票.. 英インディペンデント紙に掲載されたコラムを訳しました。コラムを書いたのはコメディアンのジェフ・ノーコットです。 4177 pv 24 2 users 1

左派の話も聞いてみましょう。労働党が左に寄りすぎたせいで伝統的な支持基盤であった労働者階級が離れていってますよ、などと言われるが、そんなことは決してありません、と主張する記事(ガーディアン紙、12月10日)

tarafuku10 @tarafuku10

先月の英国総選挙。今回は、左派の主張も聞いてみようということで、選挙の 2 日前にガーディアン紙に載った記事を訳してみた。題して「労働党が労働者階級の支持を失ったというのは虚構にすぎない」。選挙結果を知った上でこの記事を読み直すと、また味わい深いものがある。 tarafuku10working.hatenablog.com/entry/2020/01/…

2020-01-02 02:47:57
リンク tarafuku10 の作業場 英国総選挙: 左派ジャーナリストの記事を訳してみた。「労働党が労働者階級の支持を失ったというのは虚構にすぎない」 - tarafuku10 の作業場 2019年12月に行われた英国総選挙。今回は、左派の主張も聞いてみようということで、選挙の2日前にガーディアン紙に掲載された記事を訳してみました。題して「労働党が労働者階級の支持を失ったというのは虚構にすぎない」。しかし、選挙結果は皆さんがご存じのとおり。 筆者のアッシュ・サーカーは、英国のジャーナリスト/共産主義活動家。20代女性。 www.theguardian.com (翻訳ここから) 労働党が労働者階級の支持を失ったというのは虚構にすぎない 2019年12月10日 アッシュ・サーカー(Ash Sa

選挙前日のテレビ番組。俳優/コメディアンで労働党支持のスティーブ・クーガンが、保守党に票を入れる人は基本的にオツムが弱いとばかにするシーン。

tarafuku10 @tarafuku10

選挙前日、俳優のスティーブ・クーガンが彼の演じるおばかキャラのアラン・パートリッジなら今回の選挙をどうとらえるか聞かれて。 「パートリッジは情報不足で無知。だから彼は保守党とブレグジットを支持する。保守党は教育に投資しない。彼らが支持を得るには一定レベルの無知が必要だからね」-> twitter.com/SunPolitics/st…

2019-12-13 22:05:53
Sun Politics @SunPolitics

Patronising Steve Coogan sparks fury after Alan Partridge actor brands Tory and pro-Brexit voters ‘ignorant’ #GE2019 thesun.co.uk/news/10533719/… pic.twitter.com/GmtfnGslJe

2019-12-12 21:03:45
tarafuku10 @tarafuku10

->横に座っていたメイ首相の補佐官だった人がそれに答えて、「この態度こそが、これまで長く労働党に投票してきた善良な人々が、労働党を捨てて保守党支持に回る原因なんだ。クーガンのような人々、そしてTwitterバブルやロンドンバブルの中にいるような人々は、彼らのことを頭が悪いというんだ」 pic.twitter.com/h2X9bmMIEH

2019-12-13 22:07:06
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選挙当日 (2019年12月12日)

tarafuku10 @tarafuku10

UK 総選挙の出口調査: 保守党が過半数を獲得 pic.twitter.com/XS7IJfI9g0

2019-12-13 07:28:35
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最終的な獲得議席数は保守党の365に対し、労働党は202。労働党は1935年以降で最悪の結果に終わった。

選挙後

選挙翌日の朝の番組で、選挙前のスティーブ・クーガンのコメントにかみつく司会者/ジャーナリストのピアース・モーガン。

tarafuku10 @tarafuku10

選挙翌日のピアース・モーガン「選挙前日にクーガンがチャンネル4で、ブレグジット支持者をコケにしていた。彼らはばかで頭が悪いと言った。彼が演じるキャラのアラン・パートリッジがちょうどそんなヤツでとか、わめいていた。たとえば、あなたがイングランド北部に住む労働者階級で労働党支持で-> twitter.com/SunPolitics/st…

2019-12-13 23:44:34
Sun Politics @SunPolitics

"You've got this multimillionaire entitled Hollywood brat telling you your vote doesn't count" - @PiersMorgan talks plainly about Steve Coogan and Hugh Grant #GE2019 #ElectionResults2019 pic.twitter.com/Q2jsgk60pn

2019-12-13 16:30:12
tarafuku10 @tarafuku10

->ブレグジット賛成に投票したとしよう。そしたら、この億万長者で特権階級のハリウッドのガキが、お前の票には意味がないと言う。おはよう、クーガンさん。意味がなかったのはあなたの言葉だ。おはよう、(ヒュー)グラントさん、意味がなかったのはあなたの言葉だ。あなた達の言葉は全く逆効果だった」

2019-12-13 23:45:20

政治学者のマシュー・グッドウィン教授の総括

tarafuku10 @tarafuku10

マシュー・グッドウィン政治学教授のUK総選挙総括: ボリス・ジョンソンと彼のチームは、政治の新しい不文律を理解していた。その不文律とは、これまで手にしていなかった多くのテリトリーや議席を獲得するには、経済は中道より少し左寄りで、文化やアイデンティティでは少し右寄りの立場を取ること。-> twitter.com/GoodwinMJ/stat…

2019-12-16 20:36:51
tarafuku10 @tarafuku10

今回の選挙については、欧州と北米の多くの左派政党が、社会民主主義の衰退にコービンが何らかの答えを示してくれるのではないかと注目していた。だが現在は、中道右派政党が、価値の分断に対処するための処方箋をボリス・ジョンソン/ジョンソニズムが示してくれるのではないかと期待している。->

2019-12-16 20:37:56
tarafuku10 @tarafuku10

環境や気候変動についていえば、現在の労働党の問題は、保守党はアジェンダを作るのが非常に簡単だということだ。保守党は、地域間格差、国民医療サービスの予算の増加、生活賃金を上げること等について、英国の取り残された人々に話しかけている。これらは全て、以前は労働党が主張していたことだ。->

2019-12-16 20:38:35
tarafuku10 @tarafuku10

だが今、労働党は、移民の制限、ブレグジットの投票結果の尊重、愛国的であること、国を支えることなどを語りはしない。そんなことを言えば、労働党支持者の多くは、それはレイシストだ、外国人嫌悪だ、などという。労働党に票を入れてきた人々が労働党に背を向け、保守党支持に回ったのも当然だ。(了)

2019-12-16 20:38:54

ニューカッスルのある選挙区で、保守党候補の選挙運動を実際に手伝った雑誌編集者の体験記事 (豪州クウィレット誌、12月13日)

tarafuku10 @tarafuku10

豪Quillette誌の記事「英国労働党は目覚め、そして破産した」を訳してみた。筆者は、友人がニューカッスルのある選挙区で保守党から立候補したので、選挙運動を手伝ったという。英国では合法の戸別訪問をする中で彼が体験したことから、なぜ労働党が失敗したのかを考察します。tarafuku10working.hatenablog.com/entry/2019/12/…

2019-12-31 00:54:14
リンク tarafuku10 の作業場 豪 Quillette 誌の「英国労働党は目覚め、そして破産した」を訳してみた - tarafuku10 の作業場 オーストラリアのオンラインマガジンであるQuillette誌に掲載されていた「英国労働党は目覚め(woke)、そして破産(broke)した」という記事を訳してみた。 Woke は Wake (起こす) の過去分詞で、「社会正義に目覚めた(意識が高い)」ぐらいの意味で最近よく使われる。左派が自分たちのことを指すときにも使うが、右派が使うときは揶揄のニュアンスが入っていることもある。 筆者のトビー・ヤングは同誌のアソシエート・エディターだが、友人がニューカッスルのある選挙区で保守党から立候補したので、選挙運動 30 users 20
tarafuku10 @tarafuku10

英語の元記事はこちら。英国総選挙の翌日(2019/12/13)に公開された記事。私なりに要約しますと、労働党の失敗は、ブレグジットへの態度を明確にしなかったことではなく、労働者階級の支持率の低下という、より長期的なトレンドに対策をとる気がないから。 quillette.com/2019/12/13/bri…

2019-12-31 01:08:49