茂木健一郎さんの「いのち」

脳科学者・茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの6月7日の連続ツイート。 被災地・宮城県石巻市の雄勝中学校の生徒と話したことについて
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茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(1)今回の地震、津波による災害のやりきれない特徴の一つは、波が襲ったところとそうでないところで明暗がわかれてしまっていることだろう。石巻も、女川も、雄勝も、波が来たところはみんなやられてしまった。津波がここまで来た、という境界がはっきり見える。

2011-06-07 08:04:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(2)車で、大川小学校の横を通った。水辺にあって、すぐ裏は山。逃げるといっても、山に行くしかなかったろう。その場でどんな決断をし、行動をするか。簡単に決めつけなどできないし、割り切れるものでもない。

2011-06-07 08:05:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(3)雄勝小学校、雄勝中学校のあった雄勝地区は、みんな波で流されてしまった。子どもたちは幸い全員無事で、飯野川校舎で授業を受けている。ご家族と、河北のビッグバンに避難して、そこから通ってくる子どもたちも多い。

2011-06-07 08:07:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(4)中一から中三までの生徒たちと向き合った。みな、元気で、いのちにあふれている。でも、「どうだった?」と聞くと、山に逃げた時のことを話してくれる。みんなでお尻を押し合って、おじいちゃん、おばあちゃんを背負って逃げたのだという。

2011-06-07 08:08:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(5)「ぼくの足元まで水が来て、少し後にいたおじいちゃんは、腰まで水が来ました。」中学生の男の子が話してくれる。雄勝でも海が直接見えないところに家があり、たまたま外に出て津波の来るのを見たおじいちゃんの一言で、みんな逃げて間一髪を得たのだという。

2011-06-07 08:09:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(6)「みんな元気な顔をしていますけどね、本当は大変な体験をしているんです」と佐藤校長。生きていればこそ、子どもたちのいのちは再び輝きだす。津波で、家も何もみんななくなってしまったけれども、子どもたちのいのちだけは飛び跳ねて、笑い、小突き合っている。

2011-06-07 08:11:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(7)放課後、校庭でサッカーをしたり、体育館でバレーボールをする子どもたちの姿があった。ぼくが中学生の時とまったく変わらない。サインに並んだ男の子に、「チョコもらったことあるのか?」と聞いたら、照れていた。「お前ユリが好きだろ」とからかわれ、顔を赤くする。

2011-06-07 08:12:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(8)音楽室に間借りしたという校長室には、2時46分で止まったままの時計が置かれていた。津波が襲った雄勝中学校にあった時計だという。さまざまなものが失われたが、子どもたちのいのちの時間だけは、進み続けている。

2011-06-07 08:13:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

いのち(9)仙台に戻り、ボランティアの方々や佐藤校長先生とお話した。街の明かりが、やけに眩しかった。灯火は、人々の元気の証し。子どもたち、修学旅行にいけるか心配していたっけな。東京に行ったことがない子も多かった。ディズニーランド行けたらいいね。一生に一度のことだから。

2011-06-07 08:16:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、宮城県石巻北高等学校飯野川校に間借りして授業を受け続けている、雄勝中学校のみなさんとお話したことについての、連続ツイートでした。みんな、元気でね。また会いましょう!

2011-06-07 08:17:45