管仲はなぜ斉を強国に押し上げることができたのか

shinshinohara @ShinShinohara

古代中国に管仲という人物が現れた。それまで大して強国と言えなかった斉で宰相となり、当時最強の国にまで発展させた功労者だ。それを実現できたカギの一つが、君主や貴族に法律を守らせるという、中国史上初めての試みによるものだった。

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それまでの中国では、君主や貴族が身勝手に庶民から財産を奪っても誰も咎めることができなかった。庶民は泣き寝入りするほかなく、安心して経済活動することができなかった。 管仲は、それまで庶民を縛りつけるだけだった法律を、貴族たちの身勝手を許さないためのものとして施行した。

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その結果、庶民は貴族から理不尽に財産を奪われる心配がなくなり、安心して経済活動を行えるようになった。頑張って働けば働くだけ、手元にお金が残り、豊かになることができる。その結果、斉は経済が活性化、中華最強の国へと発展した。

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これに似た経緯を、ヨーロッパでもたどっている。王侯貴族が好き勝手すると庶民が安心して暮らせないことから、法律は権力者の気ままを縛るためのものとして発達することになった。法律は庶民を縛るためではなく、権力者の横暴から庶民を守るために機能するものだ。

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もし法律が権力者に都合のよいものに改変されるとしたら、管仲以前の人治の社会に逆戻りすることを意味する。権力者の身勝手を防ぐことができず、庶民は息を潜めて生きるしかなくなり、経済が停滞し、国は衰退する。北朝鮮を見ればよく分かる。

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法律は権力者の横暴から庶民を守るためのもの。その原則を見失うと、国を滅ぼすことになる。そのことは忘れないようにしたい。