核軍縮や「核なき世界」の実現可能性と妥当性について

ここ最近の核軍縮の進展の度合いを示した上で、核軍縮の実現可能性を核保有国毎に述べています。そして「核なき世界」の現実的な部分を評価すると同時に、しかしそれが目指す理想像自体がナンセンスであるとする内容です。
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時事コム国際・政治 @i_jijicom_inp

有意義な核軍縮、望み薄=ストックホルム平和研報告書 http://bit.ly/k862Wc

2011-06-07 11:22:10
fj197099 @fj197099

核軍縮についてだが、オバマ政権で「核なき世界」表明に伴う核セキュリティ対策の向上や米ロSTART条約批准などの進展があったのは事実だが、これ以上は核軍縮が容易に進むことはないだろう。そもそも米ロの核軍縮そのものが実質面で見ればかなり微少な削減に過ぎない。核ゼロにはほど遠い。

2011-06-07 12:44:52
fj197099 @fj197099

オバマ政権は新START条約発効をうけて次は戦術核の削減交渉へと進みたい構えだがNATOに通常戦力で劣るロシアがこれを受け入れることはない。昨年二月のロシアの新しい軍事ドクトリンでは核兵器の役割はむしろ増大していると位置づけられている。ロシアにとってはミサイル防衛も懸念対象だ。

2011-06-07 12:46:37
fj197099 @fj197099

ちょうど、現在NATOの国防相会談で米ロのミサイル防衛(MD)協力の話が出ているが、ロシアは米国が欧州に配備するミサイル防衛がロシアを対象とはしないという法的保証を求めている。米国はこんなロシアの要求に乗ることはできない(新START条約批准過程で上院から釘を刺されている)。

2011-06-07 12:48:01
fj197099 @fj197099

よって戦術核でもMDでも今後の米(NATO)とロシアの関係は停滞又は悪化せざるを得ず、特にMDの配備が進めばロシアはそれを突破する新たな戦略核の開発・配備を促進するだろう。つまり米ロ核軍縮に望みはない。米国もイランからの脅威を受けつつ欧州にMDを配備しない選択肢は存在しないのだ。

2011-06-07 12:49:44
fj197099 @fj197099

米ロ以外の核軍縮交渉の望みはどうか。核ゼロを実現するにはどのみち他の国家の非核化も実現しなければならない。可能性が最も高いのは英国であり、財政難と反核勢力の存在から自発的核廃絶の可能性が考えられなくはないが、フランスは何があっても核保有を継続するだろう。それは主権の象徴だからだ。

2011-06-07 12:51:30
fj197099 @fj197099

フランスの核開発の歴史を振り返ればわかることだが、これは米国やNATOに安保上依存せず、仏の「大国」としての主権的地位を守るという「ド=ゴール主義」の不可欠な要素なのだ。フランスが核保有国でなくなった時、仏は世界における「大国」としての地位を失う。フランス人はそれに耐えられない。

2011-06-07 12:53:34
fj197099 @fj197099

中国もまた同様である。中国は核政策には比較的ロー・プロファイルな姿勢を保っているがしかし核戦力を保有していることが米国やロシアと対等な地位につくための不可欠な要件と見なしていることは間違いない。かつては「ズボンが穿けなくても核保有をする」といった国だ。その信念は些かも変わらない。

2011-06-07 12:55:51
fj197099 @fj197099

中国が自ら先行的に核兵器を使用するつもりはないと先行不使用の宣言をしているがそれは核恫喝に対して核恫喝で応じるという懲罰的抑止の発想を放棄するものではない。また近年の中国は米国の優勢な通常戦力に対して先行的に核兵器を使用する条件を検討しているとの話も聞く。どのみ核は不可欠なのだ。

2011-06-07 12:58:03
fj197099 @fj197099

印パの問題も深刻である。1998年にインドが核実験をしたのに対抗してパも核保有をするに至ったが、パはどのみちインドの通常戦力に対抗するために核保有をせざるを得なかっただろう。近年、パはインドに比較して核戦力を増強しているようだが、それは印の通常戦力増強を恐れてのことである。

2011-06-07 12:59:26
fj197099 @fj197099

仮にパが印の核戦力に対抗して核保有をしたとしても、印はそう簡単に核放棄をすることはできない。というのは印のみを考えていればよいパと異なり印は中の抑止も考慮しなければならないからだ。対中抑止のための印の核兵器がパの核保有を誘発したとの考え方もできる。この方程式を解くのは容易でない。

2011-06-07 13:01:02
fj197099 @fj197099

この他、核兵器を保有すると見られるイスラエルや、核開発を継続しているとされるイランや北朝鮮の問題もある(後者は既に保有済み)。いくら米国が単独で核軍縮の模範を示したところで、これらの国家が非核化に向かう可能性はほぼゼロといってよいだろう。故に核ゼロの発想は必然的に限界があるのだ。

2011-06-07 13:02:27
fj197099 @fj197099

「正統派」の安保研究者は基本的にオバマ政権の「核なき世界」の理想像をナンセンスなものだと見なしている。それは実現不可能だし、実現させるべきかどうかもわからない(核廃絶の過程で抑止が破綻するかもしれない)不透明な世界像だからだ。日本人はどれほどこれを理解しているのだろうか。

2011-06-07 13:04:38
fj197099 @fj197099

他方「核なき世界」提案には現実的なところもあってそこは評価されている。一足飛びに核廃絶にいこうとするのではなく、段階的に極めて長い時間をかけて進もうとしている点だ。特に米国の拡大核抑止への悪影響がないように慎重に考慮されている点は評価できる。核セキュリティ問題への取り組みもよい。

2011-06-07 13:06:03
fj197099 @fj197099

しかし究極的には「核なき世界」の理想はナンセンスだ。第一次大戦も第二次大戦も「核兵器の存在しない世界」で起こったという事実を考慮すればよい。核兵器がなければ大国間戦争は「より戦いやすい」ものとなる。そこから生まれる悲劇を考えれば「核なき世界」は決して理想的世界とはいえないだろう。

2011-06-07 13:07:43

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