バレエ界の頂点に立った吉田都さんの、はじめの一歩～プリンシパルへの道

世界文化社 ブックニュース（ナナ子） @sebun_digital

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩】バレエに憧れるかたも、そうでないかたも、多くのかたがその名を知る、英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルとして活躍された 吉田都さん。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩2】。どんなプロフェッショナルにも、「はじめの一歩」があります。世界的プリマへつながる彼女の「はじめの一歩」とは、いったいどんな一歩だったのでしょうか。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩3】木の床、バー、鏡、その空間に漂う匂い、そして、いつか履いてみたいと願っていたトウシューズが置かれているスタジオ。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩4】初めてのレッスンの日、その空間に一歩踏み込んだときの感覚は、未だに鮮明に蘇ってきます。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩5】「これでバレエが習える」と実感した私ですが、このときすでに9歳。バレエを始める年齢としては、決して早くはありませんでした。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩6】ところが、当時の私はバレエを習えるだけで満たされていたので、スタートの遅れなどは、全く気になりませんでした。同じクラスの子に追いつくことに必死だったものの、

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩7】教わったことができなくて苦労することもなく、むしろ苦手を克服したときの喜びや踊ることの嬉しさのほうが勝っていました。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩8】週に1度の稽古に通い、1回ごとに出席表に絵を描くことができるので、それが1つずつ増えていくことも楽しみでした。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩9】しかも1年間休まずに通うと、ロシア製のトウシューズをご褒美でもらえます。まだレッスンでは一度も履いたことがなかったので、たとえ観賞用であっても美しい靴が贈られたときは感激しました。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩10】バレエを始めてから2年、ようやく待望の練習用トウシューズを手にします。「吉田 都さん」と先生に呼ばれ、

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩11】直接サテンのシューズを渡されたとき、その1足が未だ見ぬ世界へと導いてくれるパスポートのように思えました。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩12】実際に履くのは次のレッスンまでお預け。けれどやっと入手したその宝物は、箱から出して見るだけでは収まらず、こっそり家で試してみることにしました。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩13】何度も履いているうちに、シューズは少しずつ汚れてしまい、先生に気づかれてしまうのではないかと心配しつつも、ついにトウシューズでレッスンを受ける日を迎えました。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩14】。その日から今日まで、トウで立ち、踊り続ける日々。私の運命を変えたのは、もしかするとこの一足のトウシューズだったのかもしれません。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩15】つま先立ちしたときに、見える世界。私が目にするその世界には、今では大勢のお客さまが見守ってくださる客席が広がります。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩16】プリンシパルという最高位ダンサーの立場でありながら「主役としてオペラハウスの舞台に立っている！」などと意識して舞い上がってしまうと、到底務まりません。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩17】ですから、夢のようなその光景を“自分の日常”だという平常心で見ています。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩18】それでも、子どもの頃に習ったことのある作品を踊っているときに、ふと当時の気持ちや感覚を思い出すこともあります。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩19】初めて舞台衣裳を見たときやバレエ音楽を聴いたときの高揚感。バレリーナに憧れていた子どもの頃の私とプリンシパルとしての日常が、私の中で常に共存しているのです。～『吉田 都　一瞬の永遠』より

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩20】物語はこの後、新たな出会い、挫折、ローザンヌ入賞……と進み、現在へと紡がれていきます。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩21】小さな一歩から始まったプリンシパルへの道は、振り返ってみれば太い太い一本道へ繋がるものだったことに胸打たれます。

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【バレリーナ吉田都さんの、はじめの一歩22】上記の導入部分で心が震えたかたには、ぜひ最後までご一読いただきたい一冊です。