西田豊明会長 @ 第25回人工知能学会全国大会
- shima__shima
- 3085
- 0
- 0
- 0
「大震災と向き合う」全国大会開催まであとわずかになった.これまでの大会関係者のご尽力に感謝しつつ,討論の準備をはじめたい.
2011-05-29 16:08:44東日本大震災は未曽有の大災害である.大津波を伴ったばかりか,福島原子力発電所事故も併発した.日本の歴史に大きく刻まれることになるだろう.
2011-05-29 16:09:552011年7月をもって創立25周年を迎える人工知能学会にとって,今回の大震災は大きな試練を与えるものとなった.
2011-05-29 16:20:29「復興に取り組まれている人に負担をかける上,会員の安全も心配である現状で,我々はなぜ全国大会を盛岡で開催しなければならないのか?」という本質的な疑問に答えなければならなかった.
2011-05-29 16:22:07さらに遡れば,「研究をするとはどういうことか?」,「なぜ我々は研究するのか?」という問いに至ることになる.
2011-05-29 16:24:50このような問題意識のもとで,大会委員会だけでなく,理事会でも議論を行い,全国大会開催決定に至った.
2011-05-29 16:33:253月18日付メーリングリスト記事およびホームページ上で全国大会について検討状況とその後の予定についてアナウンスした.
2011-05-29 16:36:013月31日付メーリングリスト記事およびホームページ上で,我々はどのような考えのもとで全国大会開催に向けて努力しているかについて明示した上で,その後特段の情勢悪化がない限りという条件付きで,開催の方向で検討を進めているという基本方針を表明した.
2011-05-29 16:44:283月31日付メーリングリスト記事およびホームページ上で,我々はどのような考えのもとで全国大会開催に向けて努力しているかについて明示した上で,その後特段の情勢悪化がない限りという条件付きで,開催の方向で検討を進めているという基本方針を表明した.
2011-05-29 16:44:28これにともない,いかなる理由でも,論文投稿前の投稿・現地発表キャンセルを受け付けること,投稿された論文は発表がなくても出版の対象にすること,次回発表を5月上旬にすることも表明した.
2011-05-29 16:45:59そして5月6日付で「2011年度人工知能学会大会開催決定のお知らせ」をホームページに記載した. http://bit.ly/iExiGn
2011-05-29 16:51:43そして今.当面の問題について結論を出し,全国大会に至った今こそが,本質的な問題について討論を開始するときだ.
2011-05-29 16:54:00東日本大震災について一般的な視点から論じることはこのパネル討論の目的ではないが,本討論に関係すると思われるポイントだけ押さえておきたい.
2011-05-29 16:55:02第一は,我が国にとっては,この大震災が歴史の転換点であるということ.強い地震動が津波と原発事故を引き起こした未曽有の規模の大災害である.今でも余震が続き,復興への長い道のりはまだ途に就いたばかりである.
2011-05-29 17:00:11第二は,我々が当事者であるということ.人工知能学会においても,自らの被災や家族の被災など,いろいろなレベルで当事者となっている会員が多い.
2011-05-29 17:00:44日本の科学技術には総じて強い批判が集まっている.総じていえば,日本の科学技術に対する社会からの批判は,問題解決にあまり貢献できていないこと,また,その背後にある「社会のために行動しない科学者」という科学者の姿勢に向けられているように思える.
2011-05-29 17:01:45被災国としての日本に対する支援,復興に取り組む日本国民に対する称賛の声がある.一方で,行きたくない国,国際社会に迷惑を与えている国というイメージがある.
2011-05-29 17:02:26もう一つの観点は,自分たちの持つ,もしくは,持ち得る力は何か,自分たちが最も得意とすることが何であるかについて改めて認識しておくことだ.
2011-05-29 17:14:23人工知能研究が本格化した1956年から55年,学会創立から25年経過したいま,人工知能研究で多くの成果が培われてきた. 他の技術と組み合わせたり,新たな社会制度を導入すれば社会に役立つ成果もかなり蓄積されているという実感がある.
2011-05-29 17:14:40