大英帝国がメシマズに至る歴史

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リンク www.jstage.jst.go.jp 中世イギリスの食文化 J-STAGE
まとめ 14世紀イングランドの料理本を紐解く勉強会報告(ガチ試食つき) 1/29(日)に神奈川で開催した、中世西欧時代に残された料理レシピの解析と再現試食(日本で入手できるもので)、時代背景についての濃ゆい勉強会の内容報告です。 28309 pv 433 39 users 27
石部統久 @mototchen

イギリスの料理書の歴史(2) ─ Hannah Woolley とイギリス近代初期の料理書における薔薇水 小 柳 康 子 jissen.repo.nii.ac.jp/?action=reposi…

2020-01-21 22:27:09
リンク silvernote.seesaa.net ロンドン 食の歴史物語―中世から現代までの英国料理: 銀の手帖@読書メモの過去ログ ロンドン 食の歴史物語―中世から現代までの英国料理,2018年10月にブログを移転しました。 1 user
まとめ イギリス料理はなぜまずくなったか Amazon.co.jp: 西洋史の新地平―エスニシティ・自然・社会運動: 佐藤 清隆, 安川 隆司, 中島 俊克 http://www.amazon.co.jp/dp/4887083483 71794 pv 665 325 users 42
リンク VKsturm’s blog イギリス料理はなぜ「まずい」のか─産業革命と二度の大戦から - VKsturm’s blog 1.はじめに 2.産業革命以前の料理 3.ヴィクトリア朝による料理の衰退 4.さらなる苦難─第一次世界大戦と第二次世界大戦 5.イギリス料理の再生と進展─第二次世界大戦終結後 6.おわりに このブログ記事は下記のエントリーの補足ですので、ぜひ下記のエントリーもお読みください peoplesstorm.hatenablog.com 1.はじめに イギリス料理=まずいというステレオタイプは日本において根強く有る。ツイッター、mixi、2ちゃんねる…あらゆるところで毎日のようにネタにされる。しかしなぜイギリス料 204 users 1329
めがざら @Megazarak

さてぼちぼちやれる分はやってしまおうか イギリスのメシマズを語るにはまず大前提として、 ・18世紀半ば、産業革命以前のイギリスは、食文化豊かとは言えないまでも必ずしもメシマズではなかった ・我が国は食に関して極めて恵まれた風土であり、一概に比較するのは間違い というのを抑えておきたい twitter.com/Megazarak/stat…

2020-01-20 21:26:50
めがざら @Megazarak

イングランド島を含むあの辺のブリテン諸島郡は、くくりで言えば日本と同じく「農業国」である ただし、彼の国の土地自体はひどく痩せているというほどでもないものの、非常に冷涼な気候であり、その比率は、田畑よりも畜産の比重が極めて大きい (そも農産物は我が国が恵まれすぎているのです)

2020-01-20 21:32:45
めがざら @Megazarak

もともと作物の種類がさほど豊富ではなく、特に葉物野菜の数は非常に少ない 代わりに、穀物、つまりムギ類が非常に育ちやすい土地柄です(米は亜熱帯性の作物なので除外) これにより、古来、あの一帯では穀物生産と畜産が盛んであったのはみなさんご存知かと思います

2020-01-20 21:36:03
めがざら @Megazarak

さて 古来より畜産主体とは言え農業の盛んだったイギリス 地方部においては、素朴ではありますが、土地土地の特色ある田舎料理がそれなりに豊富に存在していました 例えば、牛肉を数種のハーブなどと煮込んだスープなどがありますし、原始的な各種のパイなどもありました

2020-01-20 21:42:17
めがざら @Megazarak

元来、食材の豊かさがさほどではないとはいえ、それでも農業と人の生活がそこにある以上、相応に食文化は発達していたのです ハレの日にふるまわれる料理などもきちんと存在しており、この辺は近代の研究で復活したりもしてるようなので、 興味のある方は調べてみるのも一興かと思います

2020-01-20 21:46:42
めがざら @Megazarak

さて それまで極めて牧歌的に発展してきた(ぶっちゃけて言えば欧州のド田舎だった)イギリスに、18世紀半ば、急激な発展の波が押し寄せるわけです 蒸気機関の発達による急速な産業の機械化と、それに伴う大規模な工場化―イギリスを一気に大国化させた要因の一つ、産業革命です ですが…

2020-01-20 21:48:55
めがざら @Megazarak

これこそが、そもそもさほど豊かではなかったイギリスの食文化に致命的な大打撃を与え、いまに至るも「あの国は世界で一番飯が不味い」「美味いものを食いたければマク〇ナル〇に入れ」などと言われるほどの悪評を生んだ大きな要因となるのです

2020-01-20 21:50:13
めがざら @Megazarak

急激な機械化による各種産業(主に紡績など)の高効率化によって、その生産速度と生産量は爆発的に上がりました それに伴って必要となってくるのは、そう、人手です しかし、当時の急激な業務拡大に伴う必要人数を、都市部だけで賄うのは不可能でした 当然、その分は地方の農村から引っ張りますね?

2020-01-20 21:53:26
めがざら @Megazarak

当時の農村は現金収入に乏しく、物々交換もまだまだ主力という状態でした それは必ずしも悪くはなく、足りないものを補い合うことでコミュニティを持続させる文化があったわけです ―が。 良い生活をしたいのは人の常、金が欲しいのも人の常 そして、都会での生活に夢を見るのもまた、人の常でした

2020-01-20 21:55:54
めがざら @Megazarak

当然ながら、「ロンドンで働くことができる」「現金収入になる」というのは当時の農村部において非常に魅力的であり、多くの若者が農村を離れ、ロンドンへと赴きます また、現金収入を望み、子供を送り出す親もいました 当時は児童労働に関する条約も労基法もクソもないですからね

2020-01-20 21:58:42
めがざら @Megazarak

まずここで第一のダメージが発生します これにより過疎化した農村では働き手が減り、また、人口の減少によって祝祭なども縮小されていきます 加えて、料理を伝えるべき次の世代も村から消えてしまっているわけです (当時は女性も女工で働きに出ましたし)

2020-01-20 22:01:04
めがざら @Megazarak

これによってまず、「農村部における伝統的な料理」の消失が次々と起こりました もちろん、完全に失伝したわけではないのですが、人が少なくなれば、当然ながら食も貧しくなっていくものです 多くの人が楽しむために、食文化は豊かになっていく一面がありますから

2020-01-20 22:03:24
めがざら @Megazarak

さて、では夢を見て都会の工場へ働きに出た方々の境遇はと申しますと 端的に申し上げて クソ であったということは、多くを語る必要もないと思います 児童労働、長時間労働、劣悪な労働環境、安い賃金…並べればキリがありません ついでに、当時のロンドンは衛生環境も劣悪でしたし まあクソオブクソ

2020-01-20 22:06:25
めがざら @Megazarak

で、そういう労働環境が何を生むかというと、これは現代社会にも通じるものですが、 「余裕のない労働環境は、食の貧困化を招く」のです 特に、今よりも遥かに労働者の人命が軽く、人権も何もない時代、その傾向は極めて顕著でした つまりはこうです

2020-01-20 22:08:33
めがざら @Megazarak

まず、調理する環境が無い 労働者の寝泊まりする場所は、今で言うタコ部屋や木賃宿でももうちょっとマシなんじゃねえの、という代物でした 共同の炊事場すらほとんどの場合はありません これが農村部ですと、共同炊事場があったり、各家庭に台所があったりしましたし、調理器具の貸し借りもできました

2020-01-20 22:11:04
めがざら @Megazarak

しかしこれが労働者となるとそうはいかない 鉄製の調理器具は高価で、個人で一そろいなどとても無理 仮に共同炊事場や調理器具があったとしても、今度は調理する時間が無いのです 当時の労働は、それこそ18時間や20時間、下手をすれば徹夜も当たり前でした 全ては経営者の裁量で行えた時代です

2020-01-20 22:13:22
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