「クソ野郎」メモの件、内側から考えたこと

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桝本輝樹 @tide_watcher

私のアカウントは、もともとフォロワー100くらいの「ごくふつうのアカウント」です。 今回、携帯電話販売代理店のメモの件は「たまたまバズった」のですが、発信や対応の過程で考えたことを、一連のツイートで整理してみたいと思います。 twitter.com/tide_watcher/s…

2020-01-25 10:07:41
桝本輝樹 @tide_watcher

知人が携帯の機種変しに行ったら、書類に店長からのセールス指示書がまぎれていたと。 内容がひどすぎる。 pic.twitter.com/VrdeFvrMOq

2020-01-08 17:50:47
桝本輝樹 @tide_watcher

「私もひどい目にあった」「同じようなことがあったが、どうしたらいいか」といったお話も何件かいただいています。同様の対応をしても同じような反応が返るとは限りませんし、発信のしかたによっては問題が生じることもあるでしょう。 こうした対応方法にも簡単に触れておこうと思います。

2020-01-25 10:07:42
桝本輝樹 @tide_watcher

今回のメモの件は、申し開きのしようのない物的証拠があった点が大きかったと思います。今回、私が上げたメモは「誰がどう見てもひどい」ものでした。 「どちらも悪い」「本当にあったかわからない」という内容であれば、ネットの有象無象にまぎれて消えていたでしょう。 fnn.jp/posts/00049745…

2020-01-25 10:07:42
桝本輝樹 @tide_watcher

また、ツイートに店舗名や個人情報が含まれておらず、社会的制裁を目的としたものではなかった(一部の方々はこれが気に食わなかったようですが)ことから、私個人向けの攻撃はそれほど強くなりませんでした(店舗名は運営会社が謝罪文の中で公開しました)。

2020-01-25 10:07:43
桝本輝樹 @tide_watcher

個人名や店舗名などを直接指摘すると、業務妨害や名誉棄損となる可能性がありますから、こうした問題について個人の立場で主張を行う際には、十分配慮していただきたいと思います。 keiji-pro.com/columns/98/

2020-01-25 10:07:43
桝本輝樹 @tide_watcher

次に困ったときの対応について。 キャリア、および販売代理店の運営会社は、意図的かと思うほどクレームを拾いにくくしています。キャリアの名前が前面に出ながら、実際の運営は代理店が行い、店舗のWebサイトでは運営会社の名前は表示しない、といったケースも散見されます。 nttdocomo.co.jp/support/shop/

2020-01-25 10:07:44
桝本輝樹 @tide_watcher

また、店の運営も、責任の所在がきわめてわかりにくくなっています。 今回は、メモを受け取ったご本人が「店長を呼んでください」と言って店舗責任者が出てきたので、ご本人も私も、彼が店長だと思っていました。ご本人はTV取材が入ってはじめて、店舗責任者が店長ではなかったと知らされたそうです。

2020-01-25 10:07:44
桝本輝樹 @tide_watcher

この状態だとクレームをつけるのはキャリアのお客様相談ダイヤルでしょうが、これはコールセンターです。「傾聴する」「疑問に答える」ことには長けていますし、対応にあたられる方は本当にご苦労をされていると思いますが、そこで受け付けた問題がきちんと検討されているかは疑問です。

2020-01-25 10:07:45
桝本輝樹 @tide_watcher

本件でも、メモを受け取ったご本人は当日中に店舗とキャリアのコールセンターに抗議していますが、この抗議はどちらも報告の過程で「消えてしまって」います。 炎上しそうな問題があっても気づけないわけですが、言い換えればこれまでは、多くの問題が表面化せずに「消えてくれて」いたわけです。

2020-01-25 10:07:45
桝本輝樹 @tide_watcher

そして2日後、私のところに相談があり、キャリア本体のお客様相談室と代理店の運営会社のWebフォームから改めて抗議をすることをお勧めした上で、店舗や担当者は公開せずにメモだけを上げたところ、大きな反響がありました。

2020-01-25 10:07:46
桝本輝樹 @tide_watcher

同じようなことで困られている方は、運営している店舗の親会社などを検索し、Webフォームなどからお問い合わせをし、同時に、消費生活センターや消費者ホットライン188番などにご相談されることをお勧めします。 kokusen.go.jp/map/ gov-online.go.jp/useful/article…

2020-01-25 10:07:46
桝本輝樹 @tide_watcher

さまざまな反響のうち、転機となったのはWebメディア「ねとらぼ」さんの取材でした。 この取材で「裏がとれた」ことで、電波・雑誌メディアが動いたのです(面白いことに、新聞社はこうした話題は取り上げないようですね)。 nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/20…

2020-01-25 10:07:47
桝本輝樹 @tide_watcher

運営会社は「メールがあった次の日の午後に問題を認識した」と取材に答えていますが、この時間は、取材が動き出した時間とほぼ一致しています。「取材が入ったことで問題を認識した」のであれば、今後とも、メディアに取り上げられて炎上、という図式は改まらないでしょう。 itmedia.co.jp/business/artic…

2020-01-25 10:07:47
桝本輝樹 @tide_watcher

ところで、バズる瞬間というのは恐ろしいものでした。 この時点で、もはや私のほうでは大きくなっていく話をコントロールできなくなっていました。もしも発信のしかたや内容に問題があれば、炎上は炎の向きを変え、私を焼き尽くしていたでしょう。

2020-01-25 10:07:48
桝本輝樹 @tide_watcher

バズってみたい、と思う方もおいでかもしれませんが、実際に「バズった」瞬間、ネットの興味やコメントの暴風に私がイメージしたのは「指輪物語」(映画ではロード オブ ザ リング)の「サウロン」の目です。

2020-01-25 10:07:48
桝本輝樹 @tide_watcher

「指輪物語」(映画ではロード オブ ザ リング)に出てくる悪役、サウロンが魂だけの存在となり、塔の上で炎の瞳となって周囲を睥睨し、主人公にその視線を注ぐ描写があります。その目に見られた瞬間の恐怖、のようなものを感じました。 youtube.com/watch?v=G11pru…

2020-01-25 10:07:48
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桝本輝樹 @tide_watcher

中傷などのクソリプも増加しました。初期は偶発的だったものが、リツイートやいいねが千単位で増えてゆくと、一定の割合で安定しました。みごとに二項分布の理論通りでしたので、「社会は本当に多くの常識人と少数の難儀な人からなっているんだ!」と実感しました。 bellcurve.jp/statistics/cou…

2020-01-25 10:07:49
桝本輝樹 @tide_watcher

そしてそういう声は、大手メディアで報じられると同時に潮が引くように消えていきました。この多くは「クソリプをやめた」のではなく、罵倒の対象が私やご本人ではなく「ニュースそのもの」や対象の店舗、個人になり、主戦場は2ch(5ch)やYahoo!コメントに移りました。

2020-01-25 10:07:49
桝本輝樹 @tide_watcher

取材される皆さんの対応のしかた、ニュースソースの扱い方や番組での演出などもさまざまで個性がありました。 DMで個人名も出して丁寧に取材を申し込んでこられたメディア(これは初期に多かったです)から、媒体名だけのメディア、末期は取材なしで画像を無断引用する週刊誌まで多岐にわたりました。

2020-01-25 10:07:50
桝本輝樹 @tide_watcher

TVは使用許可をすべて取って使用されていましたし、WebメディアでTwitterAPIを利用した引用(これは本人許諾は必要ありません)であれば問題ないのですが、それを見たのか、画像を無断使用したメディアもありました。「画像はTwitterから」と書いて引用したつもりになっているので笑ってしまいました。

2020-01-25 10:07:50
桝本輝樹 @tide_watcher

なお、バズった時のリプライには個別にお返事せず、いいねをつけるにとどめました。そして、必要最小限のコメントを発言として行いました。 悪意のある、あるいは不適切なコメントについては非表示にしました。Twitterの非表示機能はとてもよい機能だと思います。 help.twitter.com/ja/using-twitt…

2020-01-25 10:07:50
桝本輝樹 @tide_watcher

バズったりニュースになったりした場合、リプライを全部追ったり、2chやYahoo!コメントを見たくなる方は多いと思うのですが、「嵐」の時はこうしたコメントを読むことはお勧めしません。人の心の暗部をのぞき込むと病みます。 なお、違法性のある内容であれば躊躇なく通報することをお勧めします。

2020-01-25 10:07:51
桝本輝樹 @tide_watcher

最後に、私にもわずかながら営業職の経験があるのですが、お客様の必要に応じて、それを最も有効に解決できる(そして自社の利益にもなる)ものを相談、提案するのがものを売る、あるいは提案するということの醍醐味なのではないか、と思っています。

2020-01-25 10:07:51
桝本輝樹 @tide_watcher

残念なことに、営業を一種の勝負のように考え、消費者を(時には従業員まで)見下し、情報にとぼしい人を食い物にする人もいます。 短期的には成績も伸ばすでしょうが、消費者軽視、金本意の考え方そのものが、こうした問題を生み、解決を抑圧しているように思えるのです。

2020-01-25 10:07:52
桝本輝樹 @tide_watcher

そして、そうやって誰かを食い物にするやりかたは、決して社会の豊かさへは繋がらないようにも思えます。ひょっとして、この問題に怒りを覚えた皆さんは、どこかそういうものへの感情を共有してくださったのではないか、と個人的には思っています。 お目通しいただき、ありがとうございました。

2020-01-25 10:07:52