エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~8世代目・その7~

世代が解る。 ハッシュタグは「#えるどれ」。適宜トールキンネタトークにでもどうぞ
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まとめ 【目次】エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話(#えるどれ) 人間とエルフって寿命が違うじゃん。 だから女エルフの奴隷を代々受け継いでいる家系があるといいよね。 という大長編ヨタ話の目次です。 Wikiを作ってもらいました! https://wikiwiki.jp/elf-dr/ 21618 pv 167 2 users

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まとめ エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~8世代目・その6~ 世代が解る。 ハッシュタグは「#えるどれ」。適宜トールキンネタトークにでもどうぞ 5668 pv 6

以下本編

帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ この物語はエルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系のウハウハドスケベご都合ファンタジー。略して #えるどれ 今はアザラシのエルフとラッコのエルフが死闘の末和解し、侵攻してくる巨大クリオネに力を合わせて立ち向かう展開になっています。

2020-01-25 17:23:49
帽子男 @alkali_acid

登場人物を紹介します まずはネシファ。この物語の主人公であるエルフのイケメン。アザラシの毛皮をまとって変身し、ヒレをぱたぱたさせながら海上で不快な踊りを披露しては氷の魔法を乱射します。奇行の理由は、大昔に世を去った「推し」の歌姫を讃え続けるため。異名は凍波(イテルナミ)。

2020-01-25 17:27:03
帽子男 @alkali_acid

続いてウォルノー。上記のネシファの宿命のライバルであり、少女とまがうエルフのハンサム。ラッコの毛皮をまとって変身し、お腹の上にのせた貝殻を石で叩いてリズムをとります。昆布の森を育て、ホタテやウニやカニを獲って暮らしています。

2020-01-25 17:32:14
帽子男 @alkali_acid

バゴ。漁りの巨人。ネシファの旧友であり世界中の魚介を獲るのを楽しみとしている北の古い種族の男です。雲突く背丈で、波の上を歩きながら網を打ち、鯨さえも捕まえてしまいます。巨人の魔法も操ります。

2020-01-25 17:33:59
帽子男 @alkali_acid

ウォルネ。ウォルノーの姉であり黄金の毛並みを持つラッコに変身するエルフの長です。白夜の巫女という高い地位にあり、波の上を駆け波の下を走る海馬をはじめ大洋のさまざまな不思議を察知する霊感に優れます。

2020-01-25 17:36:57
帽子男 @alkali_acid

ドレアム、アメノハテ、チノハテ。影の国という陸の奥からやってきた愉快な三人組。どじでおっちょこちょいですが、意外なかたちで主人公ネシファを助けます。

2020-01-25 17:38:00
帽子男 @alkali_acid

ダリューテ。エルフの女奴隷。今は影の国で、硫黄の臭い湯に漬けられたあと、全身をもみくちゃにする拷問具にかけられて苦しんでいます。 「くっ…これしき…(目盛を回して”強め”を選択)」

2020-01-25 17:40:39
帽子男 @alkali_acid

さて海妖精ネシファは、旧友である巨人バゴが網で捕まえた巨大クリオネを一同と分け合って食べたあと、いよいよ巨大クリオネの親玉である海魔プネウにどう立ち向かうかを相談することにした。

2020-01-25 17:43:21
帽子男 @alkali_acid

「この海域には、白銀后が静かに眠っている」 ネシファはあらためて念を押す。白銀后というのは「推し」の歌姫のこと。暮らしていた宮殿ごと海に沈んだが、今は氷山が墓標として波濤の間にそそりたっている。

2020-01-25 17:46:25
帽子男 @alkali_acid

「ラッコ族が棲みついて昆布の森を育てるのは、氷山からほかの船を遠ざける役に立つから認めるが、海魔プネウとやらは態度によっては出ていってもらう。逆らうなら僕が凍らせて滅ぼす」 エルフの青年は、アザラシに化けたまま、勢いよくヒレを腹に打ち付けて宣言する。

2020-01-25 17:48:06
帽子男 @alkali_acid

するとラッコに化けた別のエルフが口を挟む。ウォルノー、またの名を流氷(ナガレルヒ)。最前までネシファと死闘を繰り広げていた相手だ。 「アザラシ野郎よぉ。お前な。威勢はいんだけどもよ?海魔プネウのことちゃんと解ってんのか?ん?ノリで適当なこと言ってる気がすんだよなあ?」

2020-01-25 17:50:30
帽子男 @alkali_acid

「さよう。海魔についてはよく考えねばな」 海上にあぐらをかいた巨人バゴが、頬をかきながら相槌を打つ。 「拙者がでくわしたあの輝く翼の生きものは、以前に東の果てで遭った竜の男帝(おのみかど)よりも大きかった。海魔の女帝(めのみかど)と言うべきか」

2020-01-25 17:53:18
帽子男 @alkali_acid

「しかもよ。海魔は冷気を使うからな?アザラシ野郎の術と同じ類でよ?おまけに向こうのがずっとひやっけえんだから。凍らせる凍らせないって、無理でしょがい」 ナガレルヒが補うと、イテルナミはまた水に飛び込んでぐるぐる回転してから波間に没し、しばらく経って息継ぎに頭を出す。 「関係ない」

2020-01-25 17:56:56
帽子男 @alkali_acid

「何でさ」 「僕の術の方が上だ」 「だからどこからその自信が出てくんだっつの」 「白銀后のために鍛えたこの魔法芸が、北の果ての海魔の女帝如きに劣るものか」

2020-01-25 17:57:42
帽子男 @alkali_acid

見守っていたドレアム、アメノハテ、チノハテの三人組は感心しきり。 「さっすが白銀后親衛隊の筆頭、イテルナミの旦那さんでさ」 「根拠はまるで示されとらんが兎に角すごそうじゃのう」 「ちょっと納得しそうじゃったわい」

2020-01-25 17:58:58
帽子男 @alkali_acid

白夜の巫女たる黄金のラッコ、ハルノモが毛づくろいを止めて尋ねる。 「イテルナミさんさ。西の妖精の助けってば求められないの?」 「海底の街に住むアザラシ族は、よほどのことがない限り戦いには加わらない。陸には戦いが好きな妖精もいるが、海ではあまり役に立たない。それに…」

2020-01-25 18:02:29
帽子男 @alkali_acid

イテルナミは意外なほど詳しく答えてから、言葉を少し切って、何かを思い出そうとするように立ち泳ぎしながら、頭だけ水から出して器用に首を傾げる。ぴんと左右に何本も伸びた髭から雫が落ちる。 「海魔は闇の軍勢の一員か?」 「まずさ。闇の軍勢ってのがさ。よく解んないんだけど」

2020-01-25 18:04:36
帽子男 @alkali_acid

「陸の妖精は闇の軍勢との戦いか、小人との小競り合いには熱心だが、ほかのことには興味がない。東や南はもちろん、北のこともかかわろうとしない」 「ま、そりゃそうか。誰だって身近な縄張りが大事だっけね」

2020-01-25 18:07:21
帽子男 @alkali_acid

黄金のラッコを向きを変え、生きた山のごとき遠来の客を恐る恐る見上げる。 「イテルナミさんのさ。お友達なんでしょ?」 「しかり。バゴだ」 「バゴさんはさ。まあ。妖精の言葉が上手だっけね」 「ネシファともいささか長く付き合ったのでな。船旅の仲間でもあった」 「巨人の伝承はラッコにもある」

2020-01-25 18:09:43
帽子男 @alkali_acid

ハルノモはバゴに説いた。 「かつて天地をあまねく意のままにするほどの力を持っていたって」 「今とは違う世であった。世界は長き巡りによって寒き眠りと暖かき目覚めを繰り返すが、我等が栄えたのははるか昔。当時でさえ、海魔は巨人の手に負いかねた。北の極近くに築いた国は海魔によって滅びた」

2020-01-25 18:12:44
帽子男 @alkali_acid

「だけどバゴさんはさ。海魔を捕まえたじゃない」 「一対一ならばよい。だが海魔はあまた。餌があれば際限もなく増える。しかもすべての母たるプネウは別格の強さ。海魔との衝突で命を落とした巨人の骨の多くは海氷の下に失われ、戦の訓(おしえ)も残っていない。拙者も直に目にしたのは初めてだ」

2020-01-25 18:15:50
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