【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第260話「鶏肋」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第14巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」01】 第260話です。前回さっそうと登場した曹操の次男、曹彰。この働きぶりがかえって蜀軍の猛将達を張り切らせてしまいます。張飛、魏延、馬超、黄忠、趙雲などは曹彰を目の敵と追い回します。曹彰の見事な戦いぶりがかえって火に油をそそぐ結果となります。

2020-02-04 12:36:30
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」02】 こうなると、魏軍は全体的に劣勢となります。刻々と憂うべき戦況にあります。勢いのある蜀軍に対し、魏軍は耐え忍ぶ日々。曹操とて黙って手をこまぬくつもりはありませんが、今は籠城あるのみです。

2020-02-04 12:38:24
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」03】 籠城しようが出陣しようが腹は減る。食糧がある限り、毎日食事はとります。ある夜のこと、曹操に夕食の用意が。鍋に入っているのは鶏料理です。基本宴会でないときは一人で食べるのでしょう。料理を運んできた役人たちを下がらせます。

2020-02-04 12:40:43
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」04】 鶏のあばら骨が入っているのを見た曹操。スープのダシをとるのに使ったのでしょうか。「三国志メシ」にも鶏肋料理が出てくるので気になる方は御覧ください。さて、鶏肋を見ながら曹操は考え込います。

2020-02-04 12:42:56
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」05】 自分の今の心境はまさに鶏肋だと。鶏肋は食べようとしてもにくはない、しかし捨てるには味がある。今の戦は、進んでも勝ち目はなく、引けば他人が笑う。引き揚げるべきか、それとも益なき戦いを続けるか、早く決断を下さねばなるまい、と。

2020-02-04 12:44:31
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」06】 まだこの段階では曹操は迷っている段階で、結論は出してはいません。しかし、撤退したほうがいいのでは、という思いがよぎったのは確かです。そんな折、夜の警備担当の夏侯惇が、警備の合言葉をどうするかと聞きにきます。

2020-02-04 12:45:51
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」07】 そういう細かいことまで曹操が考えなくてはいけなかったのかと思わなくもありませんが、蜀のスパイを防止するため毎晩合言葉を代えていたのでしょう。ここで曹操、鶏肋をしゃぶりながら、鶏肋鶏肋、とつぶやきます。今宵の合言葉は鶏肋と。

2020-02-04 12:49:06
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」08】 いつもと違って、食材が合言葉となったことに引っかかりを覚える夏侯惇でしたが、結局そのまま布令させることにします。鶏肋というのは、曹操が考え事に夢中でついもらした言葉。いつもはもう少し詩的なものだったり、軍隊っぽい言葉を使ってたんでしょうか。

2020-02-04 12:52:03
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」09】 夏侯惇は部下たちに、今夜の合言葉は「鶏肋」と布令を出すように通達します。各武将に合言葉が伝えられます。武将達もいつもとちょっと違うなあ、という印象を持ったようですが、ここで一人、違った反応をした者がいました。

2020-02-04 12:54:08
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」10】 魏王が「鶏肋」と言ったと聞いた楊修は、よくわかった、すぐ準備を整えようと言います。そして、部下たちにすぐ都に引き揚げの支度をしろ、と言います。突然の引き揚げということに戸惑う部下達ですが、魏王様の命令だ、と聞いて直ちに作業を開始します。

2020-02-04 12:55:58
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」11】 この動きは夏侯惇の耳にもすぐに入ります。魏国きっての切れ者、楊修のことだから何か考えがあってのことだろうが、と思いつつ、確かめにいくことに。するとたしかに荷造りをしています。夏侯惇は楊修を呼び止めことの次第を尋ねます。

2020-02-04 12:57:14
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」12】 楊修は「鶏肋」という命令を考えてのことだと言います。鶏の肋(あばら)は食べようと思っても肉はなく、捨てようとしても捨て難き味がある。今、直面している戦はまさに肉なき鶏の肋を口にねぶるに似ている、と曹操が考えていると推察したと。

2020-02-04 12:59:18
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」13】 つまり、曹操は益なき苦戦は無意味と考え、将兵の士気も考えて「鶏肋」という言葉を使ったと。それゆえ引き揚げると解釈したというわけです。説明されてみれば、と楊修の言葉に納得した夏侯惇は、さすが楊修殿、と諸将にこのことを伝えると言います。

2020-02-04 13:02:08
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」14】 一方、寝付けない曹操。蜀軍がいつ押し寄せてくるかわからない状況。陣中でも見回っていたほうが気が晴れると言い、着替えをして外に出ます。すると、いつの間にか引き揚げ準備をしているではありませんか。

2020-02-04 13:03:38
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」15】 曹操は夏侯惇を呼び、なぜ引き揚げの支度をしているのかと問いただします。夏侯惇は主簿の楊修が魏王の心を察して、かくは一同引き揚げの支度にかかったと答えます。主簿とは文書管理と事務処理を担当する官名です。

2020-02-04 13:05:27
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」16】 楊修の名前を聞いた曹操は、またか、と不快感を覚えます。すぐに楊修を呼ぶように夏侯惇に命じます。呼び出しに応じた楊修は曹操の前にやってきます。曹操が引き揚げの支度をさせたそうだな、と楊修に言います。

2020-02-04 13:07:08
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」17】 楊修は、大王の言葉の意中を解いて、人々に引き揚げの用意をするように言ったと答えます。このとき、曹操は自分の心の奥底を見すかされたなんともいやな気分を味わいます。 と、ここから楊修のエピソードが紹介されます。

2020-02-04 13:08:48
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」18】 もともと楊修という人物は優れた才能を持っていましたが、それを鼻にかけるところもありまして、曹操はその才能には一目置いていたものの、あまり好意を持っていませんでした。有能なのはわかってるが、実際に付き合うには生理的に合わないというやつですな。

2020-02-05 12:45:23
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」19】 そんな楊修の人となりを示すエピソードがいくつか紹介されます。 まずひとつは、曹操が後宮に作らせた庭園の話。出来た庭園を見て、曹操は何も言わずに門に「活」の字を書いて去りました。

2020-02-05 12:47:02
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」20】 意味がわからない部下たちは、楊修が来たのを幸いにこの謎の意味を聞いてみることに。楊修は、ひと目見るなり、花園にしてはあまりにも広すぎるからもっとちんまり作り直せという注文だ、と解いてみせます。

2020-02-05 12:48:34
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」21】 「門」に「活」をいう字を書くと「闊(ひろし)」となります。闊は面積が広い、心が広い様を言います。注意力が足りない時なんかは、迂闊(うかつ)なんて言いますね。 そういうことか、と納得した庭師達は楊修に礼を言って庭を作り直します。

2020-02-05 12:53:59
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」22】 それから間もなくして、曹操は再び庭園を見学に。今度の出来には満足したようで、誰が自分の心をくんでこう直したのか、と尋ねます。庭師達は楊修様から教わったと聞くと、表情が変わる曹操。それでも、さすがだ、いつも自分の心を読み当てる、とほめます。

2020-02-05 12:55:29
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」23】 口ではほめましたが、心中はなんとなく何もかも見通されているようで、いやな気分となりました。まあ、これくらいなら、単なる嫌悪感でして、適度な距離感を持って接すれば、まあ組織としてはなんとかなります。しかし、もう一つのエピソードが問題です。

2020-02-05 12:57:37
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」24】 そろそろ自分の跡継ぎを誰にするか決めておかなければならないと考えた曹操。ある日、長男の曹丕と三男の曹植を曹操がいる鄴城(ぎょうじょう)に呼ぶように言います。ただし、二人が城門に来ても決して通すなと厳命します。

2020-02-05 13:00:29
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【横山光輝「三国志」講座260「鶏肋」25】 翌日、長男の曹丕が到着。しかし、門で兵士に拒まれてやむなく帰ります。次に曹植がやってきますが、曹植は門を通ることを拒む兵士を、王命だと言って切り捨て強引に曹操に謁見します。曹操は曹植に門番に止められなかったと尋ねますが、斬り捨てたと返答。

2020-02-05 13:02:38