全範囲教育

Premsheel @Premsheel

ある日、森の動物たちが集まって、学校を始めることにした。集まったのはうさぎ、鳥、りす、魚、うなぎで、みんなは自分たちで教育委員会を作った。うさぎはカリキュラムに駆けっこを入れるように主張した。鳥はカリキュラムに飛ぶことを入れるように主張した。

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魚は、泳ぎが入らなければならないと言い、りすは絶対に垂直木登りが入るべきだと言い張った。そしてこれを全部入れてカリキュラムを作った。そして全員、みんなが全科目を履修しなければならないと強調した。

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うさぎは駆けっこではＡを取っていたが、垂直木登りはまったくの難問だった。うさぎは木から落ち続け、じきに、一種の脳障害を起こして走ることもできなくなった。それまでＡだった駆けっこまでＣを取るようになった。そして、もちろん木登りはいつもＦだった。

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鳥は飛ぶことにかけては実に素晴らしいものだったが、地面を掘るとなるとあまりうまくできなかった。鳥はくちばしを折り、翼を折り続けた。間もなく鳥は穴掘りのＦだけでなく、飛ぶこともＣになり、垂直木登りとなると、もう地獄の時間を過ごさなければならなかった。

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動物学校の卒業生総代に選ばれたのが全科目で中途半端な成績だったうなぎだったということだ。教育者たちはみんな、全員が全課目を履修したことで満足し、この教育は“全範囲教育”と呼ばれた。