これが読めるか勇者よ- / -

うゆま[=ω=]豆腐卿 @uyumakusa

#これが読めるか勇者よ [　/　] 「勇者」悲しみの最中 「魔王」失策？ 【拠点統率サーバント】不安 《精霊獣》負傷 [元王]捕縛される {姫勇者}元王を捕縛 <新王>元王子 /巫女/野望を秘める |有象無象|有象無象 >>>>>>>>>>OK?

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「…勇者、済まぬ」 「なんでさ…なんで…先生が…！」 【勇者、落ち着いて】 「捕まったんだよ！？落ち着ける訳が…っ」 《ぎゃぅぅ…》 「精霊獣はボクの為に大怪我して…！」 【ええ、分かっていますわ】 「我の小細工が仇となった事は認めよう…」 「そんな言い訳、いらないよ！」 【勇者…】

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「今からでも遅くない。取り戻してくる！」 「勇者、それはダメだ。許可しない」 「…力づくでも行く！」 「…それはキツイな。だが、我は認めぬ」 「魔王の分からず屋！」 「頭を冷やせ」 「全部、魔王のせいだろ！」 【勇者！】 「おかあさんは黙ってて！」 【…ッ！】 《ぎゃ、ぎゃうう！？》

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「勇者…どうしても行くか？」 「行く」 「ならば…一つだけ、言っておく」 「何？」 「元王は最早不要。足手纏いだ」 「ま…魔王っ！お前は…！」 「このままでは戦に巻き込まれ死ぬ」 「…ッ！」 「丁度よかったと思え。そして殺されはせぬ」 「そんな保証が！」 「ある」 「信じられない」 「ふむ」

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「新王…元王子にとって、自身が王家の血筋という、唯一無二の保証人だ。幽閉はするだろうが殺しはせぬ」 「だけど！」 「此方にいては、守りきれぬまま死ぬ」 「…ボクが守る！」 「無理だ」 「無理じゃない！」 「少しは学びを得て利口になったと思ったが…所詮はやはりガキか」 「何…だと…！」

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【魔王様！流石に今のは…！】 《ぎゃ、ぎゃぉ…》 「いいや、戦況を分かっていない。物事を大きく見ていない。今、綱渡りのような緻密な作戦の上で動いているのだ、我等はな」 「知らないよ！そんなの！もういい、魔王にはついていけない！」 「…実力行使とくるか。だが」 《ぎゃぅぅ…》 「え…」

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《ぎゃうっ！！！》 「精霊獣！やめろ！ボクはお前と戦いたくない！」 【勇者、ごめんなさい…これだけは逆らえない…】 「おかあさん…まで…！」 【大人しくして。お願い】 「ボクは本気だよ…！」 【分かっています。可愛い子…】 「なら分かってよ！」 《ぎゃぅ…》 「勇者…明日の朝までは待て」

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「せんせい、殺されるに決まってる！そんなの嫌だ！」 「殺されぬ！」 「分かるもんか！あの元王子の下じゃ気紛れで…！」 【勇者、ごめんね！】 「やだ！やめてよ！本気だよ！ボクは！」 《ぎゃうぅぅぅ…！》 「精霊獣！お願い！通して！傷付いたキミを攻撃したくない！」 「やれ」 【ごめん…！】

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「あ、あぁぁ…ごぼっ…や…だ…」 【…大人しくして。お願い】 《ぎゃぅ…》 「ちく…しょ…ごぼっ」 「明日の朝まで絶対に解放するな、拠点統率サーバント」 【はい…】 《ぎゃ…ぅ》 「精霊獣は傷の治癒に専念せよ」 《ぎゃぉ…》 「…我が憎いか？」 【いえ…これも…勇者の為…】 「…済まない」

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【これも、勇者の…為ですもの…】 「王の望みでもある。万が一は優先してくれと、な」 【ええ】 「決戦に備える。明日、早朝、王都の混乱の発生と同時に計画を開始する」 【はい…】 《ぎゃう…！》 「我を憎んでもいい。勇者よ。だが、今は無駄死にさせる訳には行かぬ。まだ其の時ではないのだ…！」

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#これが読めるか勇者よ [ / ] 栞1

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「…魔王と勇者、共に同時に居なければ世界は力を失い消えていく。かといって均衡ばかりでは力は損なわれていくだけ。互いに揺り動かさねば、力は生まれず…」 《ぎゃぉ…》 「つまるところ、殺し合いってやつだ。どちらかが倒れるまでな。それで世界は最高の力を得て、世界の維持につながる…と」

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《ぎゃぅ》 「心配するな、精霊獣。代々の魔王と勇者の同じ轡を辿る運命を受け入れてたまるものかよ。我は、我のやり方で、この世界を継続させる力の生み出し方を模索し続けた来た。殺し合いなどせずとも、な」 《ぎゃぉ》 「そうだ。勇者に運命など背負わせるものかよ。我の時代で終わらせるのだ」

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《ぎゃーぅ♪》 「はっはっふっべっなめるなじゃれるな、あだだだだ折れる折れる！我、最弱！」 《ぎゃお♪》 「ふ、はっ…し、死ぬかと思った…」 《ぎゃぅ》 「いや、すまぬな、精霊獣。一番きつい役目を与えてしまってな」 《ぎゅるる？》 「お前に報いる為の財は当初の予定より早く尽きた、うむ」

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《ぎゃぉぅ》 「残るは我が身のみ。偉大なる化身のお前には、この矮小な命でしか報いるしかあるまいが…この身は、最後の仕上げに必須でな。すまんが、次の魔王や勇者の面々に負債を支払わせる。少しずつ、な」 《…ぎゃお》 「故に、後の世界にもう少しだけ君臨し続けてもらう。押さえとしてな」

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《ぎゃうっ》 「ははっ、ほんとすまぬ。何しろ、この企てが成った暁には、暫くは皆には自覚が必要になる。分かりやすい存在が。つまり、伝説に詠われる…原始の精霊を内包せし世界の獣、よ」 《ぎゃう》 「当面はお前が魔王も勇者も越える世界の脅威となるのだ。ほんと、我、悪いよなぁ」 《ぎゃおっ》

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「そこまで言わんでも…ま、これも、魔王たるものの証しか。よい、これで、よい」 《ぎゃお》 「…明日の朝、全てを始める。お前は勇者をここから離脱させよ。あの軍の相手は我と拠点統率サーバントで取り仕切る。精霊獣よ、以上をお前の役目を契約の最後の花弁を以て命ず。後は真の姿で自由たれ」

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[ / ](スラッシュ)編　栞 #これが読めるか勇者よ

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〈…神殿騎士団が？本当か？〉 |は、はい！新王様。あれは普通ではありません！妄言吐き錯乱しているだけと思いましたが…あまりにも、その、力が…怪物染みていて、兵士では取り押さえることも…| 〈城は？〉 |今のところ襲われる様子はありません。ですが、広場を占拠し、民にあれこれと叫ぶ始末|

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〈その内容は？〉 |世界の均衡をとるのだ、それが神の本当の意志、望み…だと。無理に取り押さえず、周囲を封鎖はしていますが、兎に角手出しできませぬ！| 〈魔王の小細工か。だが、何をした…？呪いの類いにしては…。ともかく、それ以上の被害はないのだな？〉 |はい。民の不安が心配ですが…|

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〈暫くは手出し無用。好きに喋らせておけ。だが城に手を出すようなら容赦はするな〉 |は！| 〈…呪いによる強化か？だが、それはあの魔王の呪いの制限がある以上、無理がある…〉 /如何しましたか？/ 〈魔王の小細工に妙な事になっていてな。ふ、単なる後方の混乱、という話ではないようだ〉 /あら…/

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〈何だ？〉 /予想が外れて、思いの外、面白そうな顔だこと/ 〈…そうか？そんな顔をしていたか？巫女よ〉 /筋書き通りではつまらない、と/ 〈ふ、そうか。なるほど。くく、認めよう。正直、あまりにも退屈していた。反応があまりに弱くてな〉 /魔王の？/ 〈ああ。ゲームの決まった手順と似ていてな〉

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/定石というやつかしら？/ 〈まさにそれだ。手堅いが面白みがない。何より先が魔王の負けに向いていた。ところが…〉 /奇妙な一手、と？/ 〈そうだ。つまらぬ手、と思いきや、何かを仕込んできた。切り札と見せかけて、実はまだ切り札を隠し持った…そんな奇妙な一手だ〉 /でも、所詮は小細工でしょ？/

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〈だが、退屈な盤面では、何とも刺激的な予感をさせる一手だ。まるで手ごと噛みついてこい、と餌をぶら下げて挑発されているような…〉 /まさか噛みつくのかしら？新王とあろう方が？ふふっ/ 〈流石にはしたない真似は出来ぬよ。やれ、こういう時に自身の立場では打てぬ一手を誘われた気分だよ…〉

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/やれば新王らしからぬと笑われる、と？/ 〈さすがに王子の時とは違う。やんちゃして笑われるだけなら良いが、仮初めとはいえ今や周辺国一帯に、同情と信頼を受けた身。事が終わるまではバカな真似は出来ぬ〉 /酷いお方だこと。周囲を腕一本で騙しておいて/ 〈それを言うなよ。不便ではあるが、な〉