The Gods of Peganaに登場した「Zai」についての考察

「ペガーナの神々」を読んで前々から気になっていたことの雑考察兼覚書 メモ代わりにまとめました
創作 小説 考察 ペガーナの神々
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栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
読み返すたびに思うことだが「Morning Zai」の訳は「朝のザイ」で正しいのだろうか? “The Secret of the Gods”に登場する最も古き神の一柱Morning Zaiは、朝の、と訳されているように、ペガーナの神々では非常に珍しい二つの語句から成る名前を持つ (続く) #Pegana #ペガーナ
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「Limpang Tung」「Yoharneth Lahai」「Sheol Nugganoth」にもその特徴は見受けられるが、Morningのような一般的な語句が入る例はなく、ダンセイニらしい個性的なネーミングで命名された神々ばかり しかし異質な神々が一柱いた "The Men of Yarnith"に登場する「Yarni Zai」だ(続く) #Pegana #ペガーナ
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Yarni Zai(ヤーニ・ザイ)は"The Men of Yarnith"に登場し、Yarnith(ヤーニス)の谷の近辺に鎮座する巨大な石像をYarnithの人々が創造神話の主神として神格化したものとして紹介される ところで原文を見ると、どうにもこれがYarni(th)のZaiさんとしか思えないのだ(続く) #Pegana #ペガーナ
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原文を引用 And they said:"If no help cometh from Yarni Zai then is there no help but from our own strength and might, and we be Yarnith's gods with saving of Yarnith burning within us or its doom according to our desire." ────Lord Dunsany"The Men of Yarnith" #Pegana #ペガーナ
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和訳すると「ヤーニ・ザイが助けてくれないなら我々ヤーニスの住人自身ががヤーニスの神々となり、ヤーニスを守ろう」というようなことを言っているが、見ての通り文中では単数の「Yarni Zai」と複数の「Yarnith's gods」で対比構造が成立している(続く) #Pegana #ペガーナ
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ここには全土の主たる(とYarnithでは信じられる)Yarni Zaiと、Yarnithの谷しか知らぬYarnith人の対比が含まれる可能性もあるが、"The Men of Yarnith"では谷の外に触れられないため「力のない自分たちにはYarnithしか手が届かないが」のようなネガティブな対比はありえない(続く) #Pegana #ペガーナ
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現にこの台詞は人々が奮起するシーンで発せられるため無力さを嘆き悲しむニュアンスは交じる余地がないと読み取れる 従ってYarni ZaiとYarnith's godsの対比とはYarnithを救わない一人の神とYarnithを救う多数の神々という構造を純粋に強調しているものと解釈して良いはずだ(続く) #Pegana #ペガーナ
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Yarni ZaiとYarnith's godsはトレードオフであり、Yarnith's godと単数形で表せば、即ちYarni Zaiを意味する そしてYarnith's godがYarnithの人々を救う神だとすればYarni Zaiは「Yarnithの神」の意を含むはずだ Yarni Zaiの「Yarni」とはYarnithを示しているのではないか?(続く) #Pegana #ペガーナ
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この仮定を発展させると、Yarni ZaiはYarnithの短縮形「Yarni」と恐らく神を意味する語句「Zai」に分解することが出来る 同じ仮定をMorning Zaiに適用してみると、朝を意味する「Morning」と「Zai」に二分できるため、Yarni Zaiと同構造の神名と読み取れる筈だ (続く) #Pegana #ペガーナ
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しかしMorning Zaiは神々が用いた呼称でもある "THE KING THAT WAS NOT","THE DESTROYER OF HOURS","SENDER OF LIFE IN ALL THE WORLD","THE PROTECTOR OF THE SECRET OF THE GODS"のように二つ名の枚挙にはいとまがないペガーナの神々だが(続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
手元にある"時と神々の物語"の範疇では神々同士が二つ名で呼びあったような例はない Yarni Zaiが偽りの神名である点を考慮すればダンセイニ卿的ネーミング規則から外れたMorning Zaiの呼称を神々が使う意味はないのだ ならばMorning Zaiを「朝神」と訳すこの仮説は誤りか? (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
私はこの事実は仮定への否定となり得ないと判断する その根拠は"The Sercret of the Gods"が預言者「Uldoon」を主人公にした人間視点での物語という点である(続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
“The Secret of the Gods”では表題通りの神々の秘密、人間からの信仰が途絶えた時に神々は死ぬ、という真実が明かされる ("Oh, Morning Zai, oh, oldest of the gods, the faith of thee is gone, and yesterday for the last time thy name was spoken upon earth.") (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
神々の秘密はMorning Zaiの葬儀に忍び込んだUldoonが盗み聞きしたことで読者に開示される このUldoonは一登場人物ではあるが、話中の立場は神々に翻弄される人間たちと神々の対立における、人間側の代表者である(続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
よって死んだ神の名前をUldoonが耳にするのは文脈上、少しおかしい Uldoonは人間代表者、ならば葬送される神の名を忘れ去った者たちの視点で物語を描写しなければならない “The Secret of the Gods”のMorning Zaiとは人間代表のUldoonと同じく死せる神々の代表例なのだから (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
Morning Zaiの神名が話中で代名詞的働きを取るとしよう 神々がMorning Zaiの真の名前を呼ばない理由にはならない メタはあくまでメタ視点からの理であり話中に通る理とは別物だからだ そこで神々がMorning Zaiの真の名を呼ばないのは既に喪われたからではないかと考察した (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
"The King That Was Not"では傲慢にもペガーナの神々を象る神像を人の姿に似せて作らせたRunazarの王Althazarが神の不興を買って世界から存在を抹消されるが、この時のやり取りが以下のようになっている (続く) #Pegana #ペガーナ
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"Spake we of Althazar, a King?" And the gods said: "Nay, we spake not." And the gods said: "Dreamed we of one Althazar?" And the gods said: "Nay, we dreamed not." ────Lord Dunsany"The King That Was Not" #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
簡単に和訳する 「"我々はAlthazarという王の話をしていたか?"  すると神々は言った  "いいや話していない" そして神々は言った  "我々はAlthazarという者の夢を見たか?"そして神々は言った  "いいや夢に見ていない"」 (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
このやり取りは死より重い罰として王に与えられている ("Slay him not, for it is not enough that Althazar shall die, who hath made the faces of the gods to be like the faces of men, but he must not even have ever been.") (続く) #Pegana #ペガーナ
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そして神々に忘れられたAlthazar王は消失し、Runazarは"ただ一度も王を戴いたことのない国になった" ペガーナの神々が笑う宇宙にて、時が送り出した過去はCave of Kaiを通り忘却の向こうに失われる 神々は過去諸共にAlthazarの痕跡を消し去ったということだろう (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
ここで着目すべきなのは神々の下した罰が見ない、認めないことであって、Althazarを消し去ることではなかったことだ 消却のプロセスは秘密のベールの向こうに座す神々が知る知識であり、人間が物理法則を利用するかの如くそれを利用しただけに過ぎない (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
人間に忘れられた神々は死ぬと明かされたが、"The King That Was Not"では逆に神々に忘れられた人間が消失した これらの現象は酷似する そう、ペガーナの神々もまたこの忘却法則の内部に在る 神々の秘密の真意とは人と神々が大同小異の取るに足らぬ存在ということなのだ (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
(人間たちがKibの生み出したゲームの駒であるように、神々もまたFateとChanceの駒であること、それを神々が躍起になって隠していることは繰り返し語られるため、神々の秘密というタイトルの意味はこちらの解釈で正しいはずだろう) (続く) #Pegana #ペガーナ
栗原走@ツイッター初心者 @BasilMaron
長い前提だったが、これが「Morning Zai」が真の神名ではない仮説の根拠だ 神々に忘れられたAlthazarのように、人々に忘れられた神Aはその名を呼ばれぬ日を迎えた夜にMorning Zaiとしか呼べぬ存在と化したのである 「Zai」がこの仮説通り「神」と訳す語なのかは定かでない (続く) #Pegana #ペガーナ
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