編集部イチオシ

オスカー俳優、ホアキン・フェニックスとブラッド・ピット2人の演技の違いを比較【真逆な性質である「静と動」の演技とは何か?】

主演男優賞のホアキン・フェニックスと助演男優賞のブラッド・ピット、今回は正反対な演技スタイルだと感じその違いを共通性のある俳優達と比較して、まとめてみました。
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惣流・ドルフ・ラングレン弐号機 @YZNlfuMP8Vbaaoj

アカデミー賞も発表された中、個人的に興味深く思った事を軽く比較して述べたい。 其は主演男優賞と助演を受賞したホアキン・フェニックスとブラッド・ピット、『#ジョーカー』と『#ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』作中での演技の性質の違いについてだ。 pic.twitter.com/H5uv06I3f7

2020-02-12 00:51:22
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惣流・ドルフ・ラングレン弐号機 @YZNlfuMP8Vbaaoj

2人の劇中スタイルの違いは基本「静と動」に分けられると言っていい。 表情筋を目まぐるしく使う『ジョーカー』でのホアキンの演技は正にスタンダードな「動」の性質だ。 主人公であるアーサー・フレックの喜怒哀楽な感情表現を、其の演技力の高さで巧みに表す。 pic.twitter.com/SPKaoGxHFH

2020-02-12 02:15:16
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ホアキンの感情表現で最も特色だったのはやはりこの怒りを爆発させるシーンの演技だ。 激しい動きながら目にも涙を溜め、哀しみの感情も同時に想い起こさせる。 こういった表情の激しいアクトといえば、まず初めに連想する名優との共通点を述べたい。 pic.twitter.com/bh1uuYDU7o

2020-02-12 02:26:51
惣流・ドルフ・ラングレン弐号機 @YZNlfuMP8Vbaaoj

それは『#シャイニング』でのジャック・ニコルソンであり、其の演技スタイルはジョーカーでのホアキンと性質はほぼ同じだ。 感情を昂らせるキャラクター演技といえば『シャイニング』が代名詞であろう。 pic.twitter.com/jvIR08ynRd

2020-02-12 02:35:00
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顔芸一歩手前というか、もう殆ど顔芸と言ってもいい其の演技スタイルだが、これ程オーバーアクトな表情を見せるにも関わらず、一切クドさを感じないのが名優たる由縁であろう。 目線や表情筋の扱い方が的確で実に巧みだ。 pic.twitter.com/5E5TK6FCKL

2020-02-12 02:42:04
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明らかに血管にも負荷をかけていそうな感情の発露といった演技は、やはり『シャイニング』のニコルソンが定番的立ち位置だ。 その激しい「動」のスタイルは『ジョーカー』でのホアキンにとってルーツとも言える系統かもしれない。 pic.twitter.com/4jVwNvoxjo

2020-02-12 02:47:30
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あとこのオーバーな「動」のスタイルを上手くこなした俳優といえば『#アメリカン・サイコ』でのクリスチャン・ベールが挙げられる。 常に自分に陶酔しているガンギマリな主人公パトリック・ベイトマンを演じた当時のベールの演技スタイルは、かなりニコルソンの影響が強い。 pic.twitter.com/lWmq4s7q2y

2020-02-12 02:53:24
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そして『ジャンゴ 繋がれざる者』と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で激しい演技力を披露したレオナルド・ディカプリオもまた、ニコルソン系統の役者だ 惜しくも主演男優賞は逃したが、ワンハリでは「静」のブラッド・ピットとは対照的=ホアキンと趣を同じとする演技スタイルだ。 pic.twitter.com/a8ja8DWGsA

2020-02-12 03:09:26
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ワンハリの主人公リックとジョーカーのアーサーは他者に見られて実力を評価されたいという願望が偶然にも一致している だからこそ両者の役作りの性質は周りのキャラクターや観てる観客も含めて分かりやすく自身を「魅せる」事に念頭が置かれる オーバーアクトはナルシストなキャラを演じる上での合致だ pic.twitter.com/3sUsBxrqpH

2020-02-12 04:51:34
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そして次はワンハリで助演男優賞に輝いたブラッド・ピットの「静」の演技の性質についてだ。 主人公リックの相棒クリフを演じたブラピは今まで演じたキャラクターのスタイルとはまた違う、表情の変化が少ないシニカルな役作りだ。 pic.twitter.com/qWPUqAwcvM

2020-02-12 04:57:37
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たまに表情の変化が少ない役者をヘタクソだと言う意見を耳にするが、とんでもない見方だ。 感情を表に出さない役の場合、巧い役者は「眼」で語る 無表情で本当に下手な役者は『トリプルX ネクスト・レベル』主演のアイス・キューブの場合を言う。 カメラの前で演技してる人感バリバリな硬い表情だ。 pic.twitter.com/2xKWn9Vz0I

2020-02-12 05:37:11
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このクリフというキャラクターは自分を魅せようとするリックとは反対に、他者を観察し「見る」事に専念しているのが特徴だ。 自己主張をせず常に相手を推し量る。 達観した内面性を必要最小限の演技アプローチで表現しているブラピの姿は実にクールだ。 pic.twitter.com/teXjpmFEaV

2020-02-12 06:10:28
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クリフの面白い所は其のタフガイ的なカッコ良さだけでは無くどこか「得体の知れない」秘めた部分にある。 そういった意味ではとても異色な役作りで、ブラピの演技からなるクリフというキャラクターは助演男優賞も頷ける出来栄えだった。 pic.twitter.com/szB7OGssKh

2020-02-12 06:17:42
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あまり他に例を見ないブラピの演技スタイルだったが、ただ1つだけ類似する例を連想させられた。 其が『#コクソン』での國村隼が演じた「よそ物」というキャラクターだ。 pic.twitter.com/EXhVDnWSwK

2020-02-12 07:05:07
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#アウトレイジ』や『#地獄でなぜ悪い』等で繊細な表情の演技を魅せた邦画界の名脇役國村隼だが、韓国映画『コクソン』で見せた無表情な演技の性質は紛れもない「静」のパターンだ。 ブラピにあった得体の知れなさに加え、「不気味さ」を少ない表情変化で表した高等テクニックである。 pic.twitter.com/4YVyaH9Es2

2020-02-12 07:21:47
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主人公にその身分と目的を問われる「よそ物」はただ黙って相手を見るだけだ。 見下しているのか、危惧しているのか、それとも何か魂胆があるのかも分からない。 其の感情が一切読み取れない様は「静」の演技スタイルの完成形と言っても良い「無」の境地だ。 pic.twitter.com/YHJvmJMSHW

2020-02-12 07:58:44
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『コクソン』終盤では表情の変化を際立たせた「怪演」ぶりをも見せる。 個人的に國村隼は今の日本映画界では、役所広司と並んでトップレベルの演技派俳優だと思っている。 「静と動」どちらもこなせる正真正銘の数少ない実力派タイプだ。 pic.twitter.com/k0b4uflLyX

2020-02-12 08:08:07
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自分の好みの演技スタイルはホアキン・フェニックスの様なエネルギッシュな「動」のスタイルだ。 ジャック・ニコルソンが『シャイニング』で表現した画面から滲み出るかの様な顔面圧力演技を初めて観て以来、こういったスタイルの虜であった。

2020-02-12 08:12:23
惣流・ドルフ・ラングレン弐号機 @YZNlfuMP8Vbaaoj

だが『ワンハリ』で見せたブラッド・ピットの演技にはホアキン以上に驚かされた。 ホアキンの『ジョーカー』は予告編の時点で演技力の高さが予測出来たが、ブラピの場合は予期せぬ不意打ちといった感じだ。 其の真逆で両極端なアプローチ手法が揃って受賞するという結果が今回とても面白かった。

2020-02-12 08:23:18
惣流・ドルフ・ラングレン弐号機 @YZNlfuMP8Vbaaoj

大御所デ・ニーロに新鋭アダム・ドライバーと強豪がそこそこ進出していた中2人の活躍は目を見張る物があった。 作品賞の『パラサイト』で話題は持ちきりだが、俳優の演技力合戦の結果や分野もまたとても楽しみで、これからもより良く注視して行きたい。 pic.twitter.com/n3VOTDNUK8

2020-02-12 08:41:35
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