ひろゆきのインタビュー記事がきっかけになって「初期のインターネットの女性人口は少なかった」が話題になってるのか…。関連した話題でちょっと興味深いものを知っているので、それもからめて所見を書こうと思います。 続く→
2020-02-09 04:33:451/42 インターネットにおける女性人口についての言及ですが、かの有名なインターネットミーム『Rules of the Internet』にも以下のような記述があります。また、『ルール』とは無関係に「no girls on the internet」というフレーズだけで使われることもあるようです。↓
2020-02-09 04:37:252/42 > 30. There are NO girls on the internet.(ルール30:インターネットに女はいない) 【Rules of the Internet - rulesoftheinternet. com site】 rulesoftheinternet.com
2020-02-09 04:37:263/42 Googleトレンドを使用した調査では、このジョークのフレーズ自体は2005年前半には登場していることが示されています。しかし調べてみるとこの概念自体の起源はかなり古く、World Wide Webの普及以前にまで遡るようです。 trends.google.com/trends/explore…
2020-02-09 04:37:264/42 英語圏のインターネットミームを紹介しているサイト『Know Your Meme』にその起源を説明したページがあります。このページの翻訳と共に所見を書いていこうと思います。 【There Are No Girls on the Internet | Know Your Meme】 knowyourmeme.com/memes/there-ar…
2020-02-09 04:37:275/42 このジョークの起源は、MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)の前身であるMUD(テキストベースのオンラインゲーム)をプレイするために、プレイヤーの間でUsenet(World Wide Webの10 年以上前から実装されている分散ネットワーク)が普及していた時代まで遡ることができるそうです。
2020-02-09 04:37:276/42 このような形態のゲームをプレイする女性は非常に稀だったらしく、ユーザーの大部分は男性が占めていました。しかしこの時代、ギフトやその他の不当な利益を得るために女性プレイヤーを装い、姫プレイを行うネカマ行為が常態化していたらしいです。
2020-02-09 04:37:287/42 このようなオンライン上で性別を装う詐欺行為が蔓延している様子を、米国の社会学者Amy Bruckmanが1993年に発表した研究論文「Gender Swapping on the Internet(インターネット上でのジェンダーの交換)」で初めて指摘しています 【GENDER SWAPPING ON THE INTERNET】 cc.gatech.edu/~asb/papers/ge…
2020-02-09 04:37:288/42 このような時代から現在に至るまで、この手法(ネカマ)はオンライン上で人気の荒らしのテクニックであり続けています。
2020-02-09 04:37:289/42 さらに、「インターネット愛好家は、独身だが本心では異性との交際を切望している非モテオタク男性である」という固定観念がメディアやフィクションで頻繁に登場することで、この概念はさらに増幅、定着して行きました。これは日本でも同じですね。
2020-02-09 04:37:2910/42 しかし1990年から2000年にかけて、インターネットが一般の人々にとって遥かに利用しやすいものへと進化するにつれて、この概念もまた別の形へと変貌を遂げて行きます。
2020-02-09 04:37:2911/42 変貌の第一の要因は、女性人口が増えたことにより、実際に「出会いの可能性」が現れたことにあります。しかしこの事実は同時に、チャットルームなどにいかにも女性らしい名前を付けたスパムボットの大流行を呼びました。
2020-02-09 04:41:4512/42 ネット上の被害を飛び越えて社会的・金銭的被害が出かねない状況になったことから、この概念はオンライン上でのやり取りに限定された戒めの言葉としての意味合いを越えて、現実社会への影響も考慮した警句としての側面を持つようになったのです。
2020-02-09 04:41:4613/42 第二の変貌の要因は、女性側からの否定的な言及が現れたことです。元々はマニアックなコミュニティの間で流通していたこの概念は、インターネット人口の増加に伴い4chanを含めたインターネット文化の有力なハブサイトにも広まって行くことになります。
2020-02-09 04:41:4614/42 そして、そのようなフォーラムにおける女性ユーザーたちから「言葉による性的な嫌がらせやその他の迷惑行為を避けるために男性のふりをしていたのだ」という主張が出てくるようになったのです。
2020-02-09 04:41:4715/42 すなわち「いないのではなく、いないふりをしていたのだ。この言葉は女性を透明化する侮蔑的なフレーズだ」という主張です。(英語の元サイトではこの主張を「もっともらしい理屈」と記述していますが…)。
2020-02-09 04:41:4716/42 なおこれは『最初期のインターネットには』ではなく『インターネットには』についての反論であり、実際のところその点ではこの反論自体には正しい側面はあるのでしょう。
2020-02-09 04:41:4817/42 そもそもオンラインコミュニティはその発展の経緯から「男性的な場」であり(後述)、SNSの登場以前は不特定多数が集まる「名無し」のコミュニティで個人の性別を開示することは「ことさら強調している」と見做されることになったのかもしれません。
2020-02-09 04:41:4818/42 この雰囲気、および「女性と主張すると排斥される空気」を端的に理解できるミームとして「Tits or GTFO」というものがあります。GTFOはGet the Fuck Outの頭文字です。すなわち、「おっぱい見せるか消え失せろ」という意味ですね。 【Tits or GTFO | Know Your Meme】 knowyourmeme.com/memes/tits-or-…
2020-02-09 04:41:4919/42 ここまでは英語圏インターネットにおける話で、しかも近年ではもう時代遅れになっている概念です。しかし日本でも概ね同じような発展の経緯を遂げてきたこともあって、似たような雰囲気があった(コミュニティによっては今も『ある』)のではないでしょうか。子供だったのでよく知りませんが。
2020-02-09 04:41:4920/42 「男性的な場」についてですが、黎明期のこの分野に関する開発が男性主導であったことは疑いようもなく(これはその時代、その分野に女性が進出していなかったからでもありますが)、この分野の活用に最初に興味を持ち始めたのも、その分野を趣味とする人たちでしょう。 twitter.com/IS_ikesan/stat…
2020-02-09 04:44:5421/42 必然的に所謂「インターネット黎明期」にインターネットやPCを活用したのは男性主体(男性総体ではなくオタク男性主体と捉えるべきですが)であったということになるでしょう。いきなり現在のインターネットが現れたわけはなく段階を踏んで発展してきた以上、当然の流れとも言えますね。
2020-02-09 04:44:5522/42 またこのような経緯から、それらの技術が一般化する過程の最初期には、PCやインターネットがある種の『専門的なもの』と考えられ、「男がやるもの」と見做されていたことは想像に難くありません。
2020-02-09 04:44:5523/42 ディープな分野においてはこの風潮はいまだに根強く、オーバークロッカーなど「専門的にPCをいじる人たち」に圧倒的に男性が多いことからもわかります。
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