宇野常寛氏「遅いインターネット」刊行にあたって

宇野常寛 @wakusei2nd

僕の新刊、「遅いインターネット」いよいよ今週20日（木）に発売になります。もう10冊以上本を出してきたけれど、今回の本は特別でなんだかとてもソワソワしています。 amazon.co.jp/dp/4344035763/

宇野常寛 @wakusei2nd

この本（#遅いインターネット）を書いた動機は2つあって、まずは僕はこの数年、インターネット（とりわけSNS)の使われ方を「ある視点」から分析することで世界の見通しがとてもクリアになるのではないかと考えていて、それを一冊にまとめようと思ったこと。ここは我ながらとてもうまく行ったと思う。

宇野常寛 @wakusei2nd

もう一つの理由は僕はこれまでインターネットを使って世の中を変えるというか、面白いことをたくさん残すということを目指してきたのだけど40代はこれまでとはちょっと違うやり方を試したいと思っていてそのマニフェストを提示することが世の中に対しても意味があると思ったから。#遅いインターネット

宇野常寛 @wakusei2nd

タイムラインの潮目を読んで池に落ちた人間にうまく石を投げた人間がたくさん座布団がもらえるような大喜利にウンザリしている人はたくさんいるはずで、僕もそんなゲームの外側に全然異なるルールで動く言論空間ができたらいいと思って動いている。この本はそんな運動のマニフェストでもあったりする。

宇野常寛 @wakusei2nd

具体的には「（タイムラインの潮目を完全無視した）あたらしいメディア」と「（大喜利的なゲームとは切断された）良質な情報発信を学ぶワークショップ」を手探りではじめている。小さくてもいいのでこうした運動の狼煙をこのタイミングで上げておこうと思ったのが、この本を書いた2つ目の理由です。

宇野常寛 @wakusei2nd

もちろん（ここに書いたけど）僕はここで一気呵成に事が成るとも、自分たちだけで変えられるとも思ってない。 小さくても長く成果を出し続けていれば似たようなメディアやコミュニティが他にも出てきて流れがだんだんできてくるはずで、そこに意味があると思っている。 note.com/wakusei2nduno/…

宇野常寛 @wakusei2nd

インターネットという環境を自分たちでしっかり変えていこう、もっと言えばあまりよい環境でないときはちゃんと個人で対策して、そのアクションを環境そのものを変えることにつなげていこう、ということを僕なりに考えてきて、そのために必要な分析と僕なりの実践の提案を一冊にまとめました。

宇野常寛 @wakusei2nd

夜にまた別のお知らせがあるので、今はこのへんで。 たぶん僕がTwitterにまとめて文章を投稿するのはこの2月、3月の僕が始めるいろいろなことのお知らせが最後になると思うので、付き合ってあげてください。

宇野常寛 @wakusei2nd

僕が「#遅いインターネット」というスローガンでいろいろはじめて、本まで書こうと思ったのは端的に述べれば人間を自由にするはずのものだったインターネットが逆に人間を不自由にしていると感じることが多くなったからだ。

宇野常寛 @wakusei2nd

特に震災以降はタイムラインが一つの話題に染まることが多くなって、閉じた相互評価のネットワークの中での点数稼ぎばかりが目立つようになった。問題を使って有名になるゲームが先行し、問題そのものは置き去りにされることが増えていった。 これじゃあテレビの時代に逆戻りだと、いつも感じていた。

宇野常寛 @wakusei2nd

愚痴っていても仕方がないので、少しずつ手を動かすことにした。あたらしいメディアを立ち上げて、後続を育ててて、そして一連の思考をマニフェスト的にまとめて世に問う本を書いた。 この間ずっと、継続的に活動を続ける足場を固めながら進めてきた。これからもコツコツやっていくつもりでいる。

宇野常寛 @wakusei2nd

なので、なんというか、いまのインターネットがちょっと息苦しいなとか、セカセカしててつまらないなとか思っている人には、これから僕らがやっていく仕事を時々思い出してチェックしてもらえればと思う。 #遅いインターネット