平安時代末期に描かれた『現存最古のモノノケの絵』がなんだかお茶目。「セサミストリートにいた気がする」の声も

小山聡子 @satoko_koyama

おそらく現存最古のモノノケの絵はこちらだと思います。平安時代末期の絵です。三本指で、お尻には尻尾のようなふさふさ。平安貴族から恐れられていたわりには、ふんどしからお尻の肉が微妙にはみ出ていたり、少々拍子抜けするお茶目な姿となっております。 pic.twitter.com/uNABrRG8lq

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小山聡子 @satoko_koyama

「おい、何くっつけてるんだよ」 「かっこいいだろ、この尻尾」 などという会話が聞こえてきそう…。 この絵については、今春出版予定の『前近代日本の病気治療と呪術』に収録される私の論文の中で触れています。

小山聡子 @satoko_koyama

この絵は後白河法皇が描かせた絵の一部です。完成前に法皇が崩御したので、供養のために絵の上からお経が書かれました。この絵は、お経の下に描かれている絵をトレースしたものとなっています。別の場面には三本指が病気の女性を背後から襲おうとする絵もあります。

小山聡子 @satoko_koyama

ちなみに、この2人（単位は人でいいのかどうかは微妙。２柱というべきかも）のモノノケは、仲間の関係にあります。なぜならば、他の場面では、貴族女性を背後と横から襲って苦しめているからです。

小山聡子 @satoko_koyama

「怨霊」は社会に大きな悪影響を及ぼす死霊（菅原道真等）、「モノノケ」は正体が分からない死霊などで対個人に悪影響を及ぼすことが多いです。怨霊への対処は祭や供養による鎮魂、モノノケへの対処は調伏でした。強力なものには忖度してひれ伏し、微弱なものには攻撃を。いつの時代も変わりません。 twitter.com/satoko_koyama/…

小山聡子 @satoko_koyama

でも、この絵を見る限り、わざわざ験力のある僧を招いて調伏しなくても、「ちょっとどいてくれる？」と優しくお願いすれば、いなくなってくれそうな雰囲気ですね。

森澤勇司Yuji Morisawa @yuji_morisawa

@satoko_koyama 一匹、二匹でいかがでしょうか。

小山聡子 @satoko_koyama

@yuji_morisawa モノノケは、時代によっても異なりますが、神と近似する場合もあります。とすると、やはり、柱で数えるのが良いのでは、と思うのですが、いかがでしょうか。姿をみると、一匹、二匹と数えたくなりますけどね（笑）

小林源文＠31日冬コミa-88ab @sakamachi21KN

@satoko_koyama 単に絵が下手なんじゃないですかw

小山聡子 @satoko_koyama

@sakamachi21KN 稚拙な感じの絵ですが、一応、後白河法皇が、おそらく宮中の絵師に描かせた絵です。

小野達磨 @onotatsuma

@satoko_koyama 隠れ蓑ですかね？

小山聡子 @satoko_koyama

@onotatsuma もとの絵については、そうではないかと言われていますね。

騎槍 @eguton0079

@satoko_koyama 手足の指が三本なのも、 何か意味があるのかもしれませんね(*´ω｀*)

小山聡子 @satoko_koyama

@eguton0079 鬼の手足の指がしばしば3本です。モノノケの姿はよく鬼の姿であると表現されますので、そのためかと思います。ツイートした疫鬼の指も3本ですので、よろしければご覧下さい。

小山聡子 @satoko_koyama

連日報道されているコロナウィルス。平安時代も病気は海の向こうからやってくるという考えがありました。病原とされていた疫鬼は、こんな姿をしています。ちなみに、赤い包の中身は槌（もしくは鑿）だと思われます。これで人間の額などを叩いて病気にさせます。 pic.twitter.com/hqx4nt4jsE

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magyar istvan（低知能） @istvan0817

唐人が船に乗せて連れてきた駝鳥の噂が伝聞の過程でうっかり変質しちゃったんじゃないかなあ？ twitter.com/satoko_koyama/…

小山聡子 @satoko_koyama

@istvan0817 長い足のモノノケは、中国の『山海経』の長股に似ているように思います。中国から伝来した図像の影響がある可能性があります。