現代社会の価値観が通用しない世界のお話

巫俊（ふしゅん） @fushunia

『最期の言葉の村へ　消滅危機言語タヤップを話す人々との30年』（２０２０年刊行）、１／３ほど読みましたが、何故、言語が消滅しようとしてるのか、必ずしも近代化とか政府の影響とは言えない（関わってはいそうだけど）ニューギニアでの例が面白くて、読み始めると止まりません。

巫俊（ふしゅん） @fushunia

近くにドイツの植民地があった頃の、「２人の若者の冒険」が、すべて（の言語）を変えてしまい、タヤップ語は世代交代で消滅することが確定したそうです。そのまま消滅するんだけど、言語を記録保存しようと一人の西洋人が単身、乗り込んできた。

巫俊（ふしゅん） @fushunia

１５０人程度って書かれてたかな？タヤップ語はそれくらいの規模の言語なんだけど、タヤップ語集団の集落は孤立した地域では無く、むしろ孤立した山の尾根周辺には大きな言語が展開してるってあたり、聞いたことの無い事例で興味深く思いました。

巫俊（ふしゅん） @fushunia

パプワニューギニアのガプン村、基本的におかしな人しか出て来なくて、「善行も罪になる」とか、ヤバ過ぎだった…萌えキャラ吊るし上げて魔女狩りしてる人たちが可愛く見えるレベル。 twitter.com/fushunia/statu…

巫俊（ふしゅん） @fushunia

作者は、ガプン村で長期的に住んでる西洋人の言語学者で、服喪明けの宴会の費用として、善意で９００ギラを渡したが、さきほどの２人をふくむ３人の村人が全員着服した上、その一人がマラリアにかかって倒れ、何故、病気になったのか、原因は西洋人が金を渡したからだということになった。

巫俊（ふしゅん） @fushunia

毒ヘビに咬まれて、口から泡吹いてる男から、３００ギラの大金を熱帯雨林に埋めた場所を聞き出そうとする村人とか、「町で金に換えてやる」と唆されて村外の人に３００ギラ渡したが、そのまま音信不通になったとか、マラリアの薬を一気飲みした後、症状が改善しないので、何者かが魔法をかけてるとか…

巫俊（ふしゅん） @fushunia

そのまま、マラリア脳症が進行し、男の容体が急変したところで、事態は動き始める。パプアニューギニアでは、悪いことは「魔法」によって起こると信じられており、怪我をしたときも、回復しなければ、それはすべて「魔法」が原因だという。まるで小学生が強弁するような思い付きを村の皆が信じるので…

巫俊（ふしゅん） @fushunia

犯罪行為も「自分の意志でやった」とは考え無い社会で、犯罪者は常に「何かが外から入ってきて、気付いたらやってた」と抗弁するが、その主張が受け容れられるそうです。ただ、自分が関わって人が死んだことは確かなので、大金を工面して払わないといけない。犯人で無くても関わってたら金を要求される

巫俊（ふしゅん） @fushunia

よくドラクエで物知りの村人とか出てきて、「本当かよ」と思うことでも、言われた通りのことが起こるんだけど、ニューギニアもこれと同じで、半ば詐欺師も同然の人が理路整然と、服喪明けの宴会が出来て無いから死者の霊が怒ってると言い、「原因の」西洋人がまたモノを工面して宴会をやることになった

巫俊（ふしゅん） @fushunia

宴会をしても、鏡に油を塗りたくって懐中電灯で照らし「魔法をかけてる」犯人を捜しても、苦しむ男性の容体は一向に改善せず、「命を救った」代金として鏡使い「グラスマン」から更に大金を要求される始末。「魔法使い」は隣村にいるとされ、隣村の人を読んで饗応して、魔法使いの怒りを解こうとする。

巫俊（ふしゅん） @fushunia

病気になった男性の家は、隣村の人に豚を売って年間収入の数倍の利益を出したばかりだったが「俺は魔法使いを知ってる」とか「金を渡しに行くのを見張ってる」とか言われて、いちいち金を渡し、それも効果が無く、金が尽きる。万策尽きてからカヌーで８時間の救命小屋に連れてくが、そこで生命が尽きる

巫俊（ふしゅん） @fushunia

最初から、国際機関の薬がある救命小屋に行けばいいのに、そうする人はいない。病気の原因は「魔法」なので、それを解くことに必死になり、万策尽きて救命小屋に行っても、たいてい手遅れで、死体で村に帰ってくる。救命小屋に行くと必ず死ぬので、やっぱり誰も連れていかない。