高解像度夢日記。周りじゅう山と森に囲まれた村に住んでた。私はそこで生まれ育って、高校3年生ぐらいの年齢で。クラスメイトの男の子と女の子の3人で、舗装されてない道を歩きながら家に帰るところだった。
2020-02-24 22:03:37畑に囲まれたあぜ道。夕方よりも少し前。学校を卒業したら、どんな『職業』になりたいかを話していた。大人になったら、みんな色々な職業に就く。毎日働くようになる。私たちにとって、それは夢と希望にあふれることだった。
2020-02-24 22:06:03別の日の昼間。学校の渡り廊下を歩いていたら、大きな地震が起きた。地割れがして、学校が崩れて、瓦礫になりながら深い底に落ちてゆく。私も一緒に暗闇の中に落ちていった。
2020-02-24 22:08:31
気がつくと、3人で下校途中だった。卒業したら、どんな『職業』になりたいかを話していた。なんとなく、この会話を聞いたことがある気がしたけど、毎日のようにそんな話をしているんだし、デジャブはよくあることなので気にしなかった。
2020-02-24 22:11:20その数日後。大きな地震が起きた。地割れがして、学校が崩れて、瓦礫になりながら深い底に落ちてゆく。渡り廊下を歩いていた私は逃げる場所もなく、木造の校舎だったものと一緒に暗闇の中に落ちていった。
2020-02-24 22:13:33
気がつくと、3人で下校途中だった。卒業したら、どんな『職業』になりたいかを話していた。大人になったら、みんな色々な職業に就く。毎日働くようになる。私たちにとって、それは夢と希望にあふれることだった。
2020-02-24 22:15:22なんだか録画を見ているような不思議な気分だった。今日という日は1日しかないはずなのに。頭の中でぴったりと映像が重なる。これは、今見えている景色なのか、過去の記憶なのか。でも過去にこんなにぴったり同じことなんて起こるわけがない。
2020-02-24 22:18:52一瞬の違和感はすぐにかき消され、なにも感じなくなり、数日後、私は学校とともに暗闇の中に落ちていった。そして気付いた時、3人で下校途中だった。卒業したら、どんな『職業』になりたいかを話していた。
2020-02-24 22:22:00
全く同じ日々を繰り返していた。同じように話しかけられると、同じように返事をしてしまう。なので、同じように進んでいる。誰もそのことに気付いていないようだった。同じようにしか動けないのだろうかと思って、学校を休んでみた。普通に休めた。
2020-02-24 22:24:59なんとなく数日学校を休んだある日、村にモンスターが攻めてきた。学生は学校に行っているので、村に残っているのは老人と主婦と子供、あとは村の中で仕事をしている人たち。一人残らずモンスターに追い立てられ、一箇所に集められた。
2020-02-24 22:27:33自分の2倍程度はある、防具を身につけて大きな斧などを持ったモンスターは十数体。逃げないようにと取り囲まれ、私たちは1台のバスに乗せられた。運転手は、モンスターに言われた通りに走るしかなかった。村を出て細い一本道を進む。
2020-02-24 22:29:54山道で、ガタガタと揺れるバスの中で身を寄せ合う。道の先で土砂崩れが起き、道は途絶え、その先は黄土色に濁った大きな泉だった。運転手がバスを止めようとすると、後ろから付いてきていたモンスタが、その斧でガン!とバスを殴る。止まるな、バスごと泥沼に沈めということだ。
2020-02-24 22:34:48運転手の顔は真っ青だ。周りではすすり泣く声が聞こえる。どうすることもできない。また後ろからガンガンと斧で殴られ、後部が変形する。その勢いに押されてバスはずるずるとぬかるみに進み、ゆっくりゆっくりと沈んでいく。
2020-02-24 22:37:23どうにもならない。バスは沈み、斧でなぐられガラスの割れていた部分から、泥水がどぷどぷと車内に流れ込んできた。泥水が、いよいよ首よりも高くなる。苦しくなって口を開け、がぼがぼと、その泥水を思いっきり吸い込んだ。
2020-02-24 22:42:34肺が泥水で満たされた時、異変が起きた。苦しくない。息ができる。吸い込んだ泥で、肺はとても重かった。でも息はできた。私は自分のことを人間だと思っていたんだけど違ったのだろうか。光の届かない車内で、重い泥の中でゆっくりともがき、なんとかバスを抜け出した。
2020-02-24 22:45:41泥水の中では手足が重く、上下左右がわからず。しかしなぜか呼吸はできるので、時間をかけて進み続け、とうとう泥の中から抜け出した。見たところ、もう周りにモンスターはいなかった。
2020-02-24 22:47:56それからなんやかんやあったはずなのだが、気づくと私は友達と3人で、将来について話しつつ下校途中だった。今なにか考えていたはずなんだけどなんだっただろう。気のせいか。一瞬の違和感はすぐにかき消され、なにも感じなくなる。いつもの帰り道だ。
2020-02-24 22:52:00
時々、録画した映像のように、みんなの姿の記憶が、目の前の様子と重なって見えた。その意味はわからない。私は、卒業を待たずに村を出た。それからなんやかんやあり、空が飛べるようになった。
2020-02-24 22:53:54飛べるようになったことが嬉しくて、高く、高く、高く登った。村を取り囲んでいた山の、その向こう側の景色が見えた。なんだかジオラマの中にでもいる気分だったが、山の向こうにも、ちゃんと世界はあったのだ。
2020-02-24 22:56:30感動して、山を越えて、荒野を越え、いくつかの町村や砂漠を空から見た。そして、大きなお城を見つける。「あれが魔王の城なのか……」大きく弧を描き旋回していたところで、はたと気がついたら、私は友達と3人で下校途中だった。
2020-02-24 22:59:38驚いて立ち止まる。職業の話をしていたはずなのに。私は今なにを考えてた?夢でも見てた?歩きながら?友達が振り返る。「どうしたの?」「どうしたんだろう…」この帰り道は、いやそんなはずはない。でも…。
2020-02-24 23:04:35