編集可能

「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」

三中先生が語る「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」における研究者の組織内でのキャリアの違いについて。
科学
35
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋]もう20年あまり前のこと,ワタクシをあえて選考採用してくれた元室長は,「たとえ純粋な基礎的研究をしていても,どこかで農業と関連があるかもしれないという意識を持ち続けていさえすれば,農水省国研で元気にサバイバルし続けられる」と言っていた.まさに金言.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)だから,純粋な離散数学(応用グラフ理論)をアウトプットとして出しても,あるいは系統推定論で科学哲学者カール・ポパーの仮説検証フレームワークの論文を書いても,まったく臆することなく農水省の研究員としての顔をし続けていた.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)ひとつには,研究機関の「フトコロ」の深さ,つまり「のりしろ」の幅がどれくらいあるかという点がひとつ.短期的なプロジェクト研究で追われている(実学重視の)研究所だと,ピュアな基礎研究に対する風当たりは当然きびしくなる.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)もうひとつは研究者側の問題.研究所の意図とは関係ない「第二次形成体(オルガナイザー)」になる覚悟ができているかどうかという点.研究テーマに関して上司や同僚から何か言われたときにへなへなと凹んでしまうのではなく,逆に相手を巻き込んで研究上の「結界」をつくれること.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)既存の研究機関なんて,研究者にとってはしょせん「仮の住まい」に過ぎないわけで,上司や同僚もその点でいえばかりそめの縁でつながっているにすぎない.オルガナイザーであり続ける覚悟があるかぎり,大学にいようが独法研究所にいようが何の制約もない.Be free.
人工進化研究所つくばラボ @OhyaTalk
これこそ農学基礎研究の保守本流と思うんですけど… RT @leeswijzer: 純粋な離散数学(応用グラフ理論)をアウトプットとして出しても,あるいは系統推定論で科学哲学者カール・ポパーの仮説検証フレームワークの論文を書いても,まったく臆することなく農水省の研究員としての顔を
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
その保守本流が気がつけば「3σ」の外側に…… QT @ohyatalk: これこそ農学基礎研究の保守本流と思うんですけど… RT @leeswijzer: 純粋な離散数学をアウトプットとして出しても……まったく臆することなく農水省の研究員 http://ow.ly/5fnXk
人工進化研究所つくばラボ @OhyaTalk
せめて10人に1名くらいの頻度でいて欲しいです。全員が目先に走ってネタが尽き、お取り潰しになった研究分野、結構多いです。 RT @leeswijzer: その保守本流が気がつけば「3σ」の外側に…… QT @ohyatalk: これこそ農学基礎研究の保守本流と思うんですけど…
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
研究所にその自覚がない以上,研究者が自覚するしかないか QT @ohyatalk: せめて10人に1名くらいの頻度でいて欲しいです。全員が目先に走ってネタが尽き、お取り潰しに @leeswijzer: 気がつけば「3σ」の外側 @OhyaTalk: 農学基礎研究の保守本流
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋]先日,所内であった理事長懇談会で,農環研の中には「典型的(=メジャー)」な研究分野と「非典型的(=マイナー)」な研究分野が混在していて,それぞれの分野に属する研究者のキャリアパスには有意なちがいがあるだろうという意見を出した.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)農環研の場合,典型的(=メジャー)な研究分野とは,明らかに「土・水・大気」である.所内の研究者のマンパワー分布を五階から鳥瞰すると,典型的分野に属する研究者は所内での基盤が確立されているという点で,研究遂行システム上で最初から優遇されているといえる.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)典型的分野に属するメリットの最たるものは,近縁な研究テーマをもつ研究者が時空的に身近にいることによる,研究上の情報交換・知的刺激・キャリアアップの機会が自然と多くなることである.所内的な勉強会・研究会・セミナーなどの開催回数を見ればよくわかる.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)一方,非典型的(マイナー)分野に属する研究分野は農環研の場合,「土・水・大気」以外のすべてである.非典型的であることのメリットは精神的な「自由度」以外はほとんど何もない.典型的分野に属する前述のメリットの裏返しがいずれも非典型的分野にとってのデメリットである.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)平常時は典型的/非典型的の区別は何も見えないし,対外的にもけっしてわからない.しかし,組織改革があるたびにこの区別はあからさまになり,所内的パワーポリティクスのありさまは隠しようもなくなる.典型的分野はまず最初に組織的に保全され,非典型的分野はそうではない.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)たとえば,国研から独法に変わったときにどのような政治力学のもとに研究組織の再編があったかは,部門や研究室の「系譜」を見れば一目瞭然だ.典型的分野はどのように組織が変わろうが事実上そのまま保持されている.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)一方,非典型的分野は,その時々の情勢(主として政治的な)によって,部門ごと別の研究所に移管されたり,ばらばらに解体されたり,場合によっては研究室ごとなくなったりする.民間のように生首を切られることはないが,当事者である研究者は所内外をさまようことになる.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)要するに,典型的研究分野は所にとっての必須の〝本質〟を構成する研究分野であるために,それをなくすことはありえない.一方,非点家的研究分野は周辺的な〝のりしろ〟あるいは偶有的な〝付随物〟なので,必要に応じてどうにでもなる.平常時には見えなくても,非常時には見える.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)「情報」という農水的に非典型的な研究分野に属するワタクシにとっては,以上のことは入省してほどなく痛感することになった.独法になったときに全国各地で組織維持のために情報関係の研究室が軒並みなくなり,「情報処理研」が「糞尿処理研」に看板を付け替えた話は有名.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)典型的分野の研究者はその確固たる地盤を有効利用して研究をしていけばいい.しかし,非典型的分野の研究者は数々のデメリットの中でまずは利己的にサバイバルすることを考えなければならない.その上で余力があればいかにして後進を育てるかが務めとなるだろう.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)ただし,非典型的分野は組織論的に「明日をも知れぬ」宿命がある.だから,自分がいかに独りで生きていけるのかをいつもどこかで考え続けている.研究所はもともと頼りにならない,同じ部署でも研究者ライフにとっては他人も同様.所属する職場に対するフィデリティはミニマム.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)そんな研究環境でサバイバルするためには,「いるけれどもいない/いないけれどもいる」という絶妙な不在的存在であり続ける必要がある.研究所や研究部という枠組みは周辺的な研究者にとっては何の意味も持たないということだ.最低限の義務だけ果たしてあとはいなくなるよ.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer
[欹耳袋](承前)大学でもきっと周縁的な研究分野はあるにちがいないが,きっとそれなりに「保全」されていると思う.しかし,省庁の独法研究所ではそういう保全措置はほとんどなされないので,なくなるときはあとかたもなくなくなる.そういうリスクを背負いながら研究者がどう生きるかということ.
牛柄亭 @calf_fox
これすごくよくわかる RT @leeswijzer: [欹耳袋](承前)たとえば,国研から独法に変わったときにどのような政治力学のもとに研究組織の再編があったかは,部門や研究室の「系譜」を見れば一目瞭然だ.典型的分野はどのように組織が変わろうが事実上そのまま保持されている.
牛柄亭 @calf_fox
農環研ほどではないけど、畜試でいえば典型的分野は「栄養・飼養」で、絶対に組織が維持されている(名前は変わるけど)。
牛柄亭 @calf_fox
私の所属「研究室」は「養豚研」→「生体情報利用研」→「神経生理研」→「(ここから生物研に異動)動物脳神経研」→「脳神経機能研」→「動物生産生理機能研」(イマココ) 人が変われば内容変わるの典型=組織にとってはあんまり重要ではない って感じ
残りを読む(94)

コメント

MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer 2011年6月12日
イントロにあたるツイートを追加しました〜
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer 2011年6月13日
関連ツイートをもうちょい追加しましたぁ〜
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer 2011年6月14日
またまた関連ツイートを拾いました〜.
Haruki Atomiya @snobbie 2011年6月14日
生みの親が放置状態で失礼しておりますが育ての親がしっかりしているので安心です(^^;)
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer 2011年6月14日
ツイートをちょこちょこと拾い集める昼休み.しょぼ弁タイムなう〜.
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer 2011年6月17日
[欹耳袋]霧雨の本郷でツイート拾いをする昼下り.Togetter -「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」
MINAKA Nobuhiro『ビールの自然誌』出た! @leeswijzer 2011年6月19日
[欹耳袋]今朝もたくさんひろったよん〜:Twitter -「典型的研究分野」と「非典型的研究分野」
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする