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大艦巨砲主義でいうと昭和6年の海軍砲術学校の教範でも議論されている。砲火力を増す方法としては、口径増大、初速の増大(砲身長伸展)、弾薬の増加(砲身はそのまま)の3つが考えられていた。
2020-02-26 08:11:03
このうち弾薬の増加は火薬を増やすか、砲弾重量を重くするかの二つが考えられた。しかし、これは不経済で命中精度も良くないので、ほとんど顧みられていない。真剣に議論されたのは口径主義と初速主義。
2020-02-26 08:11:45
口径変えずに砲弾重量を重くする方法とは、砲弾を長くするということだが、そうすると線条により回転している砲弾は、弾道が不安定になって命中精度が下がる。あと重い砲弾は砲戦のときに射撃速度を低下させるという問題も指摘されている。昭和6年頃だからか、機械力で自動装填という発想は希薄。
2020-02-26 08:12:30
長砲身で初速増大主義については、弾道学を考えるとじつは言うほど有利ではない。空気の抗力の影響が大きくて初速の割には飛距離が伸びないのと、終末弾道は落角が大きい。ただ海軍の考えはアウトレンジを求めておらず、高初速だと弾道が低進して命中界が大きくなることを期待していた。
2020-02-26 08:13:01
有名な三式弾だが、あれは砲弾重量が軽いので初速は800毎秒メートル以上あるのだが、空気による抗力の影響が大きく、射程距離は短く、終末弾道は崖を落ちるように急激に落下する。
2020-02-26 08:13:32
それで高初速の弊害としては、抗力の影響で弾道が不安定になり命中精度が悪化することと、火薬は消費するわ、砲身命数は減るわでランニングコストが悪いことも指摘されている。
2020-02-26 08:14:02
口径増大とは面積は相似比の二乗、体積は三乗で効いてくるので、空気に対する抗力の影響が重量が大きいことで、少なく、弾道特性が良好。砲身内の圧力も許容範囲でランニングコスト的にもメリットが有ることで、口径増大が選択肢として選ばれていた。
2020-02-26 08:14:30