稲川淳二の『つぶやき怪談』(2020.02.26)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

“春は名のみの風の寒さよ” と思わず口(くち)遊(ずさ)んでしまいます。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

暖冬とはいうものの、やっぱり冬は寒くて当り前。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

でも、厚着して出掛けるのも億劫(おっくう)だし、 そんな訳で、みなさんお変りないですか？　稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

あともう少しですね。　日一日と日足も伸びてきて、 嬉しい季節を迎えるのも、・・・と思っていたら、 突如、新型コロナウィルスですからね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこへ花粉症は既に始まってますし、 くしゃみ、鼻水、かゆみ目、もうぐしゃぐしゃですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、慌しくツアーの準備に追われるんですよね。 例年の事ではありますが、あーあ、時間が足りない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それでは、「つぶやき怪談」お楽しみください。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

とても怖いようで、実は優しいお話です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

時代がそうなのかも知れませんが、 今の時代の怖い話って殺伐としていますよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

でも、霊の世界って、もっと優しいものなんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ホラーと怪談を勘違いしている人が多いんですよね。 映画なんかで、ホラー映画、ってすぐタイトルを付けるでしょ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

外国製のを、ホラーって言いますよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

勝手に自動車が走り出したり、 遺体が動いたり、部屋の中の置物が空中に浮かんだりとかね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ビジュアル的に、 どこか派手でおぞましさを押しつけてくるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

でも、日本の怪談は、 風習とか歴史、人の温情とかが絡み合ったものですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

情緒があるし、風景や、潮の満ち引き、満月や新月の変化とか、 自然と共に、人間の信条が織り込まれるような、 そんなお話なんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

内なる物の現れ、みたいな世界ですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

だから怪談って、 怖いだけじゃないものが、結構ありますよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

芸能界の大先輩にあたる方のお話なんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

喜劇王、エノケンこと榎本健一さんが活躍されていた頃の若手芸人さんで、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

テレビとかラジオにめったに出なかった方なんです。 本物の、筋金入りの芸人さんなんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

仕事柄、あっちこっちの地方に移動することがあります。 その芸人さんが、そんな移動の時に体験なさったお話なんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その日、朝一番。 羽田空港で飛行機に乗って、福岡へ向かう予定だったんです。