学校給食用の牛乳はどこへ行く?

新型コロナウイルス対策のための一斉休校により、給食に出るはずだった牛乳が余ってしまうのでは…という心配の声が各方面から聞こえてきます。実際のところどうなのか、原田英男さんが解説していたのでまとめました。
学校給食 牛乳 社会 デマ屋
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原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話①】新型コロナウイルス対応による全国一斉休校が決まり、学校給食用の食材の扱い等について、波紋が広がっています。特に牛乳(学乳)は乳業工場での計画的な生産販売を行っており、今回のような急なキャンセルは学乳を製造している乳業工場だけでなく酪農家への影響も懸念されます。
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話②】ただ、地震、停電等、酪農家や乳業メーカーの生産施設に直接的な被害を及ぼした災害と異なるものであり、生産者団体がもつ生乳の需給調整機能を最大限に引き出すとともに、学乳分の消費を確保することで乳業会社や酪農家への影響を最小限にすることは可能です。
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話③】生乳はそのままでは長期保存ができないので、飲用牛乳に充当する分を確保したあとは、大規模乳製品工場で保存の利くバターや脱脂粉乳(バターを作ると脱脂粉乳もできる)、チーズを製造します。数年前の「バター不足問題」は生乳生産量の減少と飲料消費の好調が主要因でした。 pic.twitter.com/OjndqByc71
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原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話④】全国の生乳生産量約728万㌧うち飲用向け生乳は401万㌧。都府県では生産した生乳量は332万だけど牛乳向け処理量は345万㌧(北海道からの移入があるから)。都府県の生乳はほとんど飲用向けで乳価は、飲用向け>生クリーム向け>バター脱粉向け>チーズ向けという順で安くなります pic.twitter.com/4Uq4PmL4tg
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原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑤】加工向けが主体の北海道では加工向け乳価では生産費を賄うことができないので、国が加工向けには補助金を出しています。酪農家が受け取る乳代は用途別の乳価の加重平均なので、飲用向けが減少すると所得が減少することになり、急な飲用向け減少は酪農家の経営を悪化させます。
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑥】飲用向けのうち学乳向けは36万㌧ほどで、飲用向けの11%強を占め、通常は毎月35~38千㌧程度の仕向け量ですが休みの多い8月は5千㌧程度、3月は22千㌧程度となります。今回の「全国一斉休校」による学乳中止により、3月向けの学乳22千㌧の持って行き場がなくなることになります
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑦】都道府県ごとの生産量をみると、22千㌧の生産量は奈良県、沖縄県の1年間の生乳生産量に相当します(それ以下は10県)。これだけの量が1か月で行き場を失うことになると生産現場にも大きな影響を及ぼすことになるので、業界を上げて対応する必要があります(既に着手してます)。
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑧】具体的には、a)普段,学校給食牛乳に向けている生乳を地域にある乳製品工場で加工品に回すことになります。この場合、生乳廃棄は免れますが、学乳生産できない地方の中小乳業工場の経営に大きな影響を与えるし、酪農家も加工向け乳価での販売になるので、打撃は大きくなります。
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑨】b)都府県では大規模な乳製品製造工場は限られているので、飲用仕向けができず、かつ、近隣の乳製品工場に仕向けることができない場合は、遠方の乳製品工場に移送して加工することになりますが、この場合、乳価のダウンだけでなく、移送するための輸送費も生産者負担となります。
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑩】更に、乳製品が販売不可能な場合、生産者学校給食側が乳業メーカーに「製造委託」をして(販売見込みがなくても加工して貯蔵する道を選ぶ)生乳廃棄を防ぐしかないことになります。販売先が確保されていない乳製品は、生産者が「購入」せざるを得なくなる可能性が高くなります。
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑪】北海道では、今、フル回転でバター等の製造を行っていますが、北海道内での学乳中止による飲用向けの減少に加え、今まで都府県向けに移出していた生乳が、都府県の飲用乳業工場からキャンセルを受けて,道内での加工に回さざるを得ない、という状況になることも予想されます。
原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑫】この場合、北海道の乳業工場をフル操業して対応することになりますが、既に脱脂粉乳の在庫が大幅に積み上がっている中で,これ以上の在庫の増加は「生乳の生産調整」という最悪の事態を招きかねないこととなります。(脱脂粉乳の売れ先だったヨーグルトの消費が減少したため)。 pic.twitter.com/5C2jXEv00q
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原田 英男 @hideoharada
【学校給食牛乳の話⑬】一斉休校に伴う学乳停止という事態に対処して、酪農家や中小乳業の被害を最小限にするためには、子どもたちが在宅待機している間、家庭でも牛乳(できれば地元の)をゴクゴク飲める環境を作っていただければ感謝です。決して買い占める必要はありません。一家団欒、家で料理にも。

コメント

クロモリフレーム @crmoframe 2020年3月2日
>(脱脂粉乳の売れ先だったヨーグルトの消費が減少したため) よーし、ヨーグルト買うのはアリなんだね?
クイバチカ @quibachika 2020年3月2日
お助けバターとかいってやや品質バラバラでもいいから増産できないものかなぁ。バターなら小さいし冷凍できるしパンもお菓子も料理にも使い勝手が良いから欲しいのだけど
fujicco @fujiccopanko 2020年3月3日
牛乳の動向がなんせ一番気になるのはなぜだろう。カヌレいっぱい焼く。無駄にプリンも焼く。
marumushi @marumushi2 2020年3月3日
バター不足の時のホクレンの悪印象のせいでイマイチ素直に受け入れられんけど、実際どうなんだろ
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