茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2479回「新型コロナウイルスの危機を、偶有性の文法の進化のきっかけとすること」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2479回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2020-03-03 06:48:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

新型コロナウイルスに対する警戒反応は、日本だけではなく世界各地で起こっている。この感染症の性質(感染しても、症状が軽微か、出ないことがある。その間も他人に感染する可能性がある。中には重症化する人がいて、その要因は年齢や持病などあるけれども、完全にはわからない)が警戒心を最大化する

2020-03-03 06:50:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

脳にとって最も大切な滋養は「偶有性」(ある程度は予想できるが、予想できないものも混ざっている)であるが、新型コロナウイルスはその偶有性に対する人間の選好を削いでしまうことが、健康そのものへの害に加えて看過できない。イベント、人との出会い、旅など、偶有性のよろこびが奪われてしまう。

2020-03-03 06:52:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

このような状況で一番避けるべきなのは、偶有性から一切逃避してしまう「フリーズ」の反応が起こってしまうことで、そうなると脳はいきいきと働くために必要な滋養を失ってしまう。むしろ、感染に気をつけながら、上手に偶有性の設計をして、実行することが求められている。

2020-03-03 06:53:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

たとえば物理的に学校に行くことが難しいのであるならば、遠隔的に学習したり、より重要なことには遠隔的に友人たちとコミュニケーションしたり、コラボしたりとした環境を模索、実装すればいい。音楽やスポーツの無観客開催も、インタラクティヴな新たな環境を整備するきっかけになるかもしれない。

2020-03-03 06:54:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

ウイルスが人類の進化を促したという説もあるくらい、ウイルスは人間の長い歴史の中で常にあって時に猛威を奮ってきた。私たち人間の認知プロセス、パターンの中には、ウイルスに対してどのようにふるまうかという知恵が実装されているはずである。今こそそれをフルに活用すべき時だ。

2020-03-03 06:56:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

新型コロナウイルスが猛威を振るう今だからこそ、私たちの偶有性の文法を進化させるチャンスである。ウイルスが進化のきっかけになってきたという生物的歴史上の経験則を証明すべき時だろう。今回の危機の行く末はまだ見渡せないが、私たち人間にはそれを乗り越える強靭さがあるはずだ。

2020-03-03 06:57:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2479回「新型コロナウイルスの危機を、偶有性の文法の進化のきっかけとすること」をテーマに6つのツイートをお届けしました。

2020-03-03 06:58:14