Early Bird @ 41isyoichiさんの英語講座(2020年2月10日分) 外山滋比古/英語の綴り/カンマ/and/see/not...either/oyster/語彙は画素数/other

まとめました
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Early Bird @41isyoichi

中高で英語を教え、大学で英語科教育法と受験英語指導研究を講じてます。教員研修会講師。文科省高校検定教科書 FLEX (増進堂)執筆者。NHKラジオテキスト英文法コラム元執筆者。『英語教育』(大修館書店)など専門誌へ寄稿多数。共著に『夢をかなえる英文法 ユメブン1』(アルク)。未来塾(@miraijuku2015)主宰。

Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 振り返りますと、外山滋比古先生のご著作との出会いは大学入試においてでした。上智大学外国語学部の国語の問題が、『修辞的残像』を素材に出題されていたのですね。試験ということを忘れてただただ読み耽る。「外国語を読む場合には、誤解を恐れる気持がなかなか消えない」で始まり、

2020-02-10 01:18:47
Early Bird @41isyoichi

「繰返して言えば、言語における単純誤解は除かれるべきものである。しかし、誤解をすべて一概に否定してしまう考えには、いま一つ反省は必要である。人間精神の深層に根ざし、理解をも支えている心的要素によって起る誤解に対しては、新しい態度をもって臨まなければならないであろう」で終わる一節

2020-02-10 01:18:48
Early Bird @41isyoichi

に強く惹かれた私は、問題に示された出典を頼りに、入試後、神保町の古本屋街へと繰り出し『修辞的残像』(みすず書房、1968年)を購入、熟読したのでした。「伝達のグラマー」と題するこの一節(pp.90-7)との出会いがどれほど印象的だったかは、今でもこの経緯を鮮明に覚えていることからもわかります。

2020-02-10 01:18:48
Early Bird @41isyoichi

それ以来、外山先生の御本は専門書や文庫本、対談集も含め、ほぼすべて所有し、精読・味読しています。(一番のお気に入りは『赤い風船』(福武文庫、1986年)ですかね😊) 私はこの名エッセイストに大きな影響を受けまして、勧めておられる著者の著作を手当たり次第に購入しては読破していったほどです。

2020-02-10 01:18:48
Early Bird @41isyoichi

文体にも感化をされました。外山滋比古先生の肉筆原稿は、アルクのグループ会社で翻訳を手がけるトランネットのホームページにおいて PDF 形式で閲覧・入手することができます。 trannet.co.jp/pre_up/new_col… この肉筆原稿をお手本に模写で原稿用紙の升目を埋め、息吹を肌で感じたこともよき思い出です。

2020-02-10 01:18:49
Early Bird @41isyoichi

an oyster of a man という句をグーグルブックスで完全一致検索すると著作での使用が確認できるが、1828年の作品のようだ。 bit.ly/37cmnJ5

2020-02-10 08:23:26
Early Bird @41isyoichi

英語の綴りの発音に統一がない。同一綴りが様々に発音されることは定評がある。「comb している所へ bomb を受けて tomb に入る」「good な food は blood となる」など、綴りは同じでも発音は3つとも違う。The rough cough and hiccough plough me through. では、5つの ough がみな発音を異にする😱

2020-02-10 13:06:16
Early Bird @41isyoichi

大塚高信『英文法点描』(篠崎書林、1956年、p.132)を基に記した。戦後の刊行だが、「comb している所へ bomb を受けて tomb に入る」というのが戦時中の雰囲気を伝えている😅

2020-02-10 13:06:17
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 通常、カンマで2つの節を並置しないが、カンマを接続詞の代わりに使う特例がある。 👉The sun is shining, the larks are singing. (太陽は輝き、ひばりは歌っている) こうした対照的な短文でカンマが接続詞の代わりに使われることがある。セミコロン(;)の上の点(・)が落ちた形だ。

2020-02-10 17:33:43
Early Bird @41isyoichi

特に、簡潔さを尊ぶ諺・格言・名言で重用される。次の例で、2つの節の緊密度はかなり高いと言える。 👉Speech is silver, silence is gold. (雄弁は銀、沈黙は金) 👉Life is short, art is long. (人生は短く、芸術は長し)

2020-02-10 17:33:44
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 盲点かも⚠️ UED によると、and には "opposite" という語源的意味があり From the sense of opposing something else to what has been said comes finally the sense of addition,.... とされている。よって、and = but となるのは opposition の意味の強い場合だと言うことができる。

2020-02-10 17:56:00
Early Bird @41isyoichi

opposition の意味の強い場合、and = but となるときは、よく and yet, and now, and no doubt, and with reason などと続くことがある。

2020-02-10 17:56:00
Early Bird @41isyoichi

「見る」を see で表すと、何かが意識せず自然と目に入ることを意味する。静止した何かを意識して見ることを表したいなら look at を用いる。次はお気に入りの例文😊 👉 I looked outside and saw Jane with her dog.(外を見たら、ジェーンと彼女の犬が見えた)

2020-02-10 18:26:29
Early Bird @41isyoichi

小発見。話の内容が理解できないとき、日本語では「話が見えない」と言う。英語には I see. という言い方がある。いずれも「見る」即ち「わかる」ということであり、視覚が精神活動に直結している例と言えそうだ。興味深いと思った😳

2020-02-10 18:35:19
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] (1)"I can swim." ー "I can swim, too." (2)"I can't swim." ー "I can't swim, either." 何れの応答も「僕もだ」の意だが、(1)のように肯定文に続き「~もまた…だ」と言う場合は too を使うに対し、(2)のように否定文に続き「~もまた…でない」と言う場合は either を使う⚠️

2020-02-10 19:05:39
Early Bird @41isyoichi

この "not ... either" は「(前の文の内容とまったく同様に) ~もまた…でない」の意だから、意味的につじつまが合っていないといけない。例えば、 👉 Won't you come, too?(君も来ませんか) などでは、形は否定文でも意味は勧誘だから too を使う⚠️

2020-02-10 19:05:39
Early Bird @41isyoichi

[THREAD] oyster を用いた熟語に as close as an oyster がある。silent and uncommunicative の意を表す。 👉He has remained as close as an oyster on this matter: we'll probably never know what really happened. 👉She will never repeat what you tell her. She is as close as an oyster.

2020-02-10 19:22:14
Early Bird @41isyoichi

以上、Roy Fuller 氏の Animal Idioms (Presses universitaires du Mirail, 2000, p.116) を基に記した。(Animal Idioms は英題。) なお、口を閉ざしてものを言わないことを日本語でも「貝のようになる」と言う。貝は堅い殻を閉じるとなかなか開かないことに喩えた表現だろう。日英の類似も興味深い😳

2020-02-10 19:22:14
Early Bird @41isyoichi

以前、言語学者の金田一秀穂氏がある雑誌で述べていらした。巧みな比喩だと思う😳 「人が世の中のものを見て言葉にする場合、語彙はデジタルカメラの画素数と考えればいい。同じ風景を撮影する場合、200万画素よりも500万画素のデジカメの方が、より正確に、より美しく表現できます。」→

2020-02-10 21:51:31
Early Bird @41isyoichi

→「語彙もそれと全く同じです。1万の語彙よりも3万の語彙を持っている方が、はるかに精密に、正確に言わんとすることを伝えられます。」 日経ビジネスアソシエ 2007年9月4日号

2020-02-10 21:51:31
Early Bird @41isyoichi

いい御本が広く手に取られることは大切なことです。乾杯🎉 pic.twitter.com/sIN7sfmzz1

2020-02-10 23:10:06
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Early Bird @41isyoichi

[THREAD] 寺澤芳雄 編『英語語源辞典(縮刷版)』(研究社、1999年、pp.1006-7) によると、other は「二者のうち一方の;残りの;第二の、二番目の」が原義で、現在では、この原義は every other day( 一日おき;二日に一回)という句の中に化石的に残っている。

2020-02-10 23:51:56
Early Bird @41isyoichi

河合茂『英文法概論 復刻版』(明倫出版、1988年、p.301) によると、the other day という句も元は the second day, the next day の意に用いられていたのだが、これが the previous day, yesterday の意となり、ついで a day or two ago, a short time ago の意となったという。

2020-02-10 23:51:57