「『風立ちぬ』は右翼の洗脳映画だった?」という呟きから、@t15_05_07_15000さんの零戦と大戦機の防弾装備の小話

宮崎駿監督も、左翼扱いされたり右翼よばりされたり大変だ。
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waaldpeace5 @waaldpeace5

右翼の洗脳映画『風立ちぬ』ーー美しい夢だから許されるという異常なゼロ戦論理。防御を無視した最悪の非人道的戦闘機がゼロ戦です。ヒロインが美しさの象徴ーー美しければいいという異常な論理を狡猾に援護しています。 これは最悪最低の洗脳映画です。女性も洗脳されそうな右翼の洗脳映画。

2020-03-11 07:32:31
高村駿明 @tounan_hokushin

零戦と同世代のF4F、P-40、ハリケーン、スピットファイア、Me109だって最初は防弾なんてないし、零戦だって52型以降では防弾あるんだけど。F4Fに防弾つけたら鈍重になり、零戦の運動性に対抗できないからと、現場で防弾外した例もありますが何か。あと宮崎駿監督は左翼だぞ。 twitter.com/waaldpeace5/st…

2020-03-11 17:24:14
高村駿明 @tounan_hokushin

防弾は重くなるので、エンジン出力で劣る日本軍で「防弾充実」をやると、敵戦闘機より鈍重になって「弾を全然避けられないから、結局撃墜される」殺人戦闘機になるか、燃料搭載量が少ない「使いにくい戦闘機」(陸軍はこっち)になる。大陸で戦う陸軍はそれでもいいけど、零戦は海軍機ですので……。

2020-03-11 17:28:54
高村駿明 @tounan_hokushin

一式戦闘機一型と零戦二一型を比較すると、実は一式戦の燃料搭載量は964リットルで、零戦の855リットルより上。これは一式戦が落下増槽を主翼下に2つ装備できたのに対して、零戦は胴体下に一つだったから。つまり20mm翼内機銃を諦めれば、防弾できたかもしれないけど、それはそれで役立たずだろうしね

2020-03-11 18:14:06
高村駿明 @tounan_hokushin

7.7mm機銃向けの軽い防弾があった一式戦闘機の自重が1625.5キロ。発動機を強化してタンクを対12.7mm防弾にした二型は1863キロ。操縦席背面にも防弾鋼板を付けると1935キロとなった。武装も強化したとはいえ、19%も重くなっている。なお、一式戦は機体強度が弱く、一型の急降下制限速度は550キロだ。

2020-03-11 18:24:25
高村駿明 @tounan_hokushin

零戦は最初の一一型は一式戦一型に近い1671キロだが、機体強度に問題があり、大量に作られた二一型で1754キロに増えている。発動機強化型の三二型で1807キロ、航続力を上げた二二型で1863キロ、排気管を推力式にして、翼内燃料タンクに自動消火装置を装備した五二型が1876キロと、どんどん増える。

2020-03-11 18:29:48
高村駿明 @tounan_hokushin

零戦二一型の急降下制限速度は629.7キロ。翼端を切った三二型で666.7キロに増え、二二型で元に戻る。五二型甲では外板増厚で740.8キロとなり、米軍機と大差ない数字になるが、自重が1894キロに増える。

2020-03-11 18:36:25
高村駿明 @tounan_hokushin

五二型丙では前面風防が45mm、座席後部に55mm防弾ガラスを装備し、さらに座席後部に8mm防弾鋼板を装備した上に、7.7mm機銃1、13.2mm機銃1を、13.2mm機銃3に強化した結果、自重は1970キロに増えてしまう。一一型と比較するなら、やはり19%の増加である。

2020-03-11 18:39:31
高村駿明 @tounan_hokushin

ちなみに一式戦闘機二型では8+8の合計16mm防弾鋼板(重さ60キロ)なので、零戦五二型丙の倍ではある。P38に撃たれた池田軍曹によると「1枚目は吹っ飛んで、2枚目は割れた」そうなので、零戦五二型丙の8mm防弾鋼板にどの程度、防御効果があったのかは疑問なしとはしない。

2020-03-11 18:49:12
高村駿明 @tounan_hokushin

防御が強いとされる米軍機だと、P51の背面防弾鋼板が5mm~7mm、F6Fだと12.7mm、F4Uの防弾ガラスは38mmとのことで、同世代機である四式戦闘機の13mm、40~70㎜の防弾ガラスは別に劣るわけではない。7.7mmや1.2mmはともかく、20mmが当たれば、米軍機でも普通に落ちただろう。

2020-03-11 18:55:24
高村駿明 @tounan_hokushin

@muhonnocream 日本も同じように「防弾なんて付けると重くなる」と部隊で外したケースは結構ありますね。逆に言えば、日本軍機も防弾が付いていた(特に陸軍)ということなのですが。

2020-03-11 18:58:03
高村駿明 @tounan_hokushin

結論として、零戦は「12.7mmを付けろ(13.2mmを付けました)」「運動性が強み(横ロール性能を改善しました)」「急降下する敵を追いたい(制限速度を改善しました)」「防弾欲しい(付けました)」と真っ当な進化をしているんだよね。栄三一型が間に合えば、性能的にはF6Fともそこそこ戦えたと思う

2020-03-11 19:03:04
高村駿明 @tounan_hokushin

零戦六三型は最高速度580キロ、急降下制限速度740.8キロ、武装20mm2、13.2mm×3。F6F-3は最高速度599キロ、急降下制限速度769キロ、武装12.7mm×6と大差ない。F6F-5だと厳しいが、これは仕方ないだろう。

2020-03-11 19:14:27
高村駿明 @tounan_hokushin

ただ、1130馬力を1300馬力にするだけでそこまで性能が向上するなら、誉を積んで機体強度も増せば、防弾する余裕も生まれて、普通にF6Fと戦えたんじゃないだろうか。零戦より機体強度の弱い一式戦でも、キ43-IVでは誉(というかハ45)を積む予定だったのだから、換装が不可能とは思えないけど。

2020-03-11 19:18:30
高村駿明 @tounan_hokushin

一式戦は同時期の零戦に対して「防御が強い」という利点はあるのだけど、代償として「零戦より遅い」「零戦より武装が弱い」「零戦より急降下速度制限速度が悪い」というデメリットがある。速度、武装、制限速度の全てが零戦でも問題視されていたのだから、防弾があるだけで一式戦が優位にはならない。

2020-03-11 19:29:16
☆艦本式★ @kanhonsiki

今『風立ちぬ』に出てくる零戦が非人道的とかで荒れてるけど、『風立ちぬ』って九六式艦上戦闘機がメイン(なお試作機)で、零戦って少ししか登場してないのよね。 まぁ確かに、防弾面はほぼ皆無かもしれんが、どうして装甲の無い零戦二一型が大戦初期で米軍相手に暴れ回る事が出来たかを考えようか twitter.com/waaldpeace5/st…

2020-03-11 20:39:56
高村駿明 @tounan_hokushin

@waaldpeace5 防弾のない初期零戦に防弾を設けて鈍重にすると、敵の攻撃を回避できず、速度優位もなくなります。「最初の一撃にわずかに耐え、後は逃げられずに撃墜されるまで撃たれる的」ですね。貴方は結果論で「エンジン出力で劣るのに装甲を設けて搭乗員を閉じ込めた日本軍の非道」と真逆の批判をしたでしょうね

2020-03-11 21:47:38
美息@イビキ @kussaiyatu

誰でも扱えない戦闘機 ⇒ 零戦 誰でも扱える戦闘機 ⇒ F6F 乗り手を選ぶ戦闘機は、『非人道兵器』と言われても仕方あるまい。 隼も同時期戦闘機だけど、同じだわな。 『腕でカバー』なんざ、新米殺しもいいところ。 ベテランを製造できない時点で欠陥兵器だぜ。 twitter.com/kanhonsiki/sta…

2020-03-11 22:24:19
高村駿明 @tounan_hokushin

零戦一一型の主翼強度を増したことで、最高速度が509.3→533.4キロに増大化し、主翼の幅を12→11mにしたら、急降下制限速度が629.7→666.7キロに増大し、主翼外板を0.2mm分厚くしたら、急降下制限速度が666.7キロ→740.8キロに増大化した。最初からもう少し主翼を強く作れたならなぁ。

2020-03-12 01:15:05
高村駿明 @tounan_hokushin

零戦の主翼面積は22.44㎡→21.3㎡(五二型以降)。紫電/紫電改は23.5㎡なので、零戦より大きな翼である。一式戦闘機は22㎡、疾風は21㎡、烈風は30.86㎡。F4Fは24.15㎡、F4Uは29.17㎡、F6Fは31.03㎡。烈風はちょっと大きすぎるけど、それでもあの速度なのだから、空力設計は大したものである。

2020-03-12 01:25:09
高村駿明 @tounan_hokushin

1941年3月19日「試製機空技廠性能推算」では、最高速度638.9キロ、航続力2315キロ、主翼面積24.8㎡、翼面荷重125kg/m2、武装20mm×2、13.2mm×2という要目の艦上戦闘機が示されている。現実の烈風は三菱が多忙のため、1942年4月から十七試艦上戦闘機開発が始まるけど、空技廠がこれを開発していたらなぁ

2020-03-12 01:38:23
高村駿明 @tounan_hokushin

銀河が1940年12月開発開始→1942年6月初飛行→1943年8月生産開始なので、この十六試艦戦が同じなら1942年9月初飛行→1943年11月に生産開始されたはず。紫電の試作機は1942年12月に完成したが、この十六試艦戦が初飛行しているなら、紫電も烈風も作られなかったかもしれない。

2020-03-12 01:47:08
高村駿明 @tounan_hokushin

誉に運転制限があるとはいえ、紫電改と同じ低翼単葉スタイルだから、紫電ほどの問題はなく、主翼面積から見ても「最初から紫電改」のような機体だっただろう。1943年末に「この烈風」が実戦投入されても、結果は一緒だろうけど、F6Fとは対等に戦えたのではないか。

2020-03-12 01:50:26
高村駿明 @tounan_hokushin

そもそも十三試作艦上爆撃機を空技廠が作る必要はなく、愛知航空機でもよかっただろう(愛知が作っていれば、もう少し普通の機体となり、九九艦爆を置き換える適切な機体となったのではないか)。もしくは銀河をやらなければ、こちらができたのではないかと思う。

2020-03-12 01:54:19
高村駿明 @tounan_hokushin

同時期戦闘機という言葉が出るのに、零戦がなぜかF6Fと比較されている件について。零戦や隼を叩くなら「扱いやすさ」の部分じゃないだろうに。扱いにくい飛行機は「零式練習用戦闘機」として500機も作られない(F6Fに練習機型はない)。元海自のミリオタを名乗るなら、その辺りは厳密にやって欲しい所 twitter.com/kussaiyatu/sta…

2020-03-12 19:13:13