細々と続けてきたtwitterだけど、最近フォロワーさんが増えてきたし、ちょうど3/11から3カ月でもあるので、夜あたりに連投してみようかと思います。「災害時の医療情報システムについて、医療救護班員が考えてみた」って感じで。
2011-06-11 15:18:41何か突発的にヒマができたので、連投開始します。情報保安の関係からtwitterにはあまり書かなかったけど、実は4月上旬に気仙沼、5月初頭に陸前高田で活動してました。主に医療救護班のロジスティクス担当として。今回のツイートはその辺を土台に考えてみます
2011-06-11 17:14:49今回の医療救護活動は、下っ端から見た範囲では、ほぼ円滑に進んでいた。医薬品の補給も迅速だったし。しかしC4Iオタクからすると、情報化・NCO化により、さらに改善できたのではないかと思う。
2011-06-11 17:15:15実際に接した範囲での問題点は3点。#1 医療救護班内での情報化がほぼ皆無だったこと #2 医療救護班同士で患者情報が共有されていなかったこと #3 医療救護班と地域自治体との連絡が希薄だったこと
2011-06-11 17:16:02この結果、避難所を移動した方の診療記録が引き継がれない・再診の方の前回記録の参照に手間取るなどの不都合があったし、頻繁に受診する方の情報は、ある程度、避難所や行政側も把握しておいても良かったと思う
2011-06-11 17:16:45陸前高田の日赤救護所など、最大で受診者数が100名/日、設置以来のべ1000名が受診していたが、紙カルテで管理していたため、医療事務が大変そうだった。ちなみに医療設備は、エコーやECGは勿論、血液検査キットや単純X線も常設、CT搭載の車両も巡回にくるという充実っぷり
2011-06-11 17:17:40また、各避難所について行政側の把握が不十分だったため、救護班がライフラインの復旧状況や給養状態などを調査して報告するという状況も発生していた。その分、本来の診療業務に裂ける時間は減る
2011-06-11 17:19:01そこで妄想したのが『避難所管理システム』。要するに、避難所など被災地域について共通状況図(CTPとCOP)を生成したら、いろいろスムーズに行くのではないかと([[共通状況図]] - http://ow.ly/5fnI8)
2011-06-11 17:19:20通信基盤としては、避難所間は衛星通信(可搬式 WideStarと固定式 IPSTAR)、避難所内は802.11sを使用。電力・通信インフラの復旧とともに、前者はFOMA、後者は802.11b/g/nという一般的方式で代替
2011-06-11 17:20:12端末はPDA型とラップトップ型、指揮所用の大画面型。アーキテキチャはARMのAndroidとx86のWindowsで。電力供給が不安定な初期の段階でも、低消費電力のPDAなら使えるはず
2011-06-11 17:20:34構成は、人事・保健・補給・施設の4システムによるFamily of Systems。保健管理システムには電子カルテ機能と医薬品管理機能を含むものとする。ちなみにこの「施設」は「陸自施設科」的意味である
2011-06-11 17:21:14要素要素は、今回震災への対処でも実現してるけど、事前にシステムを構成して、規格を統一しておかないと、相互運用性の観点で問題が大きい。情報共有の権限設定も協議が必要だろうし。ちなみに災害時用カルテの規格は各隊でバラバラでした(ある意味当然)
2011-06-11 17:21:29医療分野についていえば、初動のDMATの段階では現場も混乱してるから、紙管理になるのはしょうがないのかもしれない。ただ、DMATから医療救護班に引き継がれる段階で、情報化の導入が望ましいと思った次第
2011-06-11 17:21:46要するに、紙媒体管理(超急性期)→802.11sでLAN構築、避難所内で情報化(急性期)→LAN同士を接続してWAN構築(慢性期)と、段階的に情報化を進めよう、ということです。以上、下っ端医療救護班員(元)の妄想でした。
2011-06-11 17:22:05@Panda_51 相当に愚問とは思いますが、現場にその手のリテラシーのない人と言うか、紙媒体でないとダメという人は居ないものでしょうか。
2011-06-11 17:35:02@az_val 少なくとも医療現場では電子カルテが普及しているのと、特に救急の先生方ってそういうのが大好きな人が多いので、少なくとも医療分野は大丈夫かなと。あと、各班が個々にExcelやAccess、Filemakerなどで電子化する試みはやってました
2011-06-11 17:38:00@Panda_51 なるほどなるほど。共通状況図という概念を始めて知りました。やっぱり、状況が図に落ちてリアルタイムで更新されるというのは凄いことですね。
2011-06-11 19:07:35@pnagashi 情報化によって、地域医療機関への引き継ぎもスムーズにできると思います。対応した端末を設置すれば、情報共有に参加できるわけですから。ちなみに現状、見聞した範囲では、申し送り的なことは一切行なわれておりませんでした
2011-06-11 21:26:05@Panda_51 電子カルテは、統一規格が決まってないので、各医療機関ごとにてんでばらばらなんですよ。それをまず統一して、各システムが互換性を持たせないといけないから、大変かな~と。まぁ、亜急性期の医療支援限定なら導入可能かなと。申し送りなしでしたかorz
2011-06-11 21:37:57@pnagashi というよりは、現地医療機関に行けるようになった人は、こちらに連絡せずにそちらに行ってしまうわけですよね。「一言断ってください」というと営業妨害と取られそうな感じなので、「ご自由にどうぞ」としか言えませんでした
2011-06-11 21:40:45@pnagashi そんなわけで、基本的には、各医療機関の電子カルテとは独立したシステムとして考えております。理想論としては、災害用カルテから電子カルテへのデータ以降もサポートしたいところですが
2011-06-11 21:44:27@pnagashi そうなんです。ですのでむしろ、システムに加入した端末を地元医院さんに配備すれば、医療救護班の診療状況をニアリアルタイムで把握できますから、被災者の方が急に来院されても、それまでの診療状況が把握できるわけですから、現状より引継の状態は改善するかと
2011-06-11 21:53:52