『おジャ魔女どれみ』全51話感想

よどるふ💫🐚🚓🐾 @yodorufu

『おジャ魔女どれみ』1話：リアルタイム放送時以来、20年以上ぶりに観返したが、どれみに魔女だとバレるときのマジョリカの動揺っぷりは覚えているものだなあ。どれみとぽっぷの関係性、春風家、関先生とクラスメイトたち、マジョリカとララのコンビ、この時点でもうキャラクターが確立されている。

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『おジャ魔女どれみ』1話：魔女だと見破られた場合の罰から始まり、魔女見習いへの“お着替え”の制限時間と魔法の呪文、使える魔法にも限りがあることが説明され、怪我や病気を治す魔法は禁忌とされる。説明的なシーンをテンポよく捌く手付きはさすがとしか言いようがない。

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『おジャ魔女どれみ』2話：魔法でどれみとはづきが入れ替わる話。ただ単にテンポ感が良いというだけでなく、どれみに彼氏を紹介しようとするぽっぷや、どれみ（inはづき）に「ぽっぷちゃん」呼びされたときの表情の崩し方など、とにかく全方位的に隙がなく、コメディとして恐ろしいほどの完成度。

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『おジャ魔女どれみ』2話：まだ2話なので、「普段の春風家」は全く描かれていないも同然なのだけれど、どれみ（inはづき）の振る舞いに対するぽっぷやどれみの母のリアクションだけで、その「普段の春風家」の実情を浮かび上がらせるというメチャクチャ高度なテクニックをさらりと入れ込んでいる。

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『おジャ魔女どれみ』3話：あいこ初登場。主要人物はもちろんのこと、脇役であるどれみのクラスメートたちもキャラの立った人物揃いで、今回はお笑いSOSトリオにスポットが当たっていた。あいこが持ち前の明るさであっという間にクラスに溶け込む描写と、あいこの家庭事情が1話の内に説明される。

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『おジャ魔女どれみ』3話：改めて見返すと、序盤からしっかりと家庭環境の描写を入れ込んでいるのが分かる。特にあいこの家庭事情は、本シリーズにおける人間ドラマの柱のひとつでもあるので、これが長い道のりの最初の一歩になるのだなと思うと感慨深い。

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『おジャ魔女どれみ』4話：はづきとあいこも魔女見習いになり、MAHO堂の新装開店準備をする回。魔法を使うには魔法玉が必要→魔法玉は魔女界で購入できる→購入のための資金が必要→魔法グッズを売って資金を調達。1年間のシリーズを構成するための枠組みのひとつ「雑貨屋経営」の準備が整った。

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『おジャ魔女どれみ』4話：初めて使う魔法で才能の片鱗を見せるはづきや、空飛ぶほうきを恫喝して乗りこなすあいこなど、それぞれの個性が感じられる描写が上手い。来たるべき9級試験の話も出て、お付きの妖精に想像が膨らむ。やっぱりララって「セクシーなお姉さん」なキャラデザだよなと改めて。

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『おジャ魔女どれみ』5話：お店の新装開店には初期投資がつきもの。ということで、歌う問屋魔女デラが初登場。レジスターを購入する。「支払いはまだ先」とか「支払いは月末」など、会話のディテールひとつ取ってみても抜群に面白い。魔法を使う者の“思いの強さ”が強調された回でもあった。

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『おジャ魔女どれみ』6話：クラス1のホラ吹き、信子ちゃん登場。クラスに馴染みはしたが、クラスメイト全員の人となりまでは知らないあいこをメインに置き、「ついてはいけないウソ」をついてしまった信子との関係性を描く。「ケンカの仲直りの仕方」にいい加減さがまったくないのが良い。

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『おジャ魔女どれみ』7話：魔女見習いの9級試験のため魔法の練習はしなければならないが、残りの魔法玉は少ないという状況の中、ぽっぷのはじめてのおつかいを魔法で手助けすることになったどれみ。この状況設定だけで、もう面白さは保証されたようなもの。試験官魔女のモタとモタモタも初登場する。

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『おジャ魔女どれみ』7話：ぽっぷがどれみの顔を掃除機で吸い込む絵の動き自体が面白いシーンがあり、ぽっぷを見失ったどれみが全力疾走で追いかけ、その後ろではづきとあいこが遠ざかっていく工夫が感じられる面白い絵もある。9級試験会場の「え？ ここでやるの？」な部分もいま見ると味わい深い。

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『おジャ魔女どれみ』8話：どれみの魔女見習い9級試験追試回。追試試験の情報料と魔法玉代が未払金に計上され、いよいよ経済的にも後がない状況に追い込まれる。魔法グッズの材料代も払わないといけないだろうし、どれみが一人前の魔女にならなければ元の姿に戻れないマジョリカの心労が察せられる。

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『おジャ魔女どれみ』8話：魔女界の深い話はシリーズを通して描かれていくところだが、初めはどれみたちのグルメ店（ラーメン屋、たこ焼き屋、ケーキ屋）めぐりという卑近なところからだったかと新鮮な気持ちで見られた。ほうきで出来た森や走る薬草などの“魔女界っぽさ”が感じられる部分もある。

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『おジャ魔女どれみ』9話：おジャ魔女3人によるマジカルステージ初披露回。「強力な魔法を使うと魔法玉の消費も激しい」というのは、なんともツボを突かれる設定。妖精ドドの振る舞いに怒りをぶつけてしまったどれみに対するマジョリカの厳しい教えと、ララの優しく諭すような教えのバランスが良い。

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『おジャ魔女どれみ』9話：のちにハナちゃんが出てくることを承知で見返すと「赤ちゃんのお世話」要素はこの時点ですでに出ていたことになる。ここでのどれみとドドの関係性は、後のエピソードで描かれるどれみとぽっぷの関係性、どれみとハナちゃんとの関係性の先駆けにもなっているように思う。

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『おジャ魔女どれみ』10話：どれみたちがMAHO堂で働いていることがクラスメイトと先生にバレてしまう、シリーズを通して最も印象に残っているエピソードのひとつ。これは「小学生が物を売っているお店を手伝うことを親と先生に認めてもらう展開が必要だ」と判断した製作陣が凄いのだと思う。

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『おジャ魔女どれみ』10話：おジャ魔女としての話だけならスルーできる部分だけれども、どれみたちがおジャ魔女であると同時に小学生でもあるからこその展開。そしてこの展開があるからこそ、『おジャ魔女どれみ』なんだよなと思う。クラスの担任、関先生がキーパーソンとなるエピソードでもある。

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『おジャ魔女どれみ』11話：毎朝早起きしてクラス全員の机を拭いて教壇に花を飾っているクラスメイトまりなにスポットが当たる回。前話に引き続き関先生（女性）のイケメンぶりが凄い。授業中にこっそりと囁き声で褒めるものだから、女の子でも頬を染めるというものである。

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『おジャ魔女どれみ』11話：まりなと木村の仲違いと関係の修復の話でもあるが、そちらもよりも注目したいのが、まりなとはづきに共通した「親に言われて嫌々やり始めたことが、心から好きになっていく」というテーマ。「“言いなり”というきっかけを否定しないこと」の大事さを扱ったエピソード。

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『おジャ魔女どれみ』12話：恒例のOP前のハイライトでの“強調”のアニメーションが単純ながら意表を突かれた。本編では、人の“想い”が文字通り秤にかけられ、その重さと同じの“重さ"の魔法玉と交換できるという設定が明かされる。これぞファンタジー世界おける“経済”。楽しい。

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『おジャ魔女どれみ』13話。魔女見習い8級試験回。「落ちた」「滑った」のつるべ打ちと、どれみのリアクションが織りなすテンポの快楽。落ち込むどれみにゆき先生のアドバイスが染みる。この8級試験の内容は今でも印象に残っていて、あいの策士ぶりが垣間見える。まんじゅう怖い。

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『おジャ魔女どれみ』13話：魔女界で試験を受けていたどれみたちの元に現れた魔女界の女王様は、どれみたちに慈悲を与える。世界を支配するルールの厳格さを提示してきたこの作品が、ここで「女王様の裁量」という要素を加えてきたのだ。後々のエピソードにもこの“裁量”が重要になってくる。

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『おジャ魔女どれみ』14話：クラスで背の高い奥山さんとSOSトリオ（主に佐川くん）の因縁の話。どれみもはづきもあいこも、人を傷つける物言いにはちゃんと怒って意見できる人なんだよね。当然のことなんだけれど、そこに変にキャラクターとしての差をつけてしまうのは良くないから。

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『おジャ魔女どれみ』14話：誠実さを見せたとはいえ、暴言を吐いたキャラクターを「自分の言動のどこ問題があったのかが分からない」状態のままにしておくのも、今回マジカルステージでかけた魔法の効果がいまひとつ判然としない感じも、“なんのなく割り切れない”領域を描こうとする気概は感じる。