茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2492回「新型コロナウイルスの流行は、人類のグローバル化の通過儀礼かもしれない」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２４９２回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

世界はスモールワールド・ネットワークになっていて、象徴的に言えば「６人の友人」を介すれば誰とでもつながっている。スタンレー・ミルグラムの有名な実験で、アメリカのある都市のAさんから別の都市のBさんに手紙を送るとき、だいたい６人くらいを介すれば届くという経験則が見つかった。

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スモールワールド・ネットワークは、規則性のある結合とランダムな結合が共存している時に出現する。脳の神経回路のシナプス結合もスモールワールド・ネットワークで、数個のシナプスを介すれば、任意の神経細胞から任意の神経細胞に到達することができる。それが脳の統合を支える。

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経済のグローバル化によって、世界は緊密に結びつくようになり、人から人への影響が瞬時に伝わることになった。それは地球村の一体化した機能のためには良きことのはずだったが、今回のコロナウイルスの蔓延で、スモールワールド・ネットワークの暗黒面がはからずも明らかになってしまった。

茂木健一郎 @kenichiromogi

人やモノ、情報のスモールワールド・ネットワークを通して地球上で行き交う時代は、経済成長や文化の進化という意味で望ましい状況だと開明的に考えていたところに、新型コロナウイルスの流行で思わぬ脆弱性があることが明らかになった。この事態は、終息したとしても、人類の精神性に影響を与え続ける

茂木健一郎 @kenichiromogi

スモールワールド・ネットワークの脆弱性が明らかになったからと言って、世界がもとに戻るとは思えない。人類は、今回の事態でグローバル化が内包する思わぬリスクを自覚しつつ、相互依存を深める方向に進んでいくことだろう。リスクを自覚しないでいるよりは、自覚した方がより高度な振る舞いができる

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経済や文化のグローバル化というモメンタムは変化しないにせよ、この時期に新型コロナウイルスが世界的な流行を見せたということは、人類が次のステージに行く強靭化のプロセスにおいて、必要な「通過儀礼」だと思って、粛々と通り抜けるしかないだろう。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート２４９２回「新型コロナウイルスの流行は、人類のグローバル化の通過儀礼かもしれない」をテーマに６つのツイートをお届けしました。