ダンテ『神曲 地獄篇』一人読書会(2020年3月14日〜3月19日)

どうにも元気が出ない。でも元気になれるような状況でもないから、元気がないことを受け入れて馴染んでいこう。(独り言です。)
2020-03-15 15:20:06
原先生の訳でダンテ『神曲』地獄編から読み始めた。原爆文学研究の文脈で、寿岳文章訳『神曲』は読んでいるのだけれど、今回は憂鬱な春を過ごすために、ゆっくり、これで何かを書こうとか考えず、読もうと思う。
2020-03-14 16:46:39
初めてダンテを読まなくちゃと思ったのは、たぶん、島田雅彦&浅田彰『天使が通る』を読んだとき。いや、もっと前かな…。kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-97841…
2020-03-14 18:00:33
ダンテ『神曲』地獄編の冒頭、今の落ち込んだ、不安な気分の私の心に染みてくるかも。 Nel mezzo del cammin di nostra vita mi ritrovai per una selva oscura ché la diritta via era smarrita.
2020-03-15 15:27:20
我らの人生を半ばまで歩んだ時 目が覚めると暗い森の中をさまよっている自分に気づいた。 まっすぐに続く道はどこにも見えなくなっていた。
2020-03-15 15:32:51
Ah quanto a dir qual era è cosa dura esta selva selvaggia e aspra e forte che nel pensier rinova la paura!
2020-03-15 15:29:23
ああ、その有様を伝えるのはあまりに難しい。 深く鬱蒼として引き返すこともできぬ、 思い起こすだけで恐怖が再び戻ってくるこの森は。
2020-03-15 15:34:27
Tant’è amara che poco è piú morte; ma per trattar del ben ch’io vi trovai, dirò dell’altre cose ch’i’ v’ho scorte.
2020-03-15 15:29:50
死にまるで変わらぬほど苦しいのだ、 しかしその中で見つけた善を伝えるために、 目の当たりにしたすべてを語ろう。 (原基晶訳、『神曲 地獄篇』講談社学術文庫、2014年)。Kindle版より引用。
2020-03-15 15:38:55
第四歌120、「あの方々を目撃したことを誇って今でも私は歓喜する」→「今」の時点から語られているという、第一歌冒頭での提示を思い出す。
2020-03-14 16:59:47
第四歌、『デカメロン』でも出てくるおなじみサラディーン、この人の表象についての研究、読むべきものを探しておこう。
2020-03-14 17:09:16
第五歌34、「かの崩落の跡の前をあの者どもが通り過ぎるたび」→注5、昇天するキリストが地獄を訪れた際に大地震が起こって地獄の障壁が崩落したという説によるとのこと。(イギリス文学と地震について、昔何か文章を読んだっけ…?)
2020-03-14 17:17:01
第六歌注5、永遠に続く地獄の背景は現在形、一回だけの出来事は過去形で表現されているとの説明…。詩はなあ、…ペトロッキの校訂版、欲しくなってきた。
2020-03-14 17:30:18
Urlar li fa la pioggia come cani: volgonsi spesso i miseri profani. Quando ci scorse Cerbero, il gran vermo, le bocche aperse e mostrocci le sanne; non avea membro che tenesse fermo. 現在形と過去形の話はケルベロスについての描写のここか。
2020-03-14 17:43:33
第八歌61-63。 Tutti gridavano: «A Filippo Argenti!»; e ’l fiorentino spirito bizzarro in se medesmo si volvea co’ denti. 全員が叫んでいた。「フィリッポ・アルジェンティをぶちのめせ」 激高したフィレンツェの魂は 己の体を己の歯で食いちぎっていた。 medesmoって英語だとなんだろう?
2020-03-14 18:30:50
第10話32、ファリナータ登場。その直前に声が聞こえてくる。 «O Tosco che per la città del foco vivo ten vai cosí parlando onesto, piacciati di restare in questo loco. La tua loquela ti fa manifesto di quella nobil patria natio alla qual forse fui troppo molesto».
2020-03-15 09:02:52
第10話67-69。 Di subito drizzato gridò: «Come dicesti? elli ebbe? non viv’elli ancora? non fiere li occhi suoi il dolce lome?» 「なんと言った。なかったと。あいつはもう生きていないのか」という人間らしい感情の表現云々→アウエルバッハをあとで読み直す。
2020-03-15 09:14:42
第11歌57ー60。 onde nel cerchio secondo s’annida ipocrisia, lusinghe e chi affattura, falsità, ladroneccio e simonia, ruffian, baratti e simile lordura. 二番目の圏に巣食うものたち。偽善ipocrisiaから羅列。こういう悪徳を表す言葉は結構わかるなあ。
2020-03-15 09:35:58
第11歌109-111。「高利貸」批判。 e perché l’usuriere altra via tene, per sé natura e per la sua seguace dispregia, poi ch’in altro pon la spene. 『聖書』(創世記)は、働いて繁栄せよと説くが、高利貸は「別の道」を行く、これがaltra viaか。
2020-03-15 09:53:29
第15歌49ー51。 «Là su di sopra, in la vita serena» rispuos’io lui, «mi smarri’ in una valle, avanti che l’età mia fosse piena. 人生絶好調の時、いきなりとある谷間で道を見失ったのです、とかつての師匠に答えるダンテ先生。実際、いきなり迷ってしまうのだよなあ。
2020-03-15 10:49:09
第1歌1-3。 Nel mezzo del cammin di nostra vita mi ritrovai per una selva oscura ché la diritta via era smarrita. やっぱり道を見失ったのに気がついたのであり、理由は書いていないな。
2020-03-15 10:54:39
第15歌118-120。 Gente vien con la quale esser non deggio: sieti raccomandato il mio Tesoro nel qual io vivo ancora, e piú non cheggio». 人々が向かってくるが奴等とは一緒にいられない、私の本『宝典』を託す、そこに私は生きているvivo ancora、それ以上望まない。ーー学者らしい言葉。
2020-03-15 11:08:12
第22歌64-66。 Lo duca dunque: «Or di’: delli altri rii conosci tu alcun che sia latino sotto la pece?» 導き手はそこで、「さあ話してくれ。瀝青の下にいる 悪人どもの中におまえは誰か イタリア人を知っているか」。 latinoがイタリア人であることの注釈が付いている。
2020-03-15 22:12:52
第27歌まで読んだけれど、あまり引用するとこがない。『デカメロン』は猥雑で突っ込みどころ満載で、引用したい箇所がたくさんあって、むしろ抑制したけど。『神曲』は、寿岳訳で一度、ざっとではあるが読んだからだろうか。オリジナルのテクストは単語がまあまあわかるだけだから精読は出来ないし…。
2020-03-16 11:06:15