WHO Situation Report に記載される新型コロナウイルスに関する症例定義の重要性と、「専門家」と「文系リベラル」の問題(2020.3.22作成)

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asadori_Qly @AsadoriQ

WHO Situation Report 60 (2020年3月19日) ・WhatsAppとFacebookでアラートサービスを開始。まずは英語で他言語にもおいおい。WhatsApp登録は+41 798 931 892に"hi"と。 ・中国が遺伝子配列を共有してから60日で最初のワクチン試行が始まった。 who.int/docs/default-s…

2020-03-22 07:14:30
asadori_Qly @AsadoriQ

WHO Situation Report 61 (2020年3月20日) WHOが症例定義をアップデート。事前と事後を貼る。 重要なのは「蓋然性の高い症例」(probable case)に「『疑い』(suspect case)のうち何らかの理由で検査がなされない場合」が追加されたこと。 pic.twitter.com/hAqTYswxYI

2020-03-22 07:36:33
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asadori_Qly @AsadoriQ

新たな症例定義を含むWHOのグローバルサーベイランス文書はこちらからダウンロードできる。 who.int/publications-d…

2020-03-22 07:38:55
asadori_Qly @AsadoriQ

「蓋然性の高い症例」に「『疑い』(suspect case)のうち何らかの理由で検査がなされない場合」が追加されたのはWHOの「検査、検査、検査」は前提とした上で、検査が追いつかない場合がある・検査体制が整っていない地域でも広がっているからかしら。。。(検査を制限する場合はどうなる?)

2020-03-22 07:43:01
asadori_Qly @AsadoriQ

「我が国」ってやつの厚労省の症例定義はこちらの8ページ目に。 mhlw.go.jp/content/000609…

2020-03-22 07:46:04
asadori_Qly @AsadoriQ

WHOの症例定義は「疑い」(suspect)「高い蓋然性」(probable)「確定」(confirmed)の3段階で、コロナウィルスそのものの検査は「疑い」がある場合になされる。「WHOを参照してきちんと検査を」というときに「むやみに検査せよと主張するのは・・・」といった、一部に見られる発言は不適切。 pic.twitter.com/n5G0nbBBY1

2020-03-22 07:54:53
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asadori_Qly @AsadoriQ

ちなみに厚労省の文書『新型コロナウィルスCOVID-19診断の手引き』でひっかかるのは「症例定義」そのものよりもその下にある「疑い患者の要件と検査の流れ」の特に下の部分(「保健所へ相談」を含む)。 mhlw.go.jp/content/000609…

2020-03-22 07:58:35
asadori_Qly @AsadoriQ

日本の検査体制に批判的な人は必要な検査を体系的にやりましょうと言っている(その参照点としてWHOの基準が一応ある)。古市憲寿氏らの「何でみんな検査を受けたがるのだろう」といった発言は状況認識と問いの定義の段階からそもそも不適切で述部も含めた全体が空疎なものになっている。

2020-03-22 08:06:53
asadori_Qly @AsadoriQ

ただこうした空疎な発言も流通してしまうと困ったことにまともに対策を考えることから意識をそらすという負の作用を持つ。

2020-03-22 08:08:50
asadori_Qly @AsadoriQ

ちなみに古市氏と政治的な見解が異なる文系リベラルの(さほど人気がなくもないかつ少なからぬ)一部は抽象性とだらしなさの区別がつかない内輪向けのうなずき合いを流通させることで古市氏の発言のような空疎さが流通する領域を熱心に支えてきた。

2020-03-22 08:11:05
asadori_Qly @AsadoriQ

[これが本当に気持ち悪いところ。対応する問題は理系の「専門家」については原発事故後に積極的なかたちで露呈したが「文系リベラル」については不在として足を引っ張るかたちで隠されたまま元気にしている。]

2020-03-22 08:14:21
asadori_Qly @AsadoriQ

さて、WHOの症例定義。まず「疑い」(suspect)は以下1-3のいずれかに当てはまる場合。一部省略しているところがある。 1. 急性呼吸器疾患(発熱及び少なくとも一つの呼吸器疾患の兆候/症状)かつ発症から遡る14日のうちに市中感染が報告されている地域に旅行あるいは居住していた患者。

2020-03-22 08:25:59
asadori_Qly @AsadoriQ

2. 急性呼吸器疾患かつ発症から遡る少なくとも14日のうちにCOVID-19確定患者あるいは高い蓋然性の患者と接触(contact)していた患者。(接触(contact)の定義はあとで紹介します。)

2020-03-22 08:29:03
asadori_Qly @AsadoriQ

3. 急性呼吸器疾患(発熱及び少なくとも一つの呼吸器疾患の兆候/症状かつ入院を要する)かつ臨床所見を十分に説明するCOVID-19以外の診断がない場合。 以上が「疑い」(suspect)で、厚労省の文書(しつこくリンク貼ります)の記述はこれに概ね対応している。 mhlw.go.jp/content/000609…

2020-03-22 08:33:04
asadori_Qly @AsadoriQ

WHOのSituation Reportも文書もよく読んで見ると微妙に表現を変更していたり参照表現の同一性が崩れていたりで気持ち悪いことがありますが、それは余談。表現を変えてかつ参照や概念の同一性を保つのは参照や概念が「わかるでしょ」と合意されている場合でなければ極めて高度な記号操作力を要する。

2020-03-22 08:35:21
asadori_Qly @AsadoriQ

接触(contact)の定義。高い蓋然性の感染者あるいは確定感染者(以下双方含め感染者)の症例発現前2日間あるいは発現後14日の間に以下のいずれかの曝露をしたもの。 1. 感染者と1メートル以内の距離で15分より長い時間にわたり直接接したもの。 2. 感染者との直接の接触。

2020-03-22 08:46:27
asadori_Qly @AsadoriQ

3. 個人用保護装置なしで感染者の治療にあたったもの。 4. 個々の地域におけるリスク評価が指定したそれ以外の状況。

2020-03-22 08:48:44
asadori_Qly @AsadoriQ

次に「高い蓋然性」(probable case)は以下のいずれか。今回、2が追加された。日本ではこれはとても多くなる? 1. 「疑い」のうちCOVID-19ウィルスの検査結果が決定的でない場合。 2. 「疑い」のうち何らかの理由で検査がなされなかった場合。 このカテゴリーが「疑い」を前提としていることに注意。

2020-03-22 08:53:02
asadori_Qly @AsadoriQ

最後に「確定」(confirmed case)。 徴候や症状いかんによらず、COVID-19の感染が検査で確認された場合。 % みかんでもいよかんでもない。

2020-03-22 08:55:11

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内田 @uchida_kawasaki

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2020-03-22 09:14:41
内田 @uchida_kawasaki

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2020-03-22 09:15:00
内田 @uchida_kawasaki

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2020-03-22 09:15:16