三重大学・勝川准教授が未成魚の乱獲を嘆く

水産資源管理の専門家である三重大の勝川俊夫准教授が店でヨコワ(マグロの未成魚)がたたき売りのような値段で売られているのを見てツイートされてます。 未成魚の乱獲がどれだけ経済的損失が大きいか・・・ あと、ちょっとストロンチウムにも触れてます。
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勝川 俊雄🐬 @katukawa

未成魚たたき売り。悲しくなるね。http://twitpic.com/5aip0w

2011-06-12 20:13:35
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勝川 俊雄🐬 @katukawa

ヨコワも鮮度が良いと、成熟したマグロにはない旨みがあるらしい。西の漁師や仲買に、ヨコワ好きは多い。資源に余裕がある状態で、ヨコワとしての価値を認めて、大切に食べるなら良いと思う。巻き網で一網打尽にして、量販店の安売り商材にするのは間違えている。

2011-06-12 21:04:45
勝川 俊雄🐬 @katukawa

【問題】5kgのヨコワの浜値は1kg500円。5年後には100kgのマグロになって、1kg5000円。その間の生残率は1/3とする。5kgのヨコワを3尾漁獲する場合と、5年後に100kgのマグロを1本漁業する場合の利益の差を求めよ。

2011-06-12 21:09:39
勝川 俊雄🐬 @katukawa

マグロ一匹(5000×100)-ヨコワ3匹(500×5×3)= 49万2500円が正解です。つまりヨコワを1尾獲ると2500円の現金収入ですが、漁業の長期的利益は16万円も失われます。 @imullia @yottpico

2011-06-13 05:54:33
勝川 俊雄🐬 @katukawa

ヨコワ5kg*3=15kgに対して、クロマグロ100kg*1=100kgですから、大きくしてから漁獲した方が、自然死亡を考慮しても、漁獲量は8倍ぐらいに増えます。クロマグロは35kgぐらいから卵を産み出すので、100kgまで待てば資源の再生産はできます。

2011-06-13 05:59:54
勝川 俊雄🐬 @katukawa

ヨコワの漁獲は、経済的にも、食料的にも、生物の持続性にもマイナスでしかない。クロマグロの大半がヨコワで漁獲されており、100kg以上の個体の漁獲は近年激減している。明らかな乱獲を無規制なまま放置しているのは水産庁の怠慢。

2011-06-13 06:03:10
勝川 俊雄🐬 @katukawa

韓国もヨコワを獲って日本に売っているのだけど、韓国のヨコワの漁獲量は日本の10%程度。水産庁は、韓国のヨコワの取り締まりは声高に要求するのに、自国の乱獲は見て見ぬふり。国を問わず、巻き網による30kg以下のクロマグロの漁獲は厳しく制限すべきだと思う。

2011-06-13 06:15:44
勝川 俊雄🐬 @katukawa

日本はヨコワを毎年5千トンぐらい獲っている。こいつらを大きくして、卵を産ませてから漁獲れば、毎年、4万トンの漁獲になる。ちなみに日本のクロマグロ需要は4万トン。未成魚の乱獲を止めれば、国際的なひんしゅくを買ってまで大西洋クロマグロを輸入しなくても、十分なクロマグロを供給できる。

2011-06-13 06:20:36
勝川 俊雄🐬 @katukawa

自国の資源は、未成魚を一網打尽に乱獲し、地球の反対の資源まで食べ尽くしてしまった。これのどこが「食文化」なんだ。持続性を欠いた消費活動は、文化ではなく乱消費。現在のマグロ消費は、「乱食」と呼ぶのが妥当だろう。

2011-06-13 06:29:50
勝川 俊雄🐬 @katukawa

ヨコワ1尾あたりの話です。 48/3=16 RT @imullia: @katukawa @yottpico (^-^)正解でしたか。けど「長期的には16万円の損失」とは?(5年なら 50万- (2500×5年)= 48万7500円ではない訳ですね? )

2011-06-13 06:30:36
勝川 俊雄🐬 @katukawa

最近急激に増えているのが、メキシコの畜養。10kgぐらいのメジを短期畜養で太らせて、日本に輸出する。 http://bit.ly/jGlHz8

2011-06-13 09:12:45
勝川 俊雄🐬 @katukawa

水産物の検査結果データベースを更新。現在、水産庁のサイトに掲載されている最新データまで検索できるようにしました。 http://katukawa.com/?p=4626

2011-06-13 15:05:27
勝川 俊雄🐬 @katukawa

マグロのことを書いていたら、気が滅入ってきたから、気分転換に放射性ストロンチウムのことでも書くか。

2011-06-13 11:02:43
勝川 俊雄🐬 @katukawa

ストロンチウムSr-90の内部被曝の過去の時系列をグラフに書くとこんな感じになる。一日に0.1Bqぐらいは、今の大人は食べてきたわけだ。この程度の水準なら、Sr-90が原因で、健康被害が続発ということはないだろう。 http://yfrog.com/h0ouxog

2011-06-13 11:12:52
勝川 俊雄🐬 @katukawa

1960年代でも、1Bq/日かそこいらなので、この水準を大きく越えると「昔から食べてきたから大丈夫」というロジックが崩れる。水産物のストロンチウムは、311以降の計測例はないが、今後はデータが、上がってくるはず。

2011-06-13 11:17:20
勝川 俊雄🐬 @katukawa

2003年時点での食品毎のストロンチウムSr-90の濃度はここ。気になる人は、高い値の食品(≒ストロンチウムを取り込みやすい食品)については、情報がそろうまで、産地を選べばよいのでは。 http://bit.ly/klHmBh

2011-06-13 11:48:23
勝川 俊雄🐬 @katukawa

溜まり水の核種分析でも、ストロンチウムの割合はセシウムの1-5%程度なので、ストロンチウムの心配をするより前に、セシウムの汚染で食べられなくなると思う。

2011-06-13 12:15:43
勝川 俊雄🐬 @katukawa

ブログもツイッターも、より安全に食べたい人向けに、情報発信をしています。食べたくない人を説得して、食べてもらうつもりは毛頭ありません。食べたくない人は、食べ無ければ良いだけの話でしょう。

2011-06-13 12:24:09
勝川 俊雄🐬 @katukawa

「食品と放射能」の右側の日常食を選ぶと、過去に平均的な日本人がどれぐらいの内部被曝をしていたかがわかる。 http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food/servlet/food_in

2011-06-13 11:08:51