反=アニメ批評『アニメルカVol.4』」掲載、泉信行「魔法少女アニメの過去と未来------『魔法少女まどか☆マギカ』が描けなかった少女たち」の紹介

第十二回文学フリマ(2011/6/14)頒布「反=アニメ批評『アニメルカVol.4』」掲載、泉信行「魔法少女アニメの過去と未来------『魔法少女まどか☆マギカ』が描けなかった少女たち」がこれまでまどマギ関連で読んだ中でダントツに面白かった論考であったため、まとめとしても紹介したいと思います。 また、まとめ中の「脚本の虚淵玄が直接かかわらない部分から特に童話への言及意図を読み取れる」に関して参考として、 「腐フェミニスト記「【まどか☆マギカ】女の絶望(=魔女)を超えていく少女たち」」を挙げておきます。 http://d.hatena.ne.jp/nagano_haru/20110526 それと余談ですが、一応「まどマギが「何であるか」は自分でもそこそこ考えた」についてはここらへんでも参照して頂けると嬉しいです(僕が)。 続きを読む
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相楽 @sagara1

反=アニメ批評『アニメルカVol.4』はとりあえず目当ての泉信行「魔法少女アニメの過去と未来------『魔法少女まどか☆マギカ』が描けなかった少女たち」だけ読んだ。他はこれから。個人的な感想を言えば、これまでまどマギ関連で読んだ中でダントツに面白かった論考。

2011-06-12 17:53:49
相楽 @sagara1

自身のtogetterでの一連のまどマギ関連まとめ(⇒http://t.co/Gn5P7Ws )も大いに踏まえながら論が進む。そのまとめを読んで面白いと思った人は必読。ただ過去のまとめでもそうであるようにまどマギが「何であるのか」より「何でないのか」という部分が興味深い。

2011-06-12 17:53:57
相楽 @sagara1

※まどマギが「何であるか」は自分でもそこそこ考えたし虚淵玄はじめ関係者インタビュー等も「これでもか」という位にあるので「何でないのか」とそれにより見えて来るものの方が個人的に大変興味深い。特に『ジュエルペットてぃんくる☆』観始めたり別口で『ゲド戦記』読み進めていた所だったので尚更

2011-06-12 17:54:06
相楽 @sagara1

論は「魔法少女の歴史」を(『オトナアニメvol20』の同種の特集などを遥かに上回る周到さと広がり、精度で)海外ドラマ『奥さまは魔女』(66年2月吹き替え放送)に淵源を求めた上でそこから時系列に沿ってテーマや表現、周辺環境等も含めた変化を追いつつ分類を進め……

2011-06-12 17:54:27
相楽 @sagara1

「魔法少女まどか☆マギカ」の位置づけを、冒頭で提示した「参照していた魔法少女の枠組みは「エロゲーにおける魔法少女パロディ」のそれであって、「魔法少女アニメ」のそれではなかった」という結論に落としこむ。

2011-06-12 17:54:48
相楽 @sagara1

またマックス・リューティの研究『昔話の本質と解釈』の「メルヒェンとサガ」の慎重な区別を援用し「昔話と対置された「伝説=サガ」の説明は、まさに『まどか☆マギカ』のスタイルを表しているようだ」とし特に脚本の虚淵玄の志向はサガのそれであるように見える、と指摘する。

2011-06-12 17:54:58
相楽 @sagara1

一方、それに先立つ「劇団イヌカレーによる魔女のアイディアや、エンディングテーマ「Magia」の歌詞など、脚本の虚淵玄が直接かかわらない部分から特に童話への言及意図を読み取れる」というアニメが総合芸術であることを意識したバランス良い指摘も興味深い。

2011-06-12 17:55:08
相楽 @sagara1

そして、対照的に良きメルヒェンの思想で描かれた作品として、また(これもまどマギと異なり)魔法少女の歴史を正当にふまえ受け継ぐものとして「『ジュエルペット てぃんくる☆』が完成させた、ファンタジーとして見事に昇華された魔法少女」を称える。

2011-06-12 17:55:24
相楽 @sagara1

「てぃんくる☆」の(内面の象徴にして)輝く不壊の宝石たるジュエルペット、ジュエルチャーム、ジュエルスターチャーム等と、「まどか☆マギカ」の外部に実体化されることで壊れやすく「時の流れに逆らえない「物質」」「やがて濁りが進んで輝きを失う運命」となる魂≒ソウルジェムの比較も鮮やか。

2011-06-12 17:55:47
相楽 @sagara1

その上で「きせかえカードゲームを企画の拠点とする「コーデ系キッズアニメ」が、魔法少女アニメに進出している現象」を極めて肯定的に未来に繋がる流れと捉え(「『オトナアニメ』Vol.20における魔法少女アニメの特集記事でも完全にとりこぼされていた潮流」と指摘しつつ)、論を締めくくる。

2011-06-12 17:56:10
相楽 @sagara1

以上、ざっくりとしたまとめ。ともあれ「『魔法少女まどか☆マギカ』や魔法少女の歴史といったものに関心がある人は、他の諸々の論より何よりまずはこれを読むと面白いだろう」と思えた。そういう論考。何より原文を読むことを勧めたいところ。

2011-06-12 17:56:53

Togetter後のやり取り

泉信行 @izumino

そうだなあ、魔女も実は「魔女少女(魔少女)」なんであって、「魔法少女→魔女」なんてレトリックを使わずに「聖少女→魔少女」と対置した方が正確なはず……というのも設定的な不親切さのひとつか / 【まどか☆マギカ】女の絶望(=魔女)を超えて… http://htn.to/MCbqQn

2011-06-14 10:47:11
泉信行 @izumino

まぁ魔女が「成熟せずに育った(or 幼形成熟の)大人」のアレゴリーとして読むのも間違ってないので、少女→女でも合ってると思うけど。しかし逆に言えば、どっちも不老不死な時点で「幼形成熟」だよな

2011-06-14 10:50:49
相楽 @sagara1

@izumino 「第二次性徴期の時点での「願いと契約」を根拠に、方向修正不可能かつ相当に速やかな破滅が約束された一本道に叩き込む」のが(後の魔女化も織り込んだ)魔法少女契約と考えると、「成熟」は論外として「幼形成熟そのもの」は勿論、そのアレゴリーとしてもやや微妙なようにも。

2011-06-14 11:03:02
相楽 @sagara1

@izumino そもそも「生物学用語としての「幼形成熟」から連想された人間の精神の「幼形成熟」や、更にそれ以前に「成熟」をどう定義するのか」にもよりますけれども(『裸のサル』あたり等から随分経つけど、その界隈ではどんな風に議論が詰められてきたのだろう?)

2011-06-14 11:03:20
泉信行 @izumino

.@sagara1 「幼形成熟」は言葉のアヤですが、「精神的な成長を止めた存在」と定義すれば、いわゆる「コドモオトナ」を幼形成熟と比喩することはありますね。

2011-06-14 11:07:34
相楽 @sagara1

@izumino 設定上「成長」のみならず「もうあらゆる言葉も影響も届かない」というものらしいのでもっと厄介なものとは思えますが、元々のブログの読み解きに対する注釈としては(それこそ「言葉のアヤ」やわかりやすさ優先の「比喩」として)そこまで詰めなくてもいいような気も自分でします。

2011-06-14 11:15:58
相楽 @sagara1

ともあれ紹介したブログについて「……なぜ(とりわけ結論近くに)ああいう流れになってしまうのだろう?」という疑問が強くあっても、自分では取っ掛かりを見つかり難かったのですが@izuminoさんの論考を読み、考えて行き易くなりました。諸々、大変参考になりました。ありがとうございます。

2011-06-14 11:17:37
泉信行 @izumino

.@sagara1 まぁそこらへんはさやわか/村上対談の「フィクションの想像力であって現実に置き換えられる想像力じゃない」説と、ぼくも主張している「寓意として読めないこともないが、寓意として機能しにくい」説に当てはまる話ですね<そこまで詰めなくてもいい

2011-06-14 11:19:31
相楽 @sagara1

@izumino やや話が逸れるかもしれませんが、全部を全部、厳密に定義して進めようとすると流れが阻害されかえって宜しくないこともあるので「この場では何がどこまで必要か」を考え論じていくことが大切なんですね。そうしたバランス感覚についても、諸々読ませて頂くととても参考になります。

2011-06-14 11:29:06
相楽 @sagara1

「第十二回文学フリマ(2011/6/14)頒布の反=アニメ批評『アニメルカVol.4』及び既刊『エロ年代の想像力』の紹介・感想tweetをまとめました。」をトゥギャりました。 http://togetter.com/li/150768

2011-06-18 00:33:08