財政の視角から見るフランス革命 ~もしくは『わかりやすいストーリー』の陥穽

財政改革とネガティブキャンペーンにまつわるフランス革命史の話題、そこから導かれる教訓について、@sow_LIBRA11 さんのツイートを中心に収録。 先行まとめ(https://togetter.com/li/1491901)に敬意を払いつつ、より一般化した話題も扱っています。
世界史 経済 勧善懲悪 歴史 財政 政治 ルイ16世 フランス革命 マリー・アントワネット
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まとめ 台所事情から見たフランス革命の舞台裏 SOW@ぎぶみーじょぶさんに財政問題から見たフランス革命前後の流れ 日本でも、平安時代あたりにあったやつだ>貴族・寺院の非課税特権による国家財政の破綻 3013 pv 61 1 user 9

@sow_LIBRA11 さんのツイートのみを閲覧したい方は、↑の先行まとめをご覧ください。


話の枕
宇宙怪獣 @bemusuta
「市民が自らの手で勝ち取った民主主義、それがフランス革命。」 という主張には、少し危険な要素があると懸念します。 フランス革命の熱狂は、 多くの人をギロチン台に送る恐怖の時代を作ったとも言えますから… 論者は民主主義ではなく、革命の熱狂を望んでないか? とちょっと冷静になるべき話。 twitter.com/yorinobu2/stat…
ニド @2ewsHQJgnvkGNPr
前も言ったけどフランス革命を持ち出して民主主義を称揚する人、揃いも揃って「腐敗した王族王族を処刑して民主主義が成立したのです! めでたしめでたし」みたいな謎史観持ってて以後の革命政府による恐怖政治からの革命返しギロチン祭りがすっぽり抜けてるよな。これ本当に何なんだ?
ニド @2ewsHQJgnvkGNPr
まさか世界史の教科書に載ってないとか……?
ニド @2ewsHQJgnvkGNPr
「権力者の首を切ったギロチンは次におまえの首を飛ばすぞ。だがそれでもやれ」って覚悟を求める文脈で言ってるなら分かるけど、カジュアルにデモすることを勧めるのは正反対の姿勢じゃないかな……
ニド @2ewsHQJgnvkGNPr
「権力は銃口から生まれる」マジ名言
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11

ラノべ作家のはしくれです。「グリムノーツ」「BRAVELY DEFAULT PB」(スクウェアエニックス)のシナリオ、ノベルも担当。「戦うパン屋と機械じかけの看板娘」(HJ文庫)全10巻。「ワトソン・ザ・リッパー」(LINE文庫)など、お仕事募集中です!

SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
まぁここらへんの構造、経済的視点から見ると、また違った側面があるんですよ。 twitter.com/2ewsHQJgnvkGNP…

SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
よく言われる「民主主義革命の理想」的なフランス革命ですが、そこに至るまでの経緯ってのがありましてね。まずこの当時のフランス、貴族と教会の既得権益が凄まじく、この両者課税対象外だったんです。なので、商人とかは、納税逃れのため名義だけ貴族や教会のものにするってのは横行してたんです。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
無論、教会も貴族も金もらってます。そのため、国家の経済の9割がこの既得権益側に流れ込み、土地の多くも貴族や教会のものでした。フランス王家、実際は全土の1~2割くらいしか力及んでいなかったんです。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
で、「借金を重ねた」と言われる王家ですが、そんな状態なんで金借りないと国を回せなかった。でも上記のように財政がぐちゃぐちゃなんで、信用がなく、高利の借金を得ざるを得なかった。この「利子返済」も国庫を圧迫したんですね。王家ココらへんマジで困り、既得権益撤廃を考えます。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
で、いわゆる「聖域なき構造改革」を打ち上げるのですが、そりゃまぁ既得権益側からしたらおもしろくありません。貴族、教会、商人、さらには官僚まで含めて、一大王室バッシングをはじめます。当時のマスコミに金打ち込んで、「王室は大増税をして我々を苦しめようとしている!」と言い始めました。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
王室のプランとしては、 「自分の民に税金をかけつづけても、限界がある」 「ってか税金高くしたら産業が育たない」 「むしろ減税したい」 「なので、膨大な非課税層の金持ちや貴族や教会からも徴収すれば、民衆の負担は減る」 だったんです。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
そのために金借りてた海外の銀行から、超有能な財政家をスカウトし、改革を始めたのですが、そこを既得権益層に目をつけられました。 「あのガイジン、俺らの金を横取りしようとしているぜ!」と、ナショナリズムを利用し、「我々」の主語の中に、民衆と自分たちを入れて、ネガキャンかましたのです。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
これが想像以上に火が着いてしまったんですな。 実際、王家の支出が莫大だったのは確かですが、上述のように借金するのも信用がない状態だったので、公費を王室名義で借りた場合もありましたし、なにより王室の権威を維持しないと、その信用もさらに下がるので、減らせないものが多かったんです。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
だがこのネガキャンによって、 「王室の贅沢で民衆は苦しめられている」の構図になってしまい、ここであきらめてくれれば貴族も教会も万々歳だったのですが、王家それでも頑張ろうとしたので、どんどんヒートアップ、大炎上、革命発生、王家全てのヘイト押し付けられ死刑になります。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
ここまで見るとわかりますね? その後、革命政府が樹立するも、ここらへんのからくりがあきらかになります。 とはいえ、「悪の王家を倒してできた革命政府」なので、いまさら「王家そんな悪くなかった」とは言えません。 さらに言えば、王家から政権奪って樹立した政府ということは、
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
王家が背負ってた借金も、破綻仕掛けの財政も全部受け継ぐということです。「こりゃやべぇ」ってんで、どうすっかと考え、やはり行き着いた先は「既得権益層から取る」でした。しかし王家は制度を変えようとしたのに対し、こちとら力づくで奪った革命政府です。「殺してでも奪い取る」でした。
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
なにせ民衆の支持があります。「贅沢三昧の王家」もすでに殺した後です。「贅沢三昧の貴族」を殺すことに迷いもないしやらない理由もありません。殺せば殺すほど、彼らの財産と領土、さらに、「民衆」が革命政府のものになるのです。 そらやめられまへんでええええええ!
SOW@ぎぶみーじょぶ @sow_LIBRA11
当時の「民」ってのは、領主の財産でもあったんです。正確に言えば「徴税権」ですね。「自分の土地に住んでいるヤツは自分のものなので、そいつらから税を取り立てる」権利も含めて支配に含まれていました。なので、革命政府、「そういうのおかしくない?」と、人権を旗揚げしました。
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コメント

公然秘密結社社員 @higrik 2020年4月10日
やはり衆愚政治は悪だな(違う
ろんどん @lawtomol 2020年4月10日
フランス革命の輝かしい成果「プレリアール22日法」、反革命は死刑。証拠?そんなもんいらん、陪審員が有罪と思ったら有罪なんである
jpnemp @jpnemp 2020年4月10日
君らの教科書、ナポレオン載ってないんかい!?って話になるわな
west @flying00w 2020年4月10日
「汚れた血が、我らの畑を満たすまで!」な歌も領主に対する、土地改革の一環なんだな。比喩じゃない程死者が出たけど。
愚者@ エアコミケ1日目南ソ42a @fool_0 2020年4月10日
この辺りの事情を知っていると、義憤に駆られてジャン=ポール・マラーを暗殺したシャルロット・コルデーが余計に切なくて仕方ない……
ティルティンティノントゥン @tiltintninontun 2020年4月10日
「ここであきらめてくれれば貴族も教会も万々歳だったのですが」ってあるけど、あきらめられるわけないんじゃない?他に財源考えられないでしょ。
@id_fid 2020年4月10日
フランス革命を主導したジャコバン派が、フランス革命後何やってどういう末路をたどったかくらいは座っ羽にでも知ってから言わないとやばいだろ。フランス革命が単なる民主主義の獲得なんて簡単な話ならナポレオンは出てきませんわ。
かつま大佐(永遠の10歳📛) @kamiomutsu 2020年4月11日
実はマルクス主義だと経済の側面のみで語ってたから、昔の左翼は今みたいにフランス革命を「民主主義の勃興の象徴」みたいな謎の持ち上げ方はしてなかったのよね。あくまであれは王侯貴族からブルジョアに経済的支配権が移った「ブルジョア革命」であり、マル経的にブルジョアは敵なので。
夜更至ヒルネスキー @hiruneskey 2020年4月11日
id_fid 議会を一院制にし(て多数決からブレーキを取っ払っ)ちゃったとか何処かで読んだ>フランス革命を主導したジャコバン派が、フランス革命後何やってどういう末路をたどったか
sho_Yal @YaltSho 2020年4月11日
実際、フランス革命についての知識は『ベルばら』に描かれてる程度ってな人はけっこういる気がする。しかもアニメ版だとバスティーユ陥落で終わるから、ホント「腐敗した王族王族を処刑して民主主義が成立したのです!」くらいに思ってそう。
山の手 @Yamano_te 2020年4月11日
kamiomutsu しかしそこで登場するのが二段階革命論ではないですか?ブルジョア革命によって王家を打倒し、次に社会主義革命を起こしブルジョアを打倒する。
西方政府軍兵士@ノクターンノベルズ&ノベルアッププラス @Lkpi8dEIKmF7bi1 2020年4月11日
権力の集中というか、中央集権の政府が生まれる過程としてみると、本邦の明治維新とその後の廃藩置県がスムーズに行われたこと、比較的流血が少なかったのが奇跡に見える。
アイマキ @banzokuuuu 2020年4月11日
ルイ15世の敗戦と長年の飢饉が重なったのもあるしのちのナポレオンも無茶な戦争で人的資源すりつぶしたのにフランス革命だけことさらに取り上げて悪行!っていうのもどうかと思う
愚者@ エアコミケ1日目南ソ42a @fool_0 2020年4月11日
Lkpi8dEIKmF7bi1 無論運が良かったこともあったのでしょうが、むしろ欧州という先達をよく勉強していたからこそ、スムーズに国内統治を進めないと拙い事になるという自覚もあったからではないかと。
ゴリラマン @qVpcsoO5l52YpZ6 2020年4月11日
フランス革命は血だらけの粛清劇という印象しかなかったのですがこういう記事を見ると、革命もフランスにとって「生みの苦しみ」だったのだなあと感じます
かつま大佐(永遠の10歳📛) @kamiomutsu 2020年4月12日
Yamano_te それは「社会主義社会への転化は高度に発達した資本主義社会においてのみ起こる」というマルクス主義の教条主義的解釈から、自国がそもそもこの「高度に発達した資本主義社会」じゃないという現実を説明するために作られた理論であり、要は「社会主義社会を目指すためのステップとして仕方なく資本主義社会を目指す」ということでしかないんですよ。つまりブルジョア革命そのものには何一つポジティブな意味を見いだしていない。ソ連や中国などの貧しい国が社会主義革命の実験台だったから生まれた歪んだ理論です。
かつま大佐(永遠の10歳📛) @kamiomutsu 2020年4月12日
kamiomutsu 日本では社会主義者によって「明治維新をブルジョア革命とみなすかどうか」で議論となっているようです。つまり今の日本を「天皇支配の封建社会」とみるか「天皇を神輿に担いでいるブルジョア支配の資本主義社会」とみるか、というところ。もうすっかり減りましたが、天皇打倒を叫ぶ人たちのベースはたいてい前者ですね。
west @flying00w 2020年4月12日
アメリカ独立→絶対王政への疑問→財政難&食糧難→貴族が王を裏切る→人柱を必要とした役人階層。ドミノ倒しの様な処刑劇だ。メディアを使った情報戦→金持ちへの敵意→相互不信→周りの王政国と戦争。好戦的国民気質の訳を知る。
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