influenzerさんによるCOVID-19死亡率とBCGワクチン接種の関係その2(Johns Hopkins大からの報告)
- CordwainersCat
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それでは今日もツイートのみで失礼します。 目次から。 1) Johns Hopkins大からの報告でBCG接種で死亡が5.8倍減 2) クロロキンは副作用が多く、そもそも有効でないという報告 3) IDSAのガイドライン 4) 免疫不全患者は重症化しないのかも 5) 軽症者自宅隔離、ホテル隔離の問題点 6) NY州はピーク超える
2020-04-14 22:24:30●Johns Hopkins大からのBCGに関する論文 →BCG接種は5.78倍死亡率を低下させると。 プレプリントです。 本文で見つけられませんが、「現在BCGワクチンをワクチンプログラムとして接種しているかどうか」で比較していると思われます。 medrxiv.org/content/10.110…
2020-04-14 22:26:36---- ・国の経済状況(1人あたりGDP)を含む交絡因子、および高齢者割合を調整後、人口100万人あたりのBCG使用とCOVID-19に起因する死亡の関連を評価。 ・パンデミック疫学解析に国を入るタイミングは、100番目の症例が報告されたタイミングからとした。
2020-04-14 22:26:37・国の経済状況を悪いほうから低所得国(LMIC)、中所得国(UMIC)、高所得国(HIC)とすると、COVID-19による粗対数死亡率の中央値は0.4, 0.7, 5.5となった。 ・BCGを使用している国はしていない国の5.8倍の死亡率で有意だった(95%CI 1.8- 19.0)。 -----
2020-04-14 22:26:37対数線形回帰モデルで、一人当たりGDP、65歳以上の割合、100例目に達するのに要した時間で補正しても、BCG接種を行っている国は、そうでない国に比べて5.78倍死亡率が低かった。 pic.twitter.com/Hejz1NUNbi
2020-04-14 22:26:37●クロロキンは抗ウイルス効果が少なく不整脈のリスクが高い →高用量CQと低用量のRCTですが、リクルート初期の段階で、QTc延長率の高さと、ウイルス効果のなさが指摘されています。 HCQでもQTc延長率は高いと本文中に述べています。 medrxiv.org/content/10.110…
2020-04-14 22:27:42----- ・ハイドロキシクロロキン(HCQ)ではなく、リン酸クロロキン(CQ)の検討です。2種類の投与量で安全性等を検討した二重盲検RCT。 ・高用量CQ(600mg x2/day, 10日間)と低用量CQ( 初日450mg x2/day, 以後450mg/dayを4日間)を比較。全例でCTRXとAZMを併用。
2020-04-14 22:27:42・当初予定だった440例に達する81例の時点で、高用量CQ群でQTc 500ms(25%)であり、ペアサンプルを比較した14例では4日目にウイルス消失が見られたのは1例のみだった。 ・本試験の初期の結果からは高用量CQはQTc延長による死亡率増加の懸念があるから推奨されない。
2020-04-14 22:27:42・確認できた症例における評価では高用量でもウイルス消失効果がほとんどないことを示している。 ・HCQの検討でもQTc>500msは11%で見られている。2例はCOVID-19による心筋炎が疑われたがこれもCQによる合併症リスクを上げる可能性がある。 ・この結果は高用量のCQは使用すべきでないことを示している。
2020-04-14 22:27:43●IDSAのCOVID-19に関するガイドライン →すべての治療は推奨されず、臨床試験としてのみ使用を推奨すると。 7つの推奨がありますが、明言しているのは「ステロイドは使用するな」だけです。 しかし本文を見ると「ステロイドは有益かもしれない」という結論するのが妥当なような・・・
2020-04-14 22:29:04有効性を示唆する4つの後ろ向き検討が存在するがlimitationが多いと記載されています。 Infectious Diseases Society of America Guidelines on the Treatment and Management of Patients with COVID-19 idsociety.org/practice-guide…
2020-04-14 22:29:04--- Recommendation 1: CQ/HCQは入院例における臨床試験の中でのみ使用を推奨する。 Recommendation 2:HCQとAZM併用は入院例における臨床試験の中でのみ使用を推奨する。 Recommendation 3:LPV/rは入院例における臨床試験の中でのみ使用を推奨する。
2020-04-14 22:29:04Recommendation 4:ステロイドの使用は推奨しない。 Recommendation 5:ステロイドは入院例における臨床試験の中でのみ使用を推奨する。 Recommendation 6:tocilizumabは入院例における臨床試験の中でのみ使用を推奨する。
2020-04-14 22:29:04●免疫抑制はTNF-aのブロックだけで良い? →少なくとも重症例のARDSによる呼吸不全は免疫学的機序で起こっているというのは臨床医の同意するところかと。
2020-04-14 22:30:16そこでステロイドやIL-6阻害、JAK阻害薬が用いられるわけですが、過剰免疫抑制は細菌感染の合併やCMVなどの他のウイルス活性化にもつながりかねないので加減が難しいです。 Lancetに抗TNF-αの効果を検討すべきではないかというletterが出されました。
2020-04-14 22:30:17TNF-α阻害薬は多くの患者に使用されているので、安全性の点からもこれが有効な有望かと。 Trials of anti-tumour necrosis factor therapy for COVID-19 are urgently needed thelancet.com/journals/lance…
2020-04-14 22:30:17--- ・慢性関節リウマチや炎症性腸疾患で抗TNFαのみで治療していた116例がCOVID-19に罹患し、1例は死亡したが99例は入院も不要で回復。 一方でulfasalazine/mesalamineで治療していた71例の患者は6例が死亡し、半数が入院した。 ----
2020-04-14 22:30:17ただしこれは状況的には予防投与的に用いた場合の結果といえます。 発病後の治療効果についてはこれからの検討が必要ですが、免疫が低いほうが重篤化しにくい事はこれですでに示唆されているのかもしれません。
2020-04-14 22:30:18●現在、検討中の薬剤とその作用ポイント →図が綺麗だったので貼り付けます。 これまでの治療に関する検討のreviewになっています。 Pharmacologic Treatments for Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) jamanetwork.com/journals/jama/… pic.twitter.com/oErrRloY1K
2020-04-14 22:30:42→これもWHOからです。 回復者でも抗体が検出されない人、あるいは抗体価が低い人がおり再感染のリスクがあると。 サルでのSARS感染実験のように中和抗体が感染阻止に働かない可能性もあります。 各国で抗体測定の動きがありますので、同様の実験が待たれるところかと。 nikkei.com/article/DGXMZO…
2020-04-14 22:36:44