茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2520回「新型コロナウイルスは複雑系ウイルスで、パンデミックとインフォデミックは分離できない」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２５２０回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

今回の新型コロナウイルスは、その挙動や人類に与える影響が複雑すぎて、パンデミックに加えてインフォデミックが起こっていると言われるけれども、もともとウイルスが人体にそして社会に与える影響とそれに対する人間の対応がなかなか真実と最適解が見えない状況があって、結果としてこうなっている。

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たとえば感染から免疫が出る過程においても、治療法やワクチンがない中で、人口のかなりの部分が最終的に感染することは避けられないという説もあり、しかし医療崩壊を避けるために感染を遅らせるためにロックダウンをしているのだと言うが、一方で免疫が続かないとか、再感染、再活性化の話もある。

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人体への影響についても、年齢や既往症で重症化のリスクがある程度予想できるという話もあるけれども、若くて既往症がなくても重症化する方もいるということになっている。また、免疫系が過剰反応してサイトカインストームで重症化する方もいらしゃるということで、つまりはどうとらえていいのか不明。

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起源についても、昨年末くらいから武漢で、という話もあるし、それ以前に世界各所で感染していたといいう話もある。そもそもコロナウイルスの分類上、系統樹をどれくらいたどってどこからが変異で別のウイルスと認識すべきなのか、ずっとあった元のウイルスとの人類のかかわりもよくわからない。

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新型コロナウイルスにもさまざまな系統があってその一部が重症化しやすいという話もあるし、その重症化が遺伝的い要因やこれまでの免疫の履歴と関係しているのかもしれない。日本人に重症化が少ない（ように見える）ことも、BCGワクチンの接種と関係しているという説もある。

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社会の適応のあり方も、ロックダウンが必須という人もいるし、ウイルスによる重症化、死者と同様に社会的経済的な混乱が重大な影響を与えるからほどほどにすべきだという人もいる。今回の新型ウイルスについての議論はパラメータが多すぎて、何が真実なのか、何が最適なのかがすぐにはわからない。

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新型コロナウイルスの以上のような複雑さを考えると、パンデミックとインフォデミックはそもそも分離できないし、適応においても何が最適解なのかはそう簡単にはわからない。新型コロナウイルスはいわば「複雑系ウイルス」とも言える。人類の認知プロセスにとって重大な課題であるゆえんである。

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以上、連続ツイート２５２０回、「新型コロナウイルスは複雑系ウイルスで、パンデミックとインフォデミックは分離できない」をテーマに７つのツイートをお届けしました。