デザイナーが語る『まどか☆マギカ』のカードゲーム

N黒 @yasN2010

自分がつくったゲームについて語ることはあまりしないのですが、ゲームマーケットで頒布させていただいた『まどか☆マギカ』のカードゲームについては少しだけ語っておきたいと思います。

N黒 @yasN2010

先日も、『ビルマ電撃戦』の支隊分離ルールが当時の戦理に則っていることとか、『フライング・タイガース』のレーティングの話とか、「デザイナーはちゃんと語らねばいかん」と言われたばかりなんですが、そちらのほうは他に語ってくれる人がいそうですし（笑）。

N黒 @yasN2010

当日の体験卓を含めて、実際にプレイされた方に「世界観をよく再現している」と評価していただけたのは何よりでした。限られたコンポーネントの中でどれだけの要素を盛り込むか、はなかなか大変な作業でしたから。しかし、実は決定的に作品の世界観と乖離しているところがあります。

N黒 @yasN2010

それはプレイヤーがQBの立場であるのに、感情を持つ人間がプレイするということです。歴史を知った上で戦場に臨むウォーゲームのプレイヤーと同じ類の矛盾ですね。ですから、ゲームはこの矛盾を踏まえた上でつくらなければなりません。

N黒 @yasN2010

ちょっと脱線しますが、実はこのへんの矛盾を完全に処理し切れていないところがあって、ゲーム性に問題を感じていないわけではありません。即ち、「～心を弄ぶ」の効果が大きすぎるという点ですね。これ、「希望と絶望の相転移」の幅によって魔女化するという、初期版ルールを引きずった結果です。

N黒 @yasN2010

この点については、SGカードの変動幅に限らず、マイナスになれば常に1EPを獲得するというルールにすることで、駆け引きの要素が強まって、問題は緩和されることになると思います（Q&Aとともにブログで発表の予定です）。

N黒 @yasN2010

閑話休題。感情を持つプレイヤーが感情を持たないQBの役割を担う矛盾。これは、魔法少女の生死、あるいはワルプルギスの夜の帰趨がどう転ぼうが基本的に勝敗に関係しないことで、ほぼ解消することができます。勝利を目指すには、魔法少女がどうなろうが気にしなければいいわけなので。

N黒 @yasN2010

そうは言ってもプレイするのが人間である以上、どうしても感情が発露するんですね。EP獲得に走れば走るほど、「ずっとあの子たちを見守りながら、あなたは何も感じなかったの？　みんながどんなに辛かったか、わかってあげようとしなかったの？」という叫びが胸に響くわけです（笑）。

N黒 @yasN2010

実はそこで再び矛盾が発生し、必ずしも勝利を目指さないテストプレイが行われたことが多々ありました。例えば「ほむほむ無双が見たいんや」と、全員で飛び道具カードを温存してワルプルギス戦に備えて、見事一人でワルプルさんを倒すとか。

N黒 @yasN2010

まあ、どんなに協力しても魔女は無作為に登場するし、それを倒すためには魔力を使う＝SGを穢さなければならないので、一人二人は不幸になる事態も発生するのですが……。

N黒 @yasN2010

あとあと、ほむほむループでまど神を狙っている時にQBカードで目論見が外れることがありますが、QBカード＝ほむほむがQBを攻撃するカードなので、感情を持ったQBが大団円を目指しているのにほむほむの凶弾に倒れるという「すれ違い」（虚淵×宇野両氏の対談）もありなんです。

N黒 @yasN2010

感情を持たず、ひたすら勝利に向かって邁進するもよし、「感情を持ってしまったQB」のwhat ifで協力プレイを楽しむもよし。その時は勝利条件はプレイヤーが納得いくものでいいんじゃないかと思います。協力プレイをしつつ、途中で我に帰って営業マンの仕事を再開するってのも「らしい」です。

N黒 @yasN2010

何だかんだ書いてきましたが、僕の祈りはエントロピーを凌駕したので、すっかり満足しております（これぞ同人ゲームの醍醐味!?）。TL汚し失礼しました。

いちねんせい @cmj1nen

うちのえらいひとがなんかいますごいこと語り倒してますよ。

Ｎ村 @enumura

この位が丁度良さそうですね。次回はこれで試してみようと思います。 RT @yasN2010: この点については、SGカードの変動幅に限らず、マイナスになれば常に1EPを獲得するというルールにすることで、駆け引きの要素が強まって、問題は緩和されることになると思います。

N黒 @yasN2010

@enumura ありがとうございます!