『まんがタイムラブリー』の近年の歴史を振り返る――ストーリー作品志向、4コマへの揺り戻し、リニューアル、そして休刊

2011年6月に『まんがタイムラブリー』が休刊した。2011年2月にリニューアルしたばかりのこの4コマ誌は、近年を振り返れば2008年末からはストーリー作品志向を、2009年末からは新人投入による4コマ作品への揺り戻しを見せていた。そうした中でのリニューアルは、度重なる方針転換に読者離れが起きていた同誌の、イチかバチかの最後の賭けだったのではないかと、私は考える。
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すいーとポテト @sweetpotato14

リニューアル前にあったストーリー路線への転換に触れてない時点で片手落ちですね / 『まんがタイムラブリー』は何故休刊に至ってしまったのか - 空気を読まずにマンガを読む http://comicreading.com/archives/842

2011-06-14 22:15:47
すいーとポテト @sweetpotato14

「リニューアル直前は〜」と書かれているから購読者っぽいけど、2011年初頭のリニューアルが唯一のリニューアルであるかのように書かれているのは2009年前半の漫画家の証言を無視してるかなー。 http://bit.ly/jQiS61 http://bit.ly/jxBsu4

2011-06-14 22:57:05
すいーとポテト @sweetpotato14

あと、明らかな事実誤認が二点。タイムの「かつあげ君」の連載終了は、「昨年(=2010年)秋頃」ではなくて、2010年2月。 http://bit.ly/iXA0R0

2011-06-14 23:22:37
すいーとポテト @sweetpotato14

ちなみに2009年10月からタイムグループの編集人が加藤氏から桜井氏に変わっている。(表4に名前が書かれている) http://bit.ly/kZwAyr

2011-06-14 23:22:46
すいーとポテト @sweetpotato14

二点目は、「まさし君」はもっとずっと前の植田まさし作品だってこと。これは「かつあげ君」と同時に連載が終了した「あさかぜ君」の誤りかな? ちなみにタイムの植田作品は表紙&巻頭の「おとぼけ課長」です。

2011-06-14 23:26:39
すいーとポテト @sweetpotato14

で、2008年末からのラブリーのストーリー志向は当時の誌面に顕著にあらわれていて、おそらく最盛期の2009年6月号では作品数にして8/23、ページ数にして104/200 がストーリー作品(=4コマでないコマ割の作品)だった。過半数のページがストーリー作品なんですよ!

2011-06-14 23:33:16
すいーとポテト @sweetpotato14

その作品のほとんどが女性向けだってことは、作品自体の内容からも元々の雑誌の色からもうかがえるけど、加えて編集者の意図があらわれていたのが、2009年3月号表紙の「オール読み切り」の文字。これ、実話誌やティーンズラブ誌でお決まりの煽りですよね。そういう層狙いが見え見え。

2011-06-14 23:37:28
すいーとポテト @sweetpotato14

このツイートは俺の仮設だけど、まず、この2008年末からのラブリーのストーリー志向への転換によって、それ以前の読者がいくらか脱落しちゃったんじゃないでしょうか。事実、自分自身も脱落しかけてたし(2009年4月号の感想でそう書いてる)。 http://bit.ly/k7dkOn

2011-06-14 23:43:34
すいーとポテト @sweetpotato14

で、ここからは自分もうろ覚えなので、ちょっとメモ感覚で書いてみます。2009年末からの動き。

2011-06-14 23:45:36
すいーとポテト @sweetpotato14

2010年1月号では4コマ作品5作品が新連載。また、同号では大乃元初奈特集が組まれる。作家特集は次号からも、師走、藤凪、辻、芳原、大乃元、藤凪、辻、松田と、少なくとも2019年9月号まで続いている。(2010年10月号はロストしてしまったので分からない。)

2011-06-14 23:52:16
すいーとポテト @sweetpotato14

この2010年1月号から、ストーリー志向から4コマ志向への揺り戻しが始まる、と見ていいだろう

2011-06-14 23:54:06
すいーとポテト @sweetpotato14

2010年2月号で連載再開した「ハルの見えない望遠鏡」は、ストーリーではなく4コマ

2011-06-14 23:55:25
すいーとポテト @sweetpotato14

2010年4月号、HEROが4コマ「ちはる日和」でラブリー初登場

2011-06-14 23:57:55
すいーとポテト @sweetpotato14

2010年6月号、「ペンとチョコレート」が連載終了し、ラブリーからストーリー作品が消える

2011-06-14 23:59:42
すいーとポテト @sweetpotato14

以後、リニューアル直前の2011年1・2月合併号になるまで、連載作品としてストーリー作品は登場しない。せいぜい「ハルの〜」のラスト数号がストーリーなのと、乙佳佐がゲストで登場したくらい。(例によって2010年10月号については不明。)

2011-06-15 00:06:38
すいーとポテト @sweetpotato14

ただ、この揺り戻し、新人が多い。2010年1月号以降では、伊藤彩、板倉梓、浅谷歩、古下えみ、七瀬充、十野七、三好ハツミ、舞奈、めぐみこづえ、名苗秋緒、宮賀暦、森菜すずは。5月号以降ではデイリー4コマ作家のかまだいつき、NAL=ASK、日路、くりきまる、かがみいち、池尻エリクソン。

2011-06-15 00:17:23
すいーとポテト @sweetpotato14

で、当時単行本が出ていなかった作家でリニューアル時に移籍できたのは、板倉と十野だけ。

2011-06-15 00:19:43
すいーとポテト @sweetpotato14

ここまでをまとめる。1)ラブリーは2008年末からストーリー志向に転換。(2)その試みは1年で終わり、2009年末からは4コマへ揺り戻る。/以下は俺仮説。1)ではストーリー志向についていけない読者が脱落した。2)で集めた作家の多くは新人で、質的低下が発生し、さらに読者が離れた。

2011-06-15 00:23:46
すいーとポテト @sweetpotato14

こういった状況を鑑みるに、ラブリーはそもそもリニューアル前から苦しい状況にあったことが伺える。この苦境の源を分析するには、リニューアル前後の2010年〜2011年ではなく、ストーリー志向への転換が起きようとしていた2008年の状況を分析する必要があることは言うまでもない。

2011-06-15 00:26:33
すいーとポテト @sweetpotato14

だから、2011年初頭のリニューアルはラブリーにとってイチかバチか最後の賭けだった、ととらえるのが自然だろう。作家全とっかえという既存読者の完全な切り捨てをしなければならないほど、一発逆転を狙っていた。雑誌コードと誌名を残したのは販路とブランドだけでも活用したかったのでしょう。

2011-06-15 00:35:52
すいーとポテト @sweetpotato14

それでも、5号で終わってしまったのが「早すぎる」ってのは、共感できるところがある。ただ、忘れていけないのが震災の影響。ラブリーは13日発売で売上にがっつり影響を受けたことは想像に難くないし、紙不足やインク不足は出版界全体にとって大きな問題だ。

2011-06-15 00:48:12
こっくり @kokkuri

@sweetpotato14 リニューアル後の突然の休刊についてはどう分析してるんでしょう? どんなにアレでも最初の単行本まで待って休刊がセオリーですが。

2011-06-15 00:50:41
すいーとポテト @sweetpotato14

@kokkuri 単純に考えればリニューアル後の売れ行きが芳しくなかった、というところなんでしょうが、震災の影響も多分にあると考えています。紙とインク不足で苦しいところで、1誌切り捨てるなら以前から芳しくなかったラブリーだ、ということなのかもしれません。

2011-06-15 00:56:04
こっくり @kokkuri

@sweetpotato14 雑誌が売れない時代に雑誌の売上しか見ないのは余裕あるなーと思いました

2011-06-15 01:13:31