2020年4月18日

集団免疫(herd immunity)をキーワードとして、国家が対処する極端な二つの戦略を考えてみる。

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Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬が、もし開発できないとしたら? 集団免疫(herd immunity)をキーワードとして、国家が対処する極端な二つの戦略を考えてみる。 副読書として、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』とオースン・スコット・カードのSF『死者の代弁者』を薦めたい。1/

2020-04-17 07:32:25
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

一つ目の戦略。多数の犠牲者を出しながら、迅速な集団免疫を目指す。この戦略をA国が採用したとする。多数が犠牲となるとはいえ、新コロナウイルスでは、少なくとも人口の8-9割以上は生き延びる。2/

2020-04-17 07:32:25
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

二つ目の戦略。鎖国を含めた強力なロックダウンによる社会統制で、国からウイルスを駆逐する。A国ら、感染国からの人的流入を厳格に制限する。Z国は、こちらの戦略を採用したとする。3/

2020-04-17 07:32:26
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

A国は、社会活動抑制期間を短時間で終了でき、世界に先駆けて元の生活に戻る可能性がある。ただ、医療機関へのダメージを始め、あまりにも多くの人が犠牲になるため、国家が不安定するかもしれない。しかし、経済活動の復帰が、社会を好転化する可能性もある。4/

2020-04-17 07:32:26
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

例えば、太平洋戦争で日本は相当な人的・経済的ダメージをうけたが、生き残ったものたちによって新体制が構築され、戦後、急速な発展をとげることができた。5/

2020-04-17 07:32:26
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

Z国は、強力な社会的統制を続けることになる。Z国と同じような戦略をとった(少数の)諸国と連携し、移動は同盟国の間に止められることとなる。それは、A国を含めた残りの諸国との物理的交流が分断されることに繋がる。6/

2020-04-17 07:32:27
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

A国は、比較的自由な社会活動を続けられる。 Z国は、A国同盟からの感染を常に監視することになり、自由な社会活動を制限されることとなる。 8/

2020-04-17 07:32:27
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

ただし、新コロナウイルスで、集団免疫が長期間にわたって獲得できるかどうかは、まだ分からない。もしできないとなると、A国側では多数の犠牲者を出す事態が繰り返されることになる。これでは医療や社会経済活動へのダメージも深刻。 9/

2020-04-17 07:32:28
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

『銃・病原菌・鉄』では、様々な感染病に繰り返し罹ることで耐性をつけてきたヨーロッパ人が、新大陸を発見後、結果的に感染病を先住民にうつすことで、壊滅的な人口減少を引き起こしたエピソードが紹介されている。これが新大陸征服にも寄与した。 10/

2020-04-17 07:32:28
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

『死者の代弁者』では、ルシタニア星に入植した人類が、ジスコラダ病という感染病で絶滅の危機に陥る。幸い発症を抑える薬を発見したものの、入植者たちは全て感染者となり、地球など他の惑星に移ればそこの生態系を完全に破壊してしまう。(薬の頒布は小規模の集落では可能だが、地球規模は無理) 11/

2020-04-17 07:32:28
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

では、人類の脅威となるルシタニア星の入植者たちは、殲滅すべきだろうか?入植者たちは、何ができるだろう? 『死者の代弁者』は、『エンダーのゲーム』の続編ですので、興味のある方は、『エンダーのゲーム』から読まれることを薦めます。『エンダーズ・シャドウ』も素晴らしいです。 12/

2020-04-17 07:32:29
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

現実的には、この両極端の政策の間にある、幅広いグラディエントのどこのポイントが、それぞれの国家にとっての最適解なのかを求めることとなる。これはトップダウンで決まる場合もあるだろうが、実際には構成員それぞれの行動が反映されることになる。 13/

2020-04-17 07:32:29
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

長期間にわたる構成員全体の社会活動の抑制が不可能な場合、自然とA国よりの戦略をとりながら、医療崩壊を防ぐ道を探ることになる。 厳しい自由の制限を良しとし、施行も可能とするインフラやリソースを拡充できるならば、Z国よりとなる。 14/

2020-04-17 07:32:29
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

現状では、社会活動を制限することで、医療崩壊を抑えながら、ワクチンや薬の開発のため時間稼ぎをしつつ、徐々に集団内での免疫獲得者を増やすという戦略が採用されていると思う。ただ、経済活動が維持可能な、社会活動抑制の程度と期間は、まだ手探りの状態だろう。15/

2020-04-17 07:32:30
Hironori Funabiki @HironoriFunabi1

以上の様なことを考えると、この新コロナウイルスに対する戦略で、何を正解とするかは難しい問題であることが分かるのでは? A国策とZ国策では、違う人が得をして損をすることになる。だからこそ、例え多数の犠牲者が出たとしても、安易に戦犯探しをするのは避けたいと思う。16/

2020-04-17 07:32:30

コメント

さどはらめぐる @M__Sadohara 2020年4月18日
意外に思われるかもしれないが、日本は一度もZ国の施策をしたことがない。日本は地理的にあらゆる疫病の世界的流行の最後尾に位置し、日本国民には国外脱出する選択肢がないからだ。天然痘、麻疹、風疹、インフルエンザは飼いならせなかったが、マラリアと梅毒は国民病レベルにして飼いならしてしまった
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さどはらめぐる @M__Sadohara 2020年4月18日
医療崩壊を防ぐ最善手は"Harmony"のように健康を世界的なイデオロギーの中心に据え社会構造を根本的に変えないと無理。でなければ疫病が流行るたびに医療崩壊は毎回起きる
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さどはらめぐる @M__Sadohara 2020年4月18日
江戸幕府歴代将軍15人のうち、心身ともに健康と呼べるのは実は数人しかいない。かつ政治的能力のある人はさらに少ない。にもかかわらず江戸幕府が200年以上維持できたのは、それまでの幕府と異なり将軍を属人的な立ち位置から、"将軍という椅子に値打ちがある"体制に変更できたからだ。疫病が不特定多数の命を脅かす以上は、どれだけ属人的な職務を減らして残った人で経済を回せる仕組みを作れるかが、今後の国際競争力を決定づける
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