突発なお話

どうしようもないお話
0
おりぃ @olient_

これはさー。マグマラシの男の子とエッチした時の話なんだけどね。まあまあそう嫌な顔せずに聞いてくれよ。 そうだなあ……、確か8歳程度だったと思う。

2010-04-18 00:24:47
おりぃ @olient_

俺がパチンコ打ってた時だ。ちょっと喉が渇いてな、近くの自動販売機まで爽建美茶を買いに行ったんだよ。そしたらふてくされた顔で椅子に座って、じーっと本を読んでるマグマラシの男の子がいたんだ。

2010-04-18 00:27:27
おりぃ @olient_

あまりにも面白くなさそうに本を読んでるから少し気になってな。なんでこいつはこんなに面白くなさそうに本を読んでるんだろうなって。 しばらく、というかほんの5秒程度かな、そうやって観察してたら向こうもこっちに気付いたんだ。

2010-04-18 00:28:48
おりぃ @olient_

何? って、そいつが淡泊に言ってきたんだ。はっきり言って無愛想だったな。でもなんていうかな……綺麗だったんだよな、その子。綺麗で、恐ろしく可愛かった。毛並みなんて凄く艶っぽくてさ。

2010-04-18 00:34:31
おりぃ @olient_

あの店の汚さ知ってるだろ? その腐れたような店の、これまた腐ったようなライトに照らされるはずなのに。そいつの毛はさ、まるでシャンデリアかなんかに照らされてるように光ってるんだ。 きっと清潔に洗ってるんだろうな……。

2010-04-18 00:37:13
おりぃ @olient_

あまりにも綺麗だから、俺、言葉を失っててさ。そいつは怪訝そうな目付きでもう一度何?って尋ねてきたんだ。俺慌ててさ、ガキにキョドるってのもおかしい話なんだけどな、まあ、何でもないです。って大きい声で答えたんだよな。もしかしたら半分裏声ってたかも。

2010-04-18 00:40:24
おりぃ @olient_

そしたらそいつ、くすって笑ったんだ。俺の様子が面白かったんだろうな。でも俺さ、全然笑われたって気分になんなかったな。むしろそいつが笑ってくれたのがなんていうか、嬉しいっていうか……、とにかく気持ちよくてさ。

2010-04-18 00:42:41
おりぃ @olient_

だから俺、なんでそいつが今まで笑わなかったのか気になったんだ。会ってしばらくしか経ってないけど、そいつがあまり笑いそうにない子だってのは一目でわかったよ。多分お前でも分かる。だって本としかめっ面で睨み合ってるんだぜ?

2010-04-18 00:46:54
おりぃ @olient_

もったいないって思ったな。笑ったら凄く愛らしいのに、ってな。 でも多分、はじめからにこにこしているようだったら、魅力とかは普通の子より少し上ぐらいだったかもしれない。 子どもの癖して似合ってない顔してるんだ。 何か不思議な魅力を感じたよ。魔法だなありゃ。

2010-04-18 00:49:42
おりぃ @olient_

それから俺たちはすぐに仲良くなった。 あいつも寂しかったんだろうな。 俺がなんでそんな顔して本読んでんの? って聞いたらさ。 面白くないからって言うんだぜ。 じゃあ読むなよって言ったらそれしか暇潰しの材料が無いって言ってきたんだ。

2010-04-18 00:54:25
おりぃ @olient_

良くある話だよ。 あいつ親に連れられてパチンコ店に来てたんだよな。 でも退屈でしかたが無い。 しかし手元にあるのはそいつにとっては面白くもない小説。 あの年の子どもにとっては軽く地獄だよ。 だから俺さ、一緒に遊んでやることにしたんだ。

2010-04-18 00:56:35
おりぃ @olient_

それから二人で親のとこに行ったんだよ。勝手に連れてくのはさすがに面倒なことになりそうだから、一応許可取ろうってな。 親はかなりチャラチャラしてた印象があるな。 その親は、あっ、良いっすよw みたいな感じで了承したんだ。適当な奴だなって思った。

2010-04-18 00:59:57
おりぃ @olient_

子どもの方はさ、その親のそんな態度に心なしか傷ついてたような気がしたな。しばらく不貞腐れててさ、俺が車に乗せるまでずっとだんまりしてたな。 いや、乗せた後もだんまりしてたかな……。 とにかく少しの間気まずい雰囲気だったんだ。

2010-04-18 01:02:52
おりぃ @olient_

あ、なんで車に乗せたかっつーと、峠に連れて行きたかったんだ。そうそうあの峠だ。なんでかっていうとそいつが読んでた本がトーマス・マンの『魔の山』でさ、なんていうか、それで峠に連れて行きたくなったんだ。いや俺にも良く分かんないけどとりあえずそうしたかった。

2010-04-18 01:07:36
おりぃ @olient_

あまりにも沈黙が続くからさ。名前を尋ねたんだ。そしたら秘密、だってさ。じゃあ俺も秘密っていうと、それも良いねって返してきた。嫌に大人びているっていうか、背伸びしているしゃべり方だったな。

2010-04-18 01:09:26
おりぃ @olient_

親よりも賢そうに見えたな。穏やかでだった。あんな親なのに良くこんな子どもが出来たなと感心した。いや、あんな親だからこそ、あいつは賢くなろうとしていたんじゃないかな……、今考えるとそう思えてくる。悪い、話逸れたな。

2010-04-18 01:12:32
おりぃ @olient_

んでまあその後は他愛無い話をしたんだよ。学校は楽しいかとか、そんな感じだな。 それで俺が彼氏はいないのって聞いた時だったな。俺、そいつがあまりにも綺麗だからさ、女の子と思ってたわけ。そいつまた不機嫌そうな顔になって。僕、男だし。ってぽつりと呟いた。

2010-04-18 01:16:27
おりぃ @olient_

こりゃまずったな。って思った。また地雷踏んじまったよって後悔した。 すぐに謝ったけどどうやら許してくれなかったらしい。 それから峠に付くまでまただんまりさ。 車っていう閉鎖的な空間で、ああいうふうにギスギスした感じを味わうのはかなりきつかったな。

2010-04-18 01:20:12
おりぃ @olient_

峠について、車を降りて。風景を見た。 あの峠、夜景は有名だけど夕方は聞いたことないからさ、なんとなく心配だったんだ。 でも大丈夫だった。 夕方で、黄昏だった。 人や車や建物、全部がオレンジに彩られていて、現実味を帯びているくせにどこか非現実だった。

2010-04-18 01:24:44
おりぃ @olient_

俺たちはしばらくその風景を見た。悪くない時間だった。 しばらくして雨が降り出した。 本当に夕立って感じだったよ。慌てて俺たちは車の中に逃げ込んで、その後二人して笑った。すごい雨だな、とか。綺麗だったね、とか。 ギスギスしていた空気はもう消えていた。

2010-04-18 01:27:45
おりぃ @olient_

それから急に言いだしたんだ、あいつが。 僕って可愛いのかな? 良く言われるんだ、友達にも、父さんの友達とかにも、女の子みたいだって、ってな。 あいつそのこと気にしてたらしいんだ。良い意味でも、悪い意味でもな。

2010-04-18 01:31:20
おりぃ @olient_

俺は正直に可愛いって言った。 そしたらアイツ照れてさ、それがまた異常に可愛かった。 ゾッとするほどだ。凄艶っていうのはああいうのを言うんだろうな。 それから、どちらともなく、キスをしたんだ。

2010-04-18 01:33:09
おりぃ @olient_

おかしな話だろ? 俺はまだしも、アイツがノリ気だったんだ。 でもその時はそんなこと気にならなかったんだ。 その時はもう、俺は男っていう役割を無意識に悟ってたし、あいつも女だった。 抱きしめた感触は、すごく柔らかくて、そして幼くて、危険だった。

2010-04-18 01:35:00
おりぃ @olient_

あいつ本をいろいろ読んでいるからさ、あの年でそういう行為の事を知ってたんだろうな。 男と女の行為はもちろん、男同士もな。 キスはすぐに深いものになった。甘いような、まだ乳臭さが残るようなアイツの口内に、俺は自分の舌を突っ込んで、舐った。

2010-04-18 01:37:50
おりぃ @olient_

胸は無い。っていうわけでもなかった。 第二次性徴も来ていないそいつの胸は、少しだけ柔らかくて、強く押さえると柔な肋骨に間接的に触れられた。 腰に手を当てるとかわいらしく震えて、薄く開いていたそいつの瞳がみずみずしく潤ってきていた。

2010-04-18 01:40:56