2020年4月30日

掌小説語り~自作つぃのべる集~47

自作ついのべるのまとめです。 2017年3月分。
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リュカ @ryuka511

撃たれた、と解った時にはもう立ち上がる事もできなくなっていた。遠くなる意識で見た空は、故郷のそれと変わらず綺麗だった。嗚呼、これで、やっと、君の所へ、行けるのかな。だけど、血に染まった僕が、君と同じ所へは、行けないんだろうな。風が、砂を運んで、全てを埋もれさせる #twnovel

2017-03-01 01:41:52
リュカ @ryuka511

姫が囚われていたのは、魔界の外れの崩れかけた塔だった。てっきり魔王城にいると思っていたのに。塔に侵入してわかった。姫の強大な力が塔を崩壊させている。力を制御できない姫を、魔王城から隔離したのだ。このままでは世界が崩壊する。魔王より先に、姫を討たねばならないのか? #twnovel

2017-03-02 00:28:55
リュカ @ryuka511

「あなたを信じてる」謀反の疑いをかけられた僕に、君だけはそう言った。それが心の支えであり、同時に苦悩の種だった。国を思い、同志を募った。だが、主君殺しの大罪に慄いた仲間は僕を裏切った。致し方ないと諦めはついた。死罪は免れない僕を、信じるなんて言ってはいけない #twnovel

2017-03-03 01:01:08
リュカ @ryuka511

君を守ると誓ったのに。「ありがとう」少女のように朗らかに笑って、君は行ってしまった。君を連れて逃げれば良かった。だが君は世界の為に生命を捧げる聖者。権力も運命も何もない僕に手出しは許されなかった。だけど君を犠牲にした世界などいらないから、間に合ってくれと君を追う #twnovel

2017-03-04 00:16:58
リュカ @ryuka511

君が大切に育てている花を預かった。絶対に帰ってくるからと。だけど君は帰って来なかった。花もそれを察したのだろう。次第に元気がなくなり、教わった通り水や肥料をあげても少しずつしおれていく。そしてある日鉢ごと消えてしまった。消えた花は空へ向かったのだろう。君を追って #twnovel

2017-03-05 01:14:50
リュカ @ryuka511

昼だというのに外は暗く、激しい雨と風が窓を叩く。彼女は不安げに空を見つめていた。いいぞ、とほくそ笑む。携帯の電波も届かない山奥。車はパンクさせたし電話線も切断した。ミステリー好きな彼女に最高のサプライズを。美しく仕立てた君。誰もいない山荘の静謐さを想い恍惚に浸る #twnovel

2017-03-06 01:37:55
リュカ @ryuka511

当然の事ながら、記憶の中の君はあの頃のまま。時の流れは少しずつ全てを変えてゆく。変わり果てた僕にがっかりさせはしないだろうか。そっちでも時間は流れているのかも。変わったのはお互い様だと笑い合えたらいい。君を殺した奴を殺した僕が、君と同じ所へ行ける保証は無いけれど #twnovel

2017-03-07 00:12:29
リュカ @ryuka511

ドレス姿の君は憂いを含んだ瞳で私を見上げる。解っている、君の気持ちは私に無い。それでも君が欲しくて力ずくで手に入れたし、抗う術はあったのに君はそうしなかった。ならば私達は結ばれる運命にあったと言っていいのではないか。君の憂い顔を晴らしてみせよう。幸せにする、必ず #twnovel

2017-03-08 00:05:18
リュカ @ryuka511

危険な旅は止めてと言うのに、「必ず戻ってくる」だなんて不穏な言葉を残しあなたは旅立ってしまった。それから数年、あなたは戻ってきた。約束を守ったと言うつもり? えぇ、そうね。あなたは嘘は言ってない。あなたはここにちゃんと戻ってきた。もう、息をしていないけれど。 #twnovel

2017-03-08 23:55:41
リュカ @ryuka511

現場に現れた探偵は真っ先に遺体を観察する。「なるほど、そうですか」遺体と会話していたかのように呟くと、関係者を屋敷に集めるように告げる。「もう犯人が解ったのですか?」驚愕する刑事達に探偵は頷く。「えぇ。死体は喋るものなんです。この方は特に色々と教えてくれました」 #twnovel

2017-03-10 00:45:53
リュカ @ryuka511

それは月も星も見えない、とっても静かな夜でした。あの人の茶碗が唐突に割れ、「あの人はもう帰って来ない」と解ってしまったのです。あの人という存在は今この瞬間、世界のどこにも無くなってしまったのだと。何故そんな事が解るのか、問われても上手く説明出来ませんが解るのです #twnovel

2017-03-11 02:26:45
リュカ @ryuka511

捻じれた運命を正す為、過去へ向かう。あの日、忘れ物を取りに帰ったりしなければ、そもそも忘れ物などしなければ。「忘れ物だぞ」兄貴のフリをして呼び止める。「気を付けて行けよ」僕の言葉に頷く僕。上手くいった、これで君にまた会える。安堵した僕の背後で、急ブレーキと衝突音 #twnovel

2017-03-11 23:57:01
リュカ @ryuka511

僕に戦う理由を問う君は、自分が戦う理由を語る。あまりにも違う境遇、まるで違う価値観。僕らの正義は君にとって最たる悪で。なのに君は僕にわざと負けた。最期の瞬間、口角を上げて笑い計算高く散る君。勝利の喜びは微塵も湧かない。僕は一生、この勝利を誇らしくは思えないだろう #twnovel

2017-03-13 01:31:17
リュカ @ryuka511

あの日の雨は、今も私の中に降り続いている。暗い空、冷たい雨、消えた友。どうして私じゃなく彼女だったのか。私を庇ったりしなければ。けど、逆の立場なら私も同じ事をしただろう。そして彼女も苦しんだだろう。あんな事が起きなければ。脳裏に響く消えない雨音の中、立ち尽くす #twnovel

2017-03-14 02:04:13
リュカ @ryuka511

仕事の前にはスイッチを切るように感情をオフにする。そうしなければ、とてもじゃないがやっていられない。他の同業者はどうなのだろう。中にはこの仕事を喜んでやってるのもいるらしいが、よく解らない心理だ。さて、今日も感情を閉ざし、仕事場へ。 #twnvday 「いらっしゃいませ!」

2017-03-15 02:09:57
リュカ @ryuka511

世界の真理、彼岸と此岸、始まりと終わり、世界のありとあらゆる知識の代償に言葉を失った。解っている未来を、伝えるべき知識を、避けるべき選択を、報せる術が無く途方に暮れる。これらは自分だけが解っていても何の意味も無いのだ。言葉とは、あってもなくても何と不便なのだろう #twnovel

2017-03-16 00:21:57
リュカ @ryuka511

ふいに辺りの景色が霞んだ。闇夜に浮かぶ嫁入りの行列が迫ってくる。白無垢姿の女が悲しげな顔で細い腕を伸ばす。「愛して下さい」悲愴と呪詛のこもった眼差しに捕らえられる。お前を裏切るつもりは無かった。だが、お前こそ正体を隠し俺を騙していたじゃないか。そんな目で見るな! #twnovel

2017-03-17 00:38:37
リュカ @ryuka511

「本当に良いのだな?」神官の言葉に無言で頷く。純潔でも何でもないこの身は尊き贄には成れずとも、あなた一人の救いになるくらいは可能でしょう。あなただけが世界の命運を背負う必要などありません。こんな世界の為に命がけで戦うあなたを、ひっそりと救って消えていきたいのです #twnovel

2017-03-18 00:47:37
リュカ @ryuka511

君から別れ話を切り出された。うすうす感じてはいたが、全てを断ち切る決意をしなければならないのだろう。そう、全てを。 #twnovel 何を吹き込まれたか知らないが、君に悪い影響を及ぼすものは僕が断ち切らなければ。君は僕が守るから何も心配しないで。君は僕の隣にいればいいんだからね?

2017-03-18 23:45:16
リュカ @ryuka511

「あいつとは別れた方がいい」親友の貴方がそう言うなら、それはきっと正しい事なのだろう。今まではそれに救われていた。いや、救われたような気になっていただけ。だって見てしまったから。貴方が、彼と腕を組んで楽しそうに歩いているのを。そうね、別れて正解だった。貴方とも。 #twnovel

2017-03-20 00:33:09
リュカ @ryuka511

春は出会いの季節であり別れの季節でもある。春風があなたの涙を誘い、散る。こんな時にあなたに寄り添い、想いを告げるのは卑怯だろう。あなたの恋が終わり喜んでいる自分に嫌気がさしている。あなたは賢明だからこんな卑怯者には決してなびかない。解っていてもあなたに手を伸ばす #twnovel

2017-03-21 01:27:04
リュカ @ryuka511

こんな薄汚れた街に、なぜ君はいたんだろう。だけど君がいたから、僕は生きようと思えた。見捨てられた街で、君を守る為に僕は必死に生きた。だけど、本当に守られていたのは僕の方だったんだ。僕にとって君はこの深い闇に咲く花のようだった。僕は今、どう生きたらいいのか解らない #twnovel

2017-03-22 01:37:54
リュカ @ryuka511

「我に力を与え給え」目の前の神々しい何かに願う。「力が欲しいか?」という問いに迷いなく頷いた。裏切り、中傷、ありとあらゆる屈辱を受けた。もたらされたものは何も無かった。神に匹敵する力を得て、世界を破壊した。こんなはずじゃ無かったという思いは、とうに消え失せていた #twnovel

2017-03-23 00:05:57
リュカ @ryuka511

いつからそんなものを抱えていたのか、それはまるで銃だった。近づく者、触れる者、誰も信じられず、乱射するように拒絶した。上辺だけの優しさや面倒なしがらみなど不要。独りで生きる方がいい。そうして孤独になれた時初めて銃は捨てられる。求めていたのは愛でも理解でもないのだ #twnovel

2017-03-24 00:05:02
リュカ @ryuka511

僕も母上も、父上の無罪を信じていた。だがどうすることもできず、流罪が決まった父上を見送る。「真っ直ぐに生きよ」それが父上からの最後の言葉だった。あの日以来、僕は剣の稽古に学問にも励んだ。父上、みてください、僕の生きざまを。父上を陥れ僕達の人生を歪めた輩に、天誅を #twnovel

2017-03-25 00:51:09
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