ナラク・ウィズイン#9
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
【この物語は】 かつて平安時代を支配した闇の半神種族、ニンジャ！ 国家が崩壊し電子ネットワークが張り巡らされた時代、キンカク・テンプルから降り来たニンジャの魂が憑依融合し、人は突如ニンジャとなる！ そればかりか、過去より生き続けるリアルニンジャ達も続々と現世に戻ってきつつあった！
2020-04-30 20:45:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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【現在の状況】 ・シーズン２でニンジャスレイヤーの中のナラクの力は身体を離れてしまった！ ・ナラク・ニンジャの恐るべき力は現在、ギンカク・オベリスクに眠る！ ・ナラクの力を奪おうとする者あり！ ・現在、ギンカクを前にして、阿鼻叫喚地獄図！ナラクの力は３忍が同時に所持……！
2020-04-30 20:57:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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向かってきたジョウゴ親王が拳を叩きつけるより早く、ニンジャスレイヤーは動き、その身体に突進しながら肘打ちを叩きつけていた。「グウッ……！」ジョウゴ親王はガード姿勢でタタミ数枚後ろに滑った。「……ふざけるな」ニンジャスレイヤーは呟いた。そして叫んだ。「ふざけるな！ 貴様ら！」 0
2020-04-30 20:59:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ゴウ！ ゴウ、ゴウ！ ニンジャスレイヤーの目が赤黒の光を放ち、装束が燃え始めた。握りしめた拳が地震めいた軋み音を立て、踏みしめた足元からは赤黒の火が滲み、亀裂を生じてゆく。親王が口を開いた。「貴様……」「黙れ」ニンジャスレイヤーの手が炎に包まれた。「おれに返せ。全てをだ！」 0
2020-04-30 21:00:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「返す？」ジョウゴ親王はニンジャスレイヤーを睨んだ。「貴様に我が力を返すだと？世迷い言を」青銅甲冑を脈打つカゲムシャ・ジツの炎は、彼の内より出でる赤黒の炎と混じり合った。邪悪なマントがはためいた。「ザンマよ！いつまで遊んでおるか。イクサを始めるぞ！」 1
2020-04-30 21:04:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ヌウン！」ザンマ・ニンジャはキアイを込め、足元を侵すケイトーの最後の拘束力を蹴り払った。「ザンマの敵はニンジャスレイヤー也……！」「然り！退治せい。ブザマに墜落せしケイトーには、我がニンジャを向かわせた！この場の二匹を仕留め、終わらせるのだ」「……」ザンマは大剣を構えた。 2
2020-04-30 21:08:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」ザンマはザンマブリンガーを横へ薙いだ！ジョウゴ親王の鼻先をかすめた刃は、ヘラルドを襲った。ヘラルドは赤黒の炎の渦めいて身体をねじり、姿勢を下げて、強烈な回し蹴りで応じた！「イヤーッ！」「イヤーッ！」ザンマはヘラルドのカラテを受ける！拳を繰り出す！「イヤーッ！」 3
2020-04-30 21:11:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」ヘラルドは拳を避け、回し蹴りを繰り出す！メイアルーア・ジ・コンパッソだ！「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」連続蹴りが加速し、炎は勢いを益々増してゆく。ジョウゴ親王はザンマに襲いかかるヘラルドを横目に、不快げに目を細めた。「ケイトーめ。何かしおったか。まあよい」 4
2020-04-30 21:14:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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目下、彼の凝視はニンジャスレイヤーに向いた。ニンジャスレイヤーの繰り出した拳に、親王は不遜を感じたのだ。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはジョウゴ親王に再び向かってゆく！「イヤーッ！」繰り出す拳を腕で弾き、親王は殴り返す！「イヤーッ！」「イヤーッ！」KRAAASH！ 5
2020-04-30 21:15:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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衝撃波が散り、二者は回転しながら間合いを取り直す。「スウーッ……フウーッ……！」ニンジャスレイヤーは前傾し、焼けた息をふいごのように循環させる。精神が研ぎ澄まされる。光の柱を昇る４本の矢の光景がニューロンに不穏に焼きつく。ギンカク・オベリスクと、力の脈が脳裏に閃く。 6
2020-04-30 21:19:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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オベリスクからは３つに分かれた力の脈が、ニンジャスレイヤー、ジョウゴ親王、ヘラルドに繋がっている。ニンジャスレイヤーは己を凄まじい怒りで満たした。『0100101……そうだぜ』苦しげな声がノイズ混じりに聞こえてきた。シルバーキーだ。『ナメやがって。泣き寝入りするタマじゃねえだろ、お前』7
2020-04-30 21:22:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「……貴様か」ニューロンが加速し、時間が泥めいて鈍化した。『ごアイサツだな。俺だってギンカクにまつわる者として、お前の知らんところで頑張ったぜ。具体的にはさっき……まあいい……目下、状況は芳しくねえがよ……』「おれにナラクの力があれば、おれは、くだらん矢を止められたのか」 8
2020-04-30 21:28:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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『……どっちにしても、それは後悔できる事じゃねえよ』シルバーキーは言った。『今お前がやる事はハッキリしてら。ナラクの火はお前に属する力なんだ。だから……』「当たり前だ！」ニンジャスレイヤーは遮るように言った。「奴らにナラクを黙って差し出す謂れはない……！」 9
2020-04-30 21:31:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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『その意気だ』シルバーキーの思念がニンジャスレイヤーの隣に立った。『ナラクはニンジャスレイヤーの力。ナラクにも自明の事なんだ。お前が望んで、働きかければ、うまくいく。具体的には……』「だいたいわかった」ニンジャスレイヤーは答えた。「カラテだ。じゅうぶんだ」 10
2020-04-30 21:34:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ゴウ！空気が唸り、時間間隔が解放された。凄まじい速度でジョウゴ親王が向かってきた。「イヤーッ！」螺旋を描くチョップ突きが襲いかかる！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは突きの内側に腕を走らせ、殴り返した！「「ヌウーッ！」」KRAAASH！相互の拳がメンポに叩きつけられる！ 11
2020-04-30 21:37:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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バキバキ、ミシミシと軋む音が走り抜け、踏みしめた足元の地面に亀裂が生じ、赤黒の火が燃えた。「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」彼らは足を止め、殴り合った。……ZGGGTOOOOOOM……！そのとき、天地が鳴動し、空が光り輝いた。 12
2020-04-30 21:40:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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『これは……0100101』シルバーキーはニューロン・リンクが切断される寸前に、象徴的なヴィジョンを送ってきた。ニューヨーク。ここから最も地理的に近い地点に、まず着弾した。そこに何が起こるか、もはや聞き返す暇はない。「イヤーッ！」「イヤーッ！」彼らは赤黒の火を散らし、殴り合った。 13
2020-04-30 21:42:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ニンジャスレイヤーの右拳をジョウゴは左手で掴んだ。ジョウゴの右拳をニンジャスレイヤーは左手で掴んだ。「「……！」」彼らの踵が赤黒の火を噴いた。その拮抗、一瞬！「イイイ……」ニンジャスレイヤーは決断的に顔を仰け反らせた。ジョウゴは気づいた。遅い！「イヤーッ！」頭突きを食らわせる！14
2020-04-30 21:45:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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KRAAAASH！視界が真っ白に染まる。ニンジャスレイヤーは意志を燃やし、打ち克とうとした。010001010……視界がまだらに霞み……00100101……ニンジャスレイヤーは己を、ピザタキの店内で見出した。 15
2020-04-30 21:47:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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デロリロリロリ、デロリロリロリ。店内のピンボール台が電子音を鳴り響かせた。「バニーチャン！」合成音声が割れた音を発すると、オレンジの単色液晶モニタのバニーオイランが脚を振り、ネオンライトが明滅した。「オウシ！オウシッ！オウーッ！」タキが台に腰を打ちつける。 16
2020-04-30 21:50:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「小麦粉をこねたいのですが」コトブキがカウンターの向こうから顔を上げた。「こね棒みたいなもの、ありませんか？」「ア？あるわけねェだろ！冷凍ピザの在庫はキッチリあるはずだぜ」「それが、無いのですよ」「ア？発注したはずだオレは。業者の野郎！」「注文履歴がありません」「業者の野郎！」17
2020-04-30 21:52:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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マスラダは彼らを見やり、それから窓の外に違和感を覚え……顔を向けた。窓の外にはどこまでも荒廃が広がっている。そこには、ひと目で致命傷とわかる傷を負った美しいニンジャを抱えるジョウゴ親王の姿があった。「殿……」すぐそばで聞くように、その会話は耳に入ってきた。「貴方は真の覇王也」 18
2020-04-30 21:56:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「クセツ……ランマル……！」「敵……敵は、ホンノウジにあり。アケチ……討つべし！」「お、おお、おおお……！」ジョウゴ親王は震えた。地平はるか遠くには山のように巨大なタイクーンが４つの腕を組み、威圧的に見下ろしている。ジョウゴは叫んだ。「オオオオオーッ！」 19
2020-04-30 21:59:06